2023/10/10

溜め糞場で排尿するニホンカモシカ♂【トレイルカメラ】

 



2023年4月上旬・午後17:10頃・気温12℃・(日没時刻は午後18:08) 

里山でカモシカの溜め糞場srを自動撮影カメラで見張っています。
夕方に左から登場したニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)がスギの木の左下で立ち止まると、腰をやや落として小便を排泄しました! 
排尿姿勢から♂と判明。 
尿を前方に放出しています。 
カモシカの性別を外見で見分けることは非常に困難で、唯一彼らの交尾行動や授乳および排尿体勢で性差が出ます。

ニホンカモシカは尿を少量ずつ噴射して縄張りをマーキングするのではなく、膀胱に溜まった尿を一気に排泄します。
その代わりにカモシカは、眼下腺を擦り付けることで縄張り宣言のマーキングをします。
おしっこしながら舌をペロペロと出し入れしている行動が気になります。 
眼下腺マーキングの直後にも見られるのですが、自分の尿の匂いに対してフレーメン反応しているのでしょうか? 
すっきり満足した感情表現なのかな?
顔をカメラに向けているので、ついでに排便したかどうか、不明です。 
トレイルカメラでニホンカモシカの排尿シーンを撮れたのは、これが初めてです。 

その後はスギ大木の背後を通って、右にトボトボと立ち去りました。 
残雪の上を歩かず、地面が露出したスギ林床を選んで歩いているようです。 

画面の右端で雪崩谷の手前に来ると、立ち止まって何かしています。
おそらくスギの木の匂いを嗅いだりしているのでしょう。 
後に現場検証すると、渓谷を埋め尽くした雪崩の上に動物の足跡など渡河の形跡は見つからなかったことから、この時期のカモシカはスノーブリッジ崩落の危険を感じて雪崩谷を渡るのを忌避したようです。



ノスリとハシボソガラスの激しい空中戦(野鳥)早春のモビング行動

 

2023年3月下旬・午後16:05頃・くもり 

雪解けした田園地帯の上空でカラスが鳴き騒いでいたので見上げると、ノスリButeo japonicus)が1羽のハシボソガラスCorvus corone)に激しくモビング(擬攻撃)されていました。 
上昇気流に乗って小さく旋回しながら必死で逃げるノスリに対して、カラスがしつこく何度も襲いかかります。 
ノスリよりも小回りの利くハシボソガラスは、空中戦の定石通りノスリの上に位置取りしてから攻撃を加えています。 
ノスリが上昇気流に乗って高く舞い上がるのを邪魔しているのでしょうか? 
敵の真上から嘴や足の爪を使って襲えば、反撃されるリスクは低いです。 
ノスリが空中でクルッと反転して鉤爪を上に向けてカラスに反撃(牽制)するか?と期待したものの、今回の個体は黙って(鳴かずに)右へ左へ旋回してカラスの攻撃を回避するだけでした。 




強風による風切り音のせいなのか、空中戦の最中にノスリやカラスの鳴き声は聞き取れませんでした。 
ようやくノスリがハシボソガラスの縄張りから離脱し、無事に逃げ延びました。 
カラスも深追いすることはありません。 

ハシボソガラスの単独モビング行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:10〜)
スローモーションで見直すとカラスはノスリに対して実際に接触を伴う攻撃は加えておらず、迫真の威嚇だけでした。

周囲の雪解け田んぼからはコハクチョウの大群が採食しながら鳴き交わす声が聞こえます。 
餌場の上空をノスリが飛んでも白鳥は無頓着で、逃げ惑うどころかのんびり採食を続けています。 
繁殖期で気が立っていてもハシボソガラスは白鳥に対しては寛容で、モビングすることは一度もありませんでした。 



2023/10/09

小川に架かる倒木を単独またはペアで続けて渡るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬 

小川に架かる天然の丸木橋を渡るホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 

シーン0:3/31・午後14・54(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
小川は画面の左から右に向かって穏やかに流れています。 
今回からトレイルカメラを従来とは逆の右岸に設置してみました。 
丸木橋をより近くから撮影できるのが利点です。 
その一方でセンサーカメラの画角が狭くなった結果、野生動物が通りかかっても起動が遅れがちになるのが難点です。 


シーン1:4/1・午後19:19・(@0:05〜) 
カメラの起動が遅れ、丸木橋を渡る肝心のシーンは撮れていませんでした。 
晩に笹薮の生い茂った左岸の崖を登るタヌキの後ろ姿が写っていました。 

此岸(右岸)にひょろひょろと伸びた細い灌木が邪魔で、暗視カメラの赤外線が白飛びしてしまっています。 
昼間にカメラを設置した際に試写しても、夜の写り方を想像して対処するのは難しく、試行錯誤するしかありません。 


シーン2:4/2・午後19:02・(@0:18〜) 
翌晩に現れたタヌキは丸木橋を逆に渡りました。 
まずは画面の赤丸に注目してください。 
左岸の笹薮をうろついてから、崖を降りて丸木橋を慎重に渡り始めました。 
タヌキの白く光る目が小川の水面に反射しています。 
丸木橋を右岸に渡り切る前に録画タイマーが切れてしまい、残念無念! 


シーン3:4/2・午後22:53・(@1:01〜) 
同じ日の3時間50分後にもタヌキが撮れていました。 
またもやカメラの起動が遅れ、丸木橋を渡り終えたタヌキが左岸の崖を登る後ろ姿が写っただけでした。 
しばらくすると、後続の個体が此岸(右岸)から対岸(左岸)へ丸木橋を渡り始めました。 
一緒に夜のパトロールをしている♀♂つがいなのでしょう。 


シーン4:4/3・午前3:20・(@1:34〜) 
未明に夜霧(川霧)が立ち込めています。 
対岸(左岸)から丸木橋を渡り終えたタヌキが此岸(右岸)に上陸するところでした。 
風が吹くと霧がさっと晴れました。


シーン5:4/4・午前3:56・(@1:49〜) 
翌日の未明には、小川の此岸から対岸へ(右岸から左岸へ)タヌキの♀♂ペアが丸木橋を続けざまに渡って行きます。 
あまり間隔を開けずに縦列で対岸の崖を登ると、河畔林の笹薮に姿を消しました。 


シーン6:4/5・午後19:15・(@2:16〜) 
晩に現れたタヌキが丸木橋を対岸(左岸)に渡ると、珍しく右折して笹薮を突き進みました。 


シーン7:4/5・午後19:28・(@2:43〜) 
約13分後、次に来た個体が丸木橋を対岸(左岸)にゆっくり渡りました。 


シーン8:4/5・午後22:51・(@3:01〜) 
約3時間20分後、今度はタヌキが対岸から此岸に向かって(左岸➔右岸)丸木橋を渡りました。 

同じ晩にタヌキが3回も写ったのは初めてです。 
個体識別ができるようになれば、より楽しめるんだけどなぁ…。 


※ 一部は動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 



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