2023/04/11

ニホンアナグマ2頭が交互に通う溜め糞場【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月上旬 

自動撮影カメラで監視しているスギ林道の溜め糞場sに来るニホンアナグマMeles anakuma)の記録です。 

シーン1:10/2・午前00:55・気温16℃ 
アルビノ?個体が深夜の林道を左から登場しました。 
顔だけでなく足も白っぽい個体です。 
林道上のあちこちにしゃがんで尻の臭腺をスギ落葉や下草に擦り付けて回ります。 
画面の下に消えたものの、すぐに戻って来ました。 
自分たちの溜め糞場を匂いで探り当てると、右を向いて排便しました。(@0:35〜) 
そのまま右へ立ち去りました。 


シーン2:10/4・午前2:02・気温17℃ (@0:50〜) 
2日後に真夜中の林道を右から来た個体は顔にアナグマ特有の黒い模様がありました。 
自分たちの溜め糞場でアルビノ?が2日前に残した大便の匂いを嗅ぐと、自分は横にスクワットマーキングしただけで、林道を右に戻りました。 
右から来て右に帰ったということは、アナグマの巣穴の方向は右にありそうです。 
この溜め糞場はきっとアナグマの縄張りの端に位置しているのでしょう。


シーン3:10/4・午後21:08・気温20℃ (@1:32〜) 
19時間後に正常型のアナグマ(顔に黒い模様あり)が再び林道を右から歩いて来ました。 
同一個体なのかどうか、定かではありません。 
珍しく林道の左端を歩き、溜め糞場sを素通りして左へ行きました。 


この溜め糞場sに通うアナグマは少なくとも2頭いることが分かっています。 

アルビノ?個体と通常個体がつがい関係にあるのではないかと予想しているのですが、タヌキと違ってアナグマは♀♂ペアが連れ立って一緒に溜め糞場に来ることが一度も無いので、確信が持てません。 

赤外線の暗視映像で白っぽく見える個体が本当にアルビノ(または白変種)なのか、体色を可視光でしっかり撮影してみたくなります。 
当地のアナグマは夜行性で昼間には来てくれないので、夜にフラッシュを焚いて写真に撮るか、トレイルカメラの投光器を赤外線ではなく白色光の照明にするか、工夫するしかありません。 
しかしフラッシュやサーチライトに警戒心を抱いた野生動物が溜め糞場に近寄らなくなったら本末転倒なので、悩ましいところです。
モノクロの暗視映像から被写体の色を推定・復元してくれるアルゴリズムが実用化されれば理想的です。



トリアシショウマの花蜜を吸うサカハチチョウ夏型

 

2022年7月中旬・午後14:05頃・晴れ 

山腹の細い山道に沿って咲いたトリアシショウマの群落で夏型のサカハチチョウAraschnia burejana)が訪花していました。 
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。 
この組み合わせは初見でした。



2023/04/10

林道を駆け巡りスギの木を登り降りする10月のニホンリス【トレイルカメラ】

 



2022年10月上旬〜中旬〜下旬 

里山のスギ林道に設置したトレイルカメラに写ったニホンリスSciurus lis)の記録をまとめました。 
10月は計3回登場しました。 
リスは完全に昼行性で、暗い夜には決して現れません。

シーン1:10/8・午前6:01・気温10℃(日の出時刻はAM5:38) 
道端から突き出たスギ落枝に通りすがりのカモシカがよく眼下腺マーキングしているのですが、薄暗い早朝にその落枝がかすかに振動していました。 
おそらく早起きのリスが落枝を登り降りしたのでしょう。 
対面に見えるスギ立木の背後からリスが現れ、下草に覆われた地上を右へチョロチョロと走り去りました。 


シーン2:10/15・午後12:26・気温18℃ (@0:10〜)
林道中央を左から走って来たニホンリスが画面の右に消えました。 
すぐに戻って来たリスは全速力で林道を斜めに横断し、スギ大木の幹を勢い良く駆け上がりました。 
垂直な幹の途中で止まったリスの尻尾だけが見えています。 
そこで下向きに方向転換すると、垂直の幹を駆け下りて、そのまま林道を右に引き返しました。 
謎の往復シーン(右往左往)を1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみても(@0:26〜)、リスは木の実(堅果)を運んでおらず空荷でした。 
リスは基本的に樹上性ですから、やむを得ず地上で活動するときは何かに驚いて警戒すると、近くの木に一目散に登って緊急避難するのでしょう。 


シーン3:10/26・午前9:01・気温6℃ (@1:03〜) 
秋の林道上にはスギとホオノキの落ち葉が散乱しています。
林道を右から左へ走るリスが途中で(画面の下端)立ち止まり、落ち葉を掘り返しました。 
思わせぶりな行動ですが、何か運んできた木の実を地中に隠したのでしょうか?(貯食行動) 
しかし何度もスロー再生して見直しても、このときリスが何か木の実を咥えて運んでるようには見えませんでした。 
クルミ(オニグルミ)のように大きな堅果なら見落とすはずがありません。 
小さなドングリなら見落としてしまったかもしれません。 

「ニホンリスにとってスギ林は利用価値のない緑の砂漠」というのが私の認識で、何の用事があるのか不思議でした。 
動画に写っている林道は緩やかな斜面になっていて、右から左へ少し登っています。 
周囲を調べてみると、林道を右に〜20m行った地点にオニグルミの大木がありました。 
後日(冬の積雪期)現場入りして気づいたのですが、林道を逆の左に〜20m行くと、カラマツを植林した小区画がありました。 
恥ずかしながら、これまで私はカラマツを「見れども見えず」の状態だったようです。 
思い返すと、カラマツの近くでリスの鳴き声♪(警戒声)を聞いたこともありました。
オニグルミの堅果とカラマツの球果(松ぼっくり)はリスの好物ですから、2つの餌場を結ぶ通り道としてスギ林道を利用していたのでしょう。 
もっとよく探せば、ドングリのなる木も近くに生えているかもしれません。 
リスの巣を見つけるのが次の目標です。



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