2013年11月上旬
秋の雑木林でアオゲラ♂(Picus awokera)が何か木の実を採食しています。
頭頂部全体が赤いので♂ですね。
樹種は何でしょう?
遠くて見難いのですけど、ヤマウルシの実ですかね?
ヌルデにしては紅葉した葉の形が違います。
ハゼノキは関東地方以南にしか分布しないので除外。
食後は隣の木(イタヤカエデ)に飛び移り、幹を登り始めました。
幹に止まってあたりをキョロキョロ見回しています。
この後は姿を見失ってしまいましたが、啄木鳥がドラミングする音が盛んに聞こえました。
『野鳥と木の実ハンドブック』p64、66によると、
ウルシは10月頃から熟し始めるが、鳥が採食し始めるのは、早くても12月頃からである。鳥はとにかく、ウルシ属の木の実をよく食べる。
【追記】
直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまきに注目して』によると、
キツツキ類はふだんは木をつついて中にいる昆虫を食べているが、果実がたくさんある秋冬になると食べ物を果実に切り替える。(p52より引用)
野間直彦『種子散布にみる植物との共生』によれば、
キツツキ類もウルシ属の果実をよく食べるところが観察される。これらは一見餌にはならないようにみえるが、ウルシ属のハゼノキやヤマハゼの果皮には蝋状の(中略)物質がついている。栄養分析の結果、これらは鳥にとって利用可能な脂肪分を多量に含んでいることがわかった。 (『鳥類生態学入門―観察と研究のしかた』第9章p139より引用)
上田惠介『意外な鳥の意外な好み:目立たない“乾果”を誰が食べる?』によると、
アオゲラ属のキツツキはアカゲラ属やクマゲラよりも果実に依存した食性を持っていることが知られている。 (『種子散布 助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』 p69より引用)
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