2024/06/03

外開き窓のサッシの水抜き穴にハキリバチ♀が巣材の葉片を繰り返し搬入【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年8月上旬・午後14:30頃・くもり 

冷房のない部屋があまりにも暑いので、外開き(片開き)窓を少し開けたままにしておいて、常に換気していました。 
真夏の昼下がりに、その窓から蜂の羽音がするので見てみると、小さな蜂が緑の物体を抱えてホバリング(停空飛翔)していました。 

初めはてっきり、狩蜂♀が獲物の青虫を抱えて巣に運んでいるところなのかと思いました。 
蜂は飛びながら窓枠(サッシ)の下面をしきりに調べています。 
サッシの下面に作った泥巣が剥落してしまったのでしょうか? 
よくよく観察すると、蜂が抱えていたのは青虫ではなく、丸く切り抜いた葉片でした。 

蜂がホバリング中に鏡を使って窓枠の下面を調べてみると、長方形の小さな穴が開いていました。 
ネット検索で調べてみると、これは結露防止の水抜き穴なのだそうです。
どうやら借坑性の蜂が窓の水抜き穴に営巣を始めたようです。
以上のことから、狩蜂ではなくハキリバチの一種♀と判明しました。 
巣材として切り取ってきたばかりの葉片を抱えながらホバリングしているのに、巣穴に入れずに飛び去ったようです。 
私が邪魔してしまったのでしょうか? 
この日は入巣シーンが撮れなかった理由が分かりませんでした。 



2023年8月上旬・午後12:15〜16:15頃・晴れ 

2日後にも同一個体と思われるハキリバチ♀を撮影できました。(@0:33〜) 
巣口となった水抜き穴を斜め下から直接見上げるアングルで撮影したくても、障害物など様々な理由で実現不可能です。 
仕方がないので、鏡を使って窓枠下面にある水抜き穴の位置を確認しました。 
予め鏡を拭いても汚れが取り切れず、水抜き穴の鏡像にうまくピントを合わせられませんでした。
私が鏡を差し出しても、飛来したハキリバチ♀は自身の鏡像に対して無反応でした。 
飛んでいる蜂の下に鏡を置いても、見えてないのでしょう。 (この状況では上しか見てない?)
蜂の上や正面に鏡を立てたら、自分の鏡像をライバル♀と誤認して喧嘩(巣穴をめぐる縄張り争い)になったかもしれません。 
鏡の存在によって入巣が妨げられたという訳ではなく、鏡がなくても蜂は入巣に苦労していました。

途中から室内に三脚を立てて、じっくり腰を据えて撮影することにしました。(@1:31〜) 
この窓は北向きで、外に向かって開くタイプの片開き窓です。 
この窓を少しだけ開けっ放しにしていても、蜂が室内に入ってくることはありませんでした。 

周囲でアブラゼミ♂が喧しく鳴いていますが、巣材集めから蜂が戻ってくると、かすかな羽音が聞こえるので分かります。 
巣材(葉片)の搬入を試みるハキリバチ♀は、なぜか帰巣に毎回苦労しています。 
着陸を何度もやり直してくれるおかげで、入巣シーンを見落とすこと無く撮影することができました。 

ようやく入巣すると中に3分以上留まり、何か作業しています。 
葉片を何枚も組み合わせて育房を作っているのでしょう。 
巣から外に出て来る瞬間を見落とさないように、ひたすら長撮りしました。
出巣の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:44〜、@5:16〜) 

ハキリバチ♀が巣穴に出入りする様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:00〜4:47) 
巣材の搬入にいつも手間取り、窓枠の周囲を長時間ホバリング(停飛)しています。
窓のアルミサッシは表面が滑らかで足掛かりが無いため、巣材の葉片を持って飛来したハキリバチ♀はなかなか巣口に掴まることが出来ません。 
入巣に失敗して窓枠から滑落しても、運んでいる巣材を落とすことはありませんでした。 
帰巣の度に無駄な消費カロリーが高そうで、あまり良い営巣地とは言えません。
ハキリバチ♀が着陸しやすいように、何か足場を窓枠に貼り付けてやれば良かったかもしれません。 
一方、出巣の瞬間は羽ばたかずに、ほとんど自由落下していました。 
空中で羽ばたきを始め、次の巣材集めのために飛び去ります。 

巣材の葉片には鋸歯がありました。 
窓の外の北に面した外壁に蔓植物イワガラミを這わせて壁面緑化しているのですが、その葉を切り抜いてハキリバチ♀は巣材としているのでしょうか? 
調べても丸くくり抜かれた葉を見つけられませんでした。 

関連記事(5年前の撮影:6月上旬〜9月中旬)▶ バラハキリバチ♀の仕業 


近所に植栽されたバラの葉が5年前にハキリバチ♀によって丸く切り抜かれていたのですが、今季はバラの葉を調べても無傷でした。 
窓枠の水抜き穴に営巣した今回のハキリバチ♀がどこから巣材を集めてきているのか、不明です。 

午後遅くなると、北向きの窓は一足早く日が陰って薄暗くなります。 
最後にハキリバチ♀が戻ってきたときには(午後16:10)、巣材の葉片を抱えておらず、空荷でした。 
育房作りが一段落して、花蜜を混ぜ込んだ花粉団子の餌を搬入する段階に入ったのかもしれません。 
しかし、腹面のスコパに花粉は付着していませんでした。 
何度もアプローチをやり直した末にようやく入巣できました。 
その後、いくら待っても蜂は外に出て来ません。 
夕方になったので、1日の仕事を終えて巣内で休息しているようです。 
借坑性の侵入者や寄生者を追い払うために、巣が完成するまでは自分が夜に寝るねぐらとするのでしょう。


2024/06/02

風倒木の根元に見つけた野生動物の巣穴

 

2023年5月下旬 

平地の田畑を囲むスギ防風林で野生動物の巣穴を新たに発見しました。 
強風でスギが数本まとめて根こそぎ倒れたまま何年も放置されています。 
風倒木のうち1本の根元から地中に穴が掘られています。 
巣穴の奥を覗いても、ライトが無いと暗くて何も見えません。 
ファイバースコープを買って中を覗いてみたくなりますが、もしかすると育児中の野生動物が怖がって巣穴から逃去してしまう可能性があるので、刺激したくありません。

謎の巣穴を囲むように、強く湾曲した落葉灌木が生えています。 
樹種はマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)かな? 
根曲がりは多雪地帯に特有の樹形です。 
スギの根元に元々生えていたマルバゴマギの幼木がスギの巻き添えになって倒れると、多雪地帯なので冬に積もった雪の重みで何ヶ月も強く曲げられてしまいます。 
雪が溶けて夏になると垂直方向に成長しようとしますが(重力屈性)、毎年冬になると強い雪圧で再び押しつぶされます。 
細い幼木が雪圧で折れずにしなやかに耐えながら成長した結果、根元がねじくれた樹形になってしまいました。
2023年6月下旬 

約1ヶ月後にも現場の様子を再び動画で記録してみました。(@0:23〜) 
前回GPSで巣穴の位置座標を記録しなかったので、記憶を頼りに現場を再訪しようとしても、草木が藪のように生い茂る夏は道に迷って辿り着けなくなりそうでした。 

この日に撮ったのは動画だけで、写真はありません。 
昼間でも林床が薄暗くて、画質がやや粗いです。 

巣穴の主をつきとめるために、すぐにでもトレイルカメラを設置して巣穴を監視したいところです。 
しかし、限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトを同時並行に運用しているため、優先順位を付けて先延ばしになりました。 
新たにトレイルカメラを買い足せば良いという単純な話ではありません。
日々記録される膨大な動画を見直して編集するのも大変ですし、乾電池のランニングコストも馬鹿になりません。 
どう頑張っても私の能力の限界で、これ以上は同時並行のプロジェクトを増やせないのです。


2023年9月上旬 

ようやく他のプロジェクトが一段落したので、旧機種のトレイルカメラを1台設置して謎の巣穴を見張ることにしました。 
巣穴の主が何であっても嬉しいのですが、アナグマ家族の転出先かもしれない…と期待が高まります。 
しかしニホンアナグマが掘ったにしては巣口が狭そうですし、土砂を掻き出した跡の明瞭なアクセストレンチがありませんでした。

つづく▶ 
・さらに続報あり(映像公開予定)



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晩秋の強風に乗ってウィンドサーフィンや遊びの空中戦を楽しむハシボソガラス

 

2022年11月下旬・午前10:20頃・くもり 

稲刈り後の刈田が広がる田園地帯で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が電線に並んで止まっていました。 
強風下で飛ぶと、風の勢いに負けて風下に流されそうになります。 
カラスはその強風を利用して、ほとんど羽ばたかずに翼の角度を変えるだけで電線からふわりと高く飛び上がることができます。 
どうやらウィンドサーフィンを楽しんでいるようです。 

電線から飛び立つ瞬間は撮り損ねましたが、刈田の上空で2羽のハシボソガラスが追いかけっこを始めました。 
逆風下で互いに追いかけ、軽い空中戦になりました。 
本気の喧嘩(闘争行動)ではなく、遊びの鬼ごっこです。 
1羽がさっきと同じ電線に戻り、もう1羽は右に飛び去りました。 

ハシボソガラスのウィンドサーフィン(風乗り)と遊びの空中戦を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:26〜) 
背後の裏山には、スギ林の常緑に混じってカラマツ林の黄葉が見えます。 
尾根の付近には白いガスがかかっています。 

この日は風が強く吹いたおかげで、山嶺に並ぶ風力発電の風車4機が勢い良く回っていました。 
日本海側の雪国では、ソーラーパネルを設置しても長い冬の間は日照が期待できません。 
むしろ強い北風による風力発電が期待されます。 
ただし、回る風車に鳥が激突して死ぬバードストライクの検証と対策が必要でしょう。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 山上で回る風力発電所の巨大風車 


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