2023/10/09

小川に架かる倒木を単独またはペアで続けて渡るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬 

小川に架かる天然の丸木橋を渡るホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 

シーン0:3/31・午後14・54(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
小川は画面の左から右に向かって穏やかに流れています。 
今回からトレイルカメラを従来とは逆の右岸に設置してみました。 
丸木橋をより近くから撮影できるのが利点です。 
その一方でセンサーカメラの画角が狭くなった結果、野生動物が通りかかっても起動が遅れがちになるのが難点です。 


シーン1:4/1・午後19:19・(@0:05〜) 
カメラの起動が遅れ、丸木橋を渡る肝心のシーンは撮れていませんでした。 
晩に笹薮の生い茂った左岸の崖を登るタヌキの後ろ姿が写っていました。 

此岸(右岸)にひょろひょろと伸びた細い灌木が邪魔で、暗視カメラの赤外線が白飛びしてしまっています。 
昼間にカメラを設置した際に試写しても、夜の写り方を想像して対処するのは難しく、試行錯誤するしかありません。 


シーン2:4/2・午後19:02・(@0:18〜) 
翌晩に現れたタヌキは丸木橋を逆に渡りました。 
まずは画面の赤丸に注目してください。 
左岸の笹薮をうろついてから、崖を降りて丸木橋を慎重に渡り始めました。 
タヌキの白く光る目が小川の水面に反射しています。 
丸木橋を右岸に渡り切る前に録画タイマーが切れてしまい、残念無念! 


シーン3:4/2・午後22:53・(@1:01〜) 
同じ日の3時間50分後にもタヌキが撮れていました。 
またもやカメラの起動が遅れ、丸木橋を渡り終えたタヌキが左岸の崖を登る後ろ姿が写っただけでした。 
しばらくすると、後続の個体が此岸(右岸)から対岸(左岸)へ丸木橋を渡り始めました。 
一緒に夜のパトロールをしている♀♂つがいなのでしょう。 


シーン4:4/3・午前3:20・(@1:34〜) 
未明に夜霧(川霧)が立ち込めています。 
対岸(左岸)から丸木橋を渡り終えたタヌキが此岸(右岸)に上陸するところでした。 
風が吹くと霧がさっと晴れました。


シーン5:4/4・午前3:56・(@1:49〜) 
翌日の未明には、小川の此岸から対岸へ(右岸から左岸へ)タヌキの♀♂ペアが丸木橋を続けざまに渡って行きます。 
あまり間隔を開けずに縦列で対岸の崖を登ると、河畔林の笹薮に姿を消しました。 


シーン6:4/5・午後19:15・(@2:16〜) 
晩に現れたタヌキが丸木橋を対岸(左岸)に渡ると、珍しく右折して笹薮を突き進みました。 


シーン7:4/5・午後19:28・(@2:43〜) 
約13分後、次に来た個体が丸木橋を対岸(左岸)にゆっくり渡りました。 


シーン8:4/5・午後22:51・(@3:01〜) 
約3時間20分後、今度はタヌキが対岸から此岸に向かって(左岸➔右岸)丸木橋を渡りました。 

同じ晩にタヌキが3回も写ったのは初めてです。 
個体識別ができるようになれば、より楽しめるんだけどなぁ…。 


※ 一部は動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 



池のミズカマキリ♀を素手で一時捕獲してみる

 



2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ 

雪解け水の溜まった池で初めて見つけたミズカマキリRanatra chinensis)を捕獲してみることにしました。 
早春のミズカマキリは意外に鈍く、私が岸辺に忍び寄って手を伸ばしても逃げません。 
網を用意してなかったので手掴みですばやく掬い上げたら、難なく捕まえられました。 

呼吸管が体長より長くなかったことから、この個体は♀と判明しました。 (※ 追記参照)
水中では右の鎌が欠損しているように見えたのですが、掌に乗せてよく観察すると正常でした。 
囚われてもミズカマキリは手足を緩慢に動かすだけで、鎌で反撃したり口吻を突き刺したりすることはありませんでした。 
早春で水温や気温が未だ低いために、動きが鈍いのかもしれません。 
前脚の鎌を畳んで揃えて前に伸ばし、前習いのような体勢になりました。 
歩行は中脚と後脚の4本で行います。 

ミズカマキリが飛ぶという予備知識はあったので、飛び去る様子を動画撮影できないかと期待しました。
(ミズカマキリは)秋にはよく飛び立つ。(『フィールド版ため池と水田の生き物図鑑:動物編』p88より引用)
しかし翅を広げて飛び立つ気配はありません。 
私の手のひらの端から転がり落ちるように脱出すると、自発的に身投げしました。 
元居た池に落水すると、岸辺に産み付けられたゼラチン質のヤマアカガエルRana ornativentris)卵塊と枯草がクッションのようになりました。 

いつかミズカマキリの飼育に挑戦してみたいものです。 


【追記】
森上信夫『虫のオスとメス、見分けられますか?』によると、ミズカマキリは腹端を腹面から見たときにて亜生殖板のV字の形状に性差があるそうです。
横から見ると亜生殖板は実際にとがっており、尾端から突き出しています。(p31より引用)


松沢陽士『田んぼと水辺の生き物 はじめての飼育と採集』によると、ミズカマキリの性別の識別法は

♂よりも♀のほうがひとまわり大きい。

♂に比べて♀の亜生殖板は細長くとがっています。 (p127より引用)


2023/10/08

雪解け後の農道に現れたハタネズミの掘ったトンネル網

 

2023年3月下旬・午前9:10頃・晴れ 

深い根雪がようやく溶け去ると、田んぼの農道に浅いトンネル跡があちこちにうねうねと掘られているのが見つかります。 
秋にはこれほど目立たなかった構造なので、冬の積雪期に小動物が地表と積雪層の間にトンネルを掘って縦横無尽に移動していたようです。 
私は幼少期から見慣れていたものの、てっきりアズマモグラMogera imaizumii)の巣穴だと思い込んでいました。
ところが最近になって、ハタネズミMicrotus montebelli)の掘ったトンネル網のフィールドサインと知りました。 
トンネルの天井は積雪層で覆われていることになります。 
冬は地面が凍結しているため地中深くにトンネルを掘れないのかな? 
雪が降らない暖地では、もう少し深いトンネルを地中に掘るのでしょうか? 

氷の板のように薄くなった最後の残雪を地表から剥がしてみたときに現れるトンネル網も撮影したかったのですが、思いついたときにはもう時期が遅かったです。 
来年の早春にまた改めて撮影します。 

地表のトンネル網を見る限り、ハタネズミは農道脇の側溝を横切れないようです。 
つまり、コンクリート3面張りの側溝がハタネズミの移動を妨げるバリアとなっています。 
あるいはもしかすると、側溝の下をくぐる深いトンネルを掘って隣の刈田に侵入しているのでしょうか? 

早春から季節が進むと、ハタネズミが農道を掘り返したトンネル網はいつの間にか消失します。 (目立たなくなります。)
田植えする前に農家のお百姓さんが丹念に埋めたり踏み固めたりしているのでしょうか?
それとも雨が降ったり雑草が生い茂ったりすれば、地表の凹凸は自然に風化するのかな? 

さて、早春の雪解けした農道に現れる複雑怪奇なトンネル網が本当にハタネズミの仕業であることを、どうやったら証明できるでしょうか? 
「百聞は一見に如かず」をモットーにしている私は、自分の目で実際に見なければ本にもっともらしく書いてあることも鵜呑みにできません。 
仮にトンネルに罠を仕掛けてハタネズミが捕獲できたとしても、本当にハタネズミが掘った巣穴なのか居候している巣穴なのか区別できません。 
決まったトンネルに定住しているのであれば、小型カメラを冬季のトンネル内に設置してみたいものです。 
野外に巨大な飼育施設(コンクリートの箱)を作り、土を深く入れて雑草を生やしてから、生け捕りにしたハタネズミを放飼したらどうなるでしょう?
もし同じ構造のトンネル網が再現されたら、疑り深い私も納得します。 
しかし、そんな壮大なプロジェクトは素人の手に余ります。 

難しいことを考えなくても、夏の田んぼの農道にトレイルカメラを適当に(雑に)設置するだけでハタネズミの活動がよく写るのかもしれません。 
田園地帯でよくホバリングからの狩りをするノスリやチョウゲンボウなどの猛禽に獲物を見つけてもらうのが一番確実です。 
猛禽の背中や胸にGoProなどの小型カメラを仕込んで、田んぼのトンネルから出てきたハタネズミを狩る瞬間を自撮りしてもらえたら面白そうです。(夢想)

関連記事(2ヶ月後の撮影)▶ 草地でハタネズミの死骸を見つけた!


【追記】
ポケット版 学研の図鑑〈9〉『フィールド動物観察:足あと、食べあと、ふん』でハタネズミについて調べると、
 ハタネズミは、地表から地下50cmくらいにかけて、トンネルのような通り道をほって、中にかれ草などを集めた巣を作ります。畑や野原にすててあるベニヤ板などをどかすと、トンネルがあらわれることがあります。(p88より引用)
下線部が観察のヒントになりそうです。
例えばベニヤ板の代わりに透明なガラス板を使えば観察しやすいかもしれません。(他の本で読んだことがあるような…)


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