A: 主な理由は、ご推察のとおり 表面張力と粘性 です。ただし、それだけでなく花の構造も重要です。下向きの花で花蜜が落ちない理由を整理すると、次のようになります。
1. 花蜜の量が非常に少ない
まず、花蜜は私たちが想像する「液体がたまった状態」ではないことが多いです。
多くの花では、蜜腺から分泌された蜜は数マイクロリットル(μL)程度しかなく、花の内壁や蜜腺の表面に薄い液滴として付着しています。
液滴が小さいほど表面張力の影響が重力より圧倒的に大きくなるため、簡単には落下しません。
身近な例では、逆さにしたガラス板に小さな水滴がしばらく張り付いているのと同じです。
2. 花蜜は水ほどさらさらではない
花蜜にはショ糖・ブドウ糖・果糖などの糖類が大量に含まれています。
濃度は種によって異なりますが、20〜70%程度になることもあります。
そのため純水より粘性が高く、
液滴がまとまりやすい
流れにくい
滴下しにくい
という性質があります。
特にハチ媒花では比較的高濃度の蜜が多く見られます。
3. 蜜は花の奥に保持されている
釣鐘状や筒状の花では、蜜腺が花の基部にあり、花冠の内壁に囲まれています。
たとえば、
ツリガネニンジン
ホタルブクロ
ドウダンツツジ
などでは、蜜は花の最も奥に位置しています。
そのため、たとえ花が下向きでも、蜜は「ぶら下がっている」のではなく、花の基部のくぼみに保持されています。
4. 花の内面が蜜を保持しやすい
花冠内部には微細な毛や凹凸があることがあります。
これらは毛細管現象を生じさせ、
液体を保持する
広がらせる
滴下を防ぐ
働きをします。
スポンジに水が保持されるのと似た効果です。
むしろ下向きの花の利点
興味深いことに、下向きの花は花蜜を失いやすいどころか、しばしば花蜜を守る方向に進化しています。
下向きに咲くことで、
雨水が花の奥に入りにくい
花粉が濡れにくい
花蜜が希釈されにくい
という利点があります。
そのため山地や冷涼な地域の植物では、釣鐘状で下向きの花がよく見られます。
要するに、下向きの花の蜜が落ちないのは、「蜜が少量であること」「高糖度で粘性があること」「表面張力が重力に勝つこと」、そして「花の構造そのものが蜜を保持するようできていること」が組み合わさった結果です。実際には、重力よりも表面張力の方が支配的なスケールで現象が起きている、と考えるのが分かりやすいでしょう。
2026/06/16
ベニサラサドウダンの花蜜を吸うセグロアシナガバチ♀創設女王
2026年5月下旬・午前11:30頃・晴れ
この時期はワーカー♀がまだ羽化しておらず、越冬明けの創設女王だと思われます。
下向きに咲いた釣り鐘状の花に正当訪花を繰り返し、吸蜜していました。
花を下から見上げるアングルだと、花筒の底の蜜腺を舐めていることがよく分かります。
花から花へ飛び回ると、羽音がかすかに聞こえます。
最後は生垣の茂みの奥に潜り込んで、撮れなくなってしまいました。
この組み合わせは初見です。
救急車のサイレンに混じって、スズメやカワラヒワ(Carduelis sinica)が近くで鳴き続けています♪
【考察】
素朴な疑問をChatGPTにぶつけてみました。
Q: 植物の花の中には下向きに咲く種類がある(釣り鐘状の花など)。その場合、蜜腺から分泌された花蜜が重力で滴り落ちずに、訪花昆虫が来るまで残っているのはなぜか? 表面張力や粘性?
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Labels:
ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2026/06/15
山道で出会ったニホンザルの大群
2024年10月上旬・午後14:20頃・くもり
私が峠道を歩いて下山して麓の里に近づくと、前方の路上に野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れがたむろしていました。
私とは逆に、麓の方から登ってきたようです。
(里の集落から追い払われてきた?)
車道にはクリの落果が散乱しています。
遊動の途中で栗拾いして食べるニホンザル個体がいました。
道端に座って自分で毛繕いしたり、道に寝そべって仲間に対他毛繕いしてもらったり、のんびりしています。
対他毛繕いからの流れでマウンティングに発展することもありました。
GPSや電波発振器の付いた黒い首輪を装着している個体も群れには含まれていました。
元気な子猿は走り回ったり、道端の木に登ったり飛び降りたりしています。
時間に余裕があれば猿をもっとじっくり腰を据えて観察するのですけど、山から早く帰らないといけない私は、動画を撮りながらゆっくり歩いてニホンザルの群れに近づきました。
警戒した猿たちは、舗装路の左右の茂みに逃げ込みました。
雪が溶けた小川の岸で草を食べるカルガモのペア(冬の野鳥)
2025年3月上旬・午前9:00・曇りのち晴れ
雪国の郊外を流れる小川(農業用水路兼融雪溝)の岸辺で、♀♂番 と思われる2羽のカルガモ(Anas zonorhyncha)が仲良く並んで採食しています。
雪解けが進む畑の端で、泥にまみれたイネ科の雑草を食べていましました。
畑に積もった残雪の端から嘴を突っ込んで、雪の下に埋もれていた草を食べています。
よく観察すると、青々とした草の葉そのものを千切って食べるというよりも、草の根元の根っこや散らばっている草の種子、土壌生物などをまとめて食べているようです。
食事中のカルガモ♀♂は、定期的に背後を振り返って、泥で汚れた嘴を用水路の流水でゆすいでいます。
飲水行動なら一口ごとに上を向いて、嘴ですくった水を喉に流し込むはずです。
それをやらないということは、小川の雪解け水を飲んではいないようです。
やがて、1羽のカルガモが岸から小川に入りました。
流れに乗って下流に泳ぎながら、嘴を再び水でゆすいでいます。
小川を少し下っただけで左岸に再上陸すると、未開拓の餌場で採食を始めました。
この小川の岸辺が雪かきされていたのは、一部はカルガモの仕業だったのかもしれません。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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