2012年11月中旬・気温21℃
トゲアリ(Polyrhachis lamellidens)のワーカー♀が徘徊していた桜の木をよく調べてみると、幹の地上60cmのところに集まっていました。
桜が分泌した樹液に集まっているのかと一瞬思いましたが、樹皮の割れ目の奥に営巣しているようです。
本種は樹上営巣性とのことですが、巣を見つけたのはこれが初めて。
晩秋で動きが鈍いのですけど、巣に出入りするアリの動きを見るため動画で15分間、記録監視してみました。
本当は微速度撮影の代わりに早回し映像を作成して公開するつもりが、なぜか上手くエンコード出来ませんでした。
カメラからPCのHDDに動画を転送した際にファイルが微妙に破損してしまったようです。
YouTubeにアップロードすると、10分過ぎのところで切れてしまっています。
という訳で、ただの退屈な映像になってしまいました。
「日本産アリ類画像データベース」の分布図を見て意外だったのは、記録上は山形県がトゲアリの分布の北限とされているようです。
【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』によると、
トゲアリは環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されているのだそうです。
主な生息環境は平地の雑木林で、木の洞に巣を構えていることが多い。このアリは社会寄生性の種として知られており、新女王は自力でコロニーを立ち上げる能力がない。そこで、同じく日本産アリ類としては大型種であるクロオオアリなどの巣に侵入してそこの女王を殺し、自分がその巣の女王に成り代わる。(中略)クロオオアリは地中営巣性だがトゲアリは樹洞営巣性のため、乗っ取りに成功してある程度コロニーサイズが大きくなると、地中の巣を捨てて樹上へと引っ越すようである。(p206-207より引用)
下線部については知りませんでした。
いつか自分の目で乗っ取りの様子を観察してみたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿