2013/11/18

有毒植物ホツツジの花蜜を吸うクロマルハナバチ♂



2013年9月上旬

里山の林道脇に生えたホツツジの群落でクロマルハナバチ♂(Bombus ignitus)が訪花していました。
集粉する必要のない♂には当然、後脚の花粉籠はありません。



この白い花の名前を知らなかったのですが、図鑑で苦労して調べてようやくホツツジだろうと分かりました。
wikipediaの解説で気になったのは次の点。

グラヤノトキシンⅠ~Ⅲなどを含み、有毒。誤食すると、嘔気、頭痛、発汗、酩酊昏睡、痙攣などを引き起こす。これらの毒は花粉にも含まれ、蜂蜜に混入して食中毒を起こすことがある。

昆虫が自らの栄養源として少量吸蜜する分には影響が無いのでしょう。
それとも、この神経毒(Na+チャンネル開口毒)は脊椎動物に対してのみ毒性があるのかな?
植物の側としても、受粉を媒介してくれて共生関係にある蜂に致死量の毒を盛ったりしない筈です。



似た例として、有毒植物ヒレハリソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀も観察・撮影しています。
毒性の種類はホツツジと全く違いますけど。



【追記】
ローワン・ジェイコブセン『ハチはなぜ大量死したのか』を読むとセイヨウミツバチについて次のように書いてありました。
ミツバチには10種類しか(味覚受容体)がない。餌と協調関係を結んでいるごくわずかな生命体であるミツバチは、それほど多くの味覚受容体を持つ必要がないからだ。そもそも味覚受容体のほとんどは毒素を検出するために使われる。けれども花を信頼しているミツバチは、毒素のことなど考えようともしないのだ。 (p75より引用)

翻訳書なので日本語として少し読みにくいですが、初めて知りました。
マルハナバチ類(ミツバチ科)の味覚受容体も種類が少ないのですかね?


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