2023/08/03

根雪の積もったスギ林道を夜な夜なパトロールするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月中旬~下旬

根雪の積もった里山のスギ林道をニホンカモシカCapricornis crispus)が往来する様子をまとめました。 


シーン1:12/15・午前2:06・気温-3℃・(@0:00~) 
積雪は未だそれほど深くありませんが、乾いた(サラサラの)新雪です。 
雪が降る夜中にカモシカが雪道を右から歩いてきたのに、カメラの起動が遅れました。 
背中の毛皮が白い雪だらけで、しかも少し凍っているようです。 
画角外のスギ落枝で立ち止まり、おそらく顔の眼下腺をゴシゴシと擦り付けてマーキングしたようです。 
そのまま左へ立ち去りました。 


シーン2:12/15・午前2:55・気温-3℃・(@0:27~) 
48分後に、左から登場しました。 
同一個体が戻ってきたのかと思いきや、毛皮に雪が付着していないので、おそらく別個体のようです。
 (縄張りを動き回って体が温まり、毛皮の雪が溶けたのかもしれません。) 
道端のスギ落枝は素通りして、林道を右へ歩き去りました。 
雪が静かに降り続いています。 


シーン3:12/15・午後21:51・気温-2℃・(@0:38~) 
約19時間後の晩、林道に雪の積もって前の足跡が消されてしまっています。 
カモシカが左から右へ通り過ぎ、スギ落枝は素通りしました。 
背中に小さな氷の塊が付着しています。 
相変わらず、ちらちらと雪が降っています。 


シーン4:12/18・午後22:31・気温-5℃・(@0:51~) 
最低気温を更新しました。 
こんな過酷な条件でも律儀に録画してくれるトレイルカメラが素晴らしい。 

雪がちらつく晩に深雪が積もった林道を右からやって来ましたが、カメラの起動が遅れました。 
乾いた深雪をラッセルしてきた跡が残ります。 
カモシカの毛皮は全身雪まみれです。 
道端のスギ落枝で立ち止まり、どうやら眼下腺マーキングをしたようです。 


シーン5:12/20・午後22:43・気温-2℃・(@1:14~) 
左から来たニホンカモシカがスギ落枝をスルーし、そのまま右へ通り過ぎました。 
乾いた新雪をラッセルして行きます。 
雪は降り止んでいました。 


シーン6:12/21・午前3:21・気温-2℃・(@1:29~) 
雪面のあちこちがクレーターのように凸凹なのは、常緑のスギ樹上からときどき一気に落雪するからです。 

晴れた深夜にカモシカが画面左外のスギ落枝で立ち止まり、眼下腺マーキング。 
尻だけが雪まみれでした。 
その後は、そのまま左へ立ち去りました。 


シーン7:12/22・午後17:32・気温0℃・(1:47~) 
日の入り時刻は午後16:27。 
日が暮れた晩に珍しくガス(霧)がかかっています。 
(カメラのレンズが曇っているだけ?) 
深雪の林道をカモシカが右から来たのに、またもやカメラの起動が遅れました。 
道端のスギ落枝で立ち止まり、眼下腺マーキング。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して、暗視動画を明るく加工しています。 


どうやらカモシカが右から登場するときにはカメラの起動が遅れる癖があるようです。 
トレイルカメラの起動が遅れがちな理由としては、低温でどうしても乾電池の電圧が下がってしまうことがまず考えられます。 
もうひとつ思いついたのは、雪国で暮らす野生動物は冬毛の毛皮の断熱効果が高いために、体温をセンサーが検知しにくいのかもしれません。 
サーモグラフィカメラで撮影してみたくても、高嶺の花です。
トレイルカメラを設置した直後に自分で動作チェックしてみると、防寒具を着込んでいると(素肌を露出した部分が少ないと)確かにセンサーが検知しにくいようです。



 

クマイチゴの葉から飛び立つセスジスカシバ♀(蛾)

 

2022年9月中旬・午後12:50頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道の傍らで、クマイチゴの葉表の縁にセスジスカシバ♀(Pennisetia fixseni fixseni)が乗っていました。 
 
触角の形状から♀と見分けられます。 
セスジスカシバ幼虫の食草はバラ科のキイチゴ類なので、♀が産卵していた可能性が高いです。 
横からではなく背側から撮ったので、残念ながら産卵姿勢かどうかはっきり見えませんでした。 
撮影後に葉をめくってみて、裏面に卵の有無をチェックすべきでしたね。 
実際に、セスジスカシバ♀が居た葉には虫に大きく食害された跡(食痕、虫食い跡)が残っていました。 
母親の立場になって考えると、虫食いの無いきれいな葉(餌資源として質の高い葉)に産卵した方が孵化してくる幼虫のためになる気がするのですけど、この♀個体は無頓着でした。

カメラを近づけたら警戒し、飛んで逃げました。 
かすかに聞こえる羽音も蜂のような重低音でした。
キイロスズメバチにそっくりなベーツ型擬態をした昼行性の蛾ですから、こんな虫が飛んで向かってきたら、多くのヒトは怯んでしまうはずです。
見た目(視覚)だけでなく羽音(聴覚)でもハチに似せているのは興味深いですね。 
翅の形態を似せれば、自ずと羽音も似てくるのでしょうか? 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 羽音♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


関連記事(同時期の撮影)▶ 飛べ!セスジスカシバ♂(蛾) 

2023/08/02

雪の積もったスギ林道を夜に通る冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年12月中旬~下旬 

里山のスギ林道にも遂に根雪が積もりました。 
雪道を夜な夜な通過するニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)をまとめました。


シーン1:12/19・午後22:28・気温-5℃・(0:00~) 
サラサラの深雪に覆われた林道を真っ白な冬毛のノウサギが左から右へピョンピョン跳んで横切りました。 
新雪の雪面には野ウサギ特有の足跡が残ります。 


シーン2:12/20・午前3:10・気温-5℃・(0:06~) 
4時間42分後、日付が変わった深夜に野ウサギが再登場したのに、カメラの起動が遅れました。 
冬の夜は低温で乾電池の電圧が低下しがちなので、仕方がありません。 
雪が降る中、ニホンノウサギが雪道を右から左へ通り過ぎました。 
個体識別ができていないので、さっきの同一個体が戻ってきたのかどうか、不明です。 

ちなみに、現場は鬱蒼と育ったスギ植林地の林床なので、常緑の枝葉によって降雪がかなり遮られています。 
したがって、実際はもっと激しく雪が降っていると思われます。 
スギの枝葉に積もった雪がときどきドサッと一気に落ちてきます。 


シーン3:12/26・午後19:56・気温-2℃・(0:13~) 
雪は降っていませんが、スギの樹上から大量の落雪があったようで、雪面は固そうです。 
ニホンノウサギが左から右へ通り過ぎても、雪面に足跡が残りません。 


最後に、ニホンノウサギの跳躍シーン3日分を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 (0:21~) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 



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