2025/05/13

夜の森を飛び回るコウモリに気づいたホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月上旬・午前2:35頃・気温15℃ 

平地の二次林で死んだアナグマの旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、深夜未明にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で日課のパトロールにやって来ました。 
地面の匂いを慎重に嗅ぎながらうろついています。 

そこへコウモリ(種名不詳)が1匹、飛来しました。 
セットの上空を飛び回るコウモリをタヌキが不思議そうに見上げています。 
これは赤外線による暗視動画で、実際は真っ暗であることを思い出してください。 
この日の月齢は27.4で、ほぼ新月の状態でした。 
夜行性で目にタペータムをもつタヌキも、月明かりがない状態では見えません。 

コウモリが発する超音波をタヌキが聞き取れるでしょうか? 
Perplexity AIに相談してみました。 
タヌキの可聴域を実験的に測定した研究結果はないようですが、近縁のイヌ(可聴域の上限が60kHz)やキツネ(40kHz)と同程度と推定されているそうです。 
コウモリは主に20kHz~100kHzの超音波(エコーロケーション・コール)を飛びながら発しています。 
したがって、今回のタヌキはコウモリの発する超音波ではなく、可聴域のかすかな羽音で気づいたのだろうと推察できます。 

コウモリとタヌキのニアミスは初見です。 
そもそも、この地点で監視カメラにコウモリが写ったのも初めてです。 
夜の二次林で夜蛾も飛び回っていたのに、コウモリが空中で獲物を狩るシーンは撮れませんでした。 


その後、タヌキはいつものように巣穴Lの入口に顔を突っ込んで中の匂いを嗅いでいました。 
巣穴Lの奥で死んでいる「いざりタヌキ」の死臭が気になるようですが、今回も中に入ろうとはしません。 



ハシボソガラスに威嚇されて茂みに逃げ込むキジ♀♂のハレム(野鳥)

 

2024年5月上旬・午後13:55頃・晴れ 

農村部の休耕地でキジPhasianus versicolor)の♀♂ペア(1羽ずつ)を見つけて採食シーンを撮り始めたら、私を警戒したのか、歩いてどんどん遠ざかってしまいます。 
現場は緩やかな斜面で、画面の手前から奥に向かって登り坂になっています。 
つまり、キジ♀♂は山の方へ向かってどんどん逃げています。 
初めは色鮮やかな♂が先導して地味な♀がその後ろからついて歩いていたのですが、やがて横に並んで(互いに少し離れて) 歩くようになりました。 

キジ♂に注目して撮影していると、斜面の段差をピョンと左上に登った直後に、素早く身を翻して右に飛び立ちました。 
まるで三角跳びのような動きで、敵にフェイントをかけたように見えました。 
何かに驚いて逃げたようですが、このときキジ♂は飛びながら警戒声を発することはありませんでした。 
(風切り音がうるさくて聞き取れなかっただけ?) 
カメラを少しズームアウトすると、茶色の地味なキジ♀が奥にある林縁の茂みに飛び込む様子がちらっと写っていました。 
このときまで私は気づかなかったのですが、キジは♀♂1羽ずつのペアではなく、近くに別個体の♀が少なくとももう1羽いたようです。
繁殖期に特有のハーレム(一夫多妻の群れ)を形成していたことになります。 
このとき私は車道に立ち止まって静かに撮影していただけなので、キジ♀♂の群れをこれほど怖がらせるような動きをした覚えはありません。 

キジたちはおそらく、上空に飛来したハシボソガラスCorvus corone)の群れから避難したようです。 
キジに対してモビング(擬攻撃)するカラスを初めて見ました。 
猛禽と違ってキジを敵視する意味が私にはさっぱり分からないのですが、カラスの親鳥は繁殖期で気が立っているのでしょう。 
カラスの巣が近くにあるはずですが、見つけられませんでした。 
カラスは繰り返し舞い戻ってきて、キジが隠れた茂みの上空で威嚇しています。 
私はキジの姿を見失ってしまいましたが、ケッケッケッ♪と鋭く警戒声(distress call?)を発していました。
しかし、風切り音がうるさくて動画では聞き取れません。 

飛び回るカラスを撮った映像を見返すと、強風に煽られながらウィンドサーフィンの遊びを楽しんでいるようにも見えます。 
♀♂ペアと思われるハシボソガラスが嗄れ声で鳴きながら、飛び回っていました。 
1羽が奥の樹上に止まりました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

重くて飛ぶのが苦手なキジは、カラスのように強風下でホバリングするなど器用な芸当は到底無理です。 
キジは基本的に地上性で、緊急避難時にしか飛びません。
しかも、ほぼ直線的にしか飛べません。 
ねぐら入りするときに地上から樹上に飛び上がるらしいのですが、そのシーンをまだ撮影できていません。 
キジは肉食性でもありませんから、高い樹上に作られたカラスの巣をキジが襲って卵や雛を捕食するなどという心配は全く無用です。
カラスにとって鈍臭いキジは縄張りから排除すべき脅威とは思えないのですが、遊び半分でからかっているのかな? 

一方、キジの♂がハレムの♀をカラスから守るような行動も見られませんでした。
(カラスと飛翔能力に差がありすぎて、キジ♂としても♀を守りようがない気がします。)
色彩的に目立つキジ♂がわざと敵の目を引いて明後日の方向に飛び去った直後に、地味な♀が最寄りの茂みに飛び込んで隠れたのだとしたら、ちょっと面白いです。

もしかすると、私が気づかなかっただけで、第三の登場動物(イエネコやキツネ、イタチなど)がうろついていたのかもしれません。
野生動物(危険な捕食者)の接近に気づいたキジの群れが慌てて逃げ、カラスの群れも上空から騒ぎ立てたのかもしれません。
オッカムの剃刀の原則に従えば、都合の良い仮定を勝手に増やして仮説を複雑にすべきではないのですが、結構しっくり来る仮説かもしれません。



※ カメラのズームの調子が悪くて何度も再起動を強いられ、断片的な動画の記録になってしまいました。 
せっかく面白いシーンだったのに、フラストレーションが溜まります。

2025/05/12

ニホンカモシカの溜め糞場を夜な夜な往来するニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月上旬〜中旬 

シーン1:5/6・午後13:49・くもり(@0:00〜) 
里山の雑木林(スギとの混交林)でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
左から右へ斜面を登る途中で、平坦になった区間に溜め糞場sr2があります。 
この時期に登場したニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の映像をまとめました。 


シーン1:5/8・午前4:37・(@0:04〜)日の出時刻は午前4:32。 
日の出直後の暗い早朝に、真っ黒な体毛の獣が現れました。 
一瞬クマかと思ったのですが、イノシシでした。 
奥から手前に来て立ち止まると、私が薮漕ぎの際に切除した灌木の枝の切り口の匂いを嗅いでいます。 
手前の死角に来ると、アカマツの根元の匂いを嗅いでいるようです。 
引き返して左に立ち去りました。 
結局、カモシカの溜め糞には興味を示しませんでした。 


シーン2:5/9・午前4:10・(@0:29〜)日の出時刻は午前4:31。 
翌日は、日の出直前の未明に現れました。 
右の藪の奥に動物の目が白く光っています。 
それが右に移動しました。 
獣道を左から来たのに、監視カメラの起動が遅れたようです。 
イノシシかどうか、いまいち自信がないのですけど(カモシカかも?)、一応ここに含めました。 
真相は藪の中です。


シーン3:5/15・午後19:00・(@0:42〜)日の入り時刻は午後18:46。 
日没後の晩にイノシシの幼獣が獣道を左から右へ駆け抜けました。
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、幼獣(ウリ坊)に特有の縦縞模様の名残?が背中にチラッと見えました。 
もしかすると、先行個体の通過を撮り損ねたのかもしれません。


シーン4:5/17・午後21:26・(@〜) 
カモシカが排便に来た(映像公開予定)2時間後に左下からイノシシ成獣がやって来ました。 
溜め糞場sr2でカモシカの新鮮な糞の匂いを嗅いでいますが、食糞することはありませんでした。 

林床に生える細い灌木の枝葉の匂いも気にして嗅いでいます。 
監視カメラを固定したアカマツの根元でイノシシが何をしているのか気になりますが、死角で写っていません。 


※ 低音の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
イノシシの個体識別ができていませんが、明らかに複数個体が登場しています。 
イノシシはカモシカの溜め糞場に何か目的があって通っているのではなくて、獣道の途中にたまたま溜め糞場があるので、通り過ぎているだけのようです。 
動画では単独行動をしているように見えますが、監視カメラの画角が狭いので、林床に散開する群れの採食行動が撮れてないだけかもしれません。


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