2023/03/05

スギ林で雨宿りしながら立って反芻するニホンカモシカ♂

 

2022年9月中旬・午前11:30頃・小雨 

私が山道を静かに歩いていると、前方にニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)を見つけました。 
足音を忍ばせながら早足で追いつくと、カモシカは緩やかに登る坂道の途中で振り返り、私の方を見ていました。 
間の悪いことに、ニホンアマガエル♪が鳴く声と共に、小雨がぱらつき始めました。 
ガサガサといういう耳障りな物音は、カメラが雨に濡れないように、ありあわせのビニール袋をカメラの上にかざした音です。 
たとえ生活防水のカメラでも、なるべく雨で濡らしたくありません。
急いで雨具を着たりザックカバーを装着したりしたいところですが、未だ小雨なので野生動物の撮影を優先します。 

後ろ姿の毛深い股間に睾丸が揺れていたので、♂と判明しました。 
真横を向いた際に、下腹部に黒い陰茎も見えました。(@0:47〜0:55) 
フィールドで遭遇したカモシカの性別が外性器で見分けられるのは稀です。 
 

カモシカ♂は近視で私の姿がよく見えてないのか、なぜか私に対して鼻息を荒らげて威嚇してきません。 
角や耳介に目立った特徴は無く、私には見覚えのない個体ですが、向こうからしたら私は顔馴染みの(匂いで記憶している?)ヒト個体なのかもしれません。 
やがてニホンカモシカ♂は方向転換すると、林道から右に逸れて行きました。 


カモシカはスギが植林された斜面を登り始め、スギ木立の陰に隠れました。 
雨宿りするために杉林に入ったのかな? 
私も追いかけるようにそっと移動して撮影を続けます。 
カモシカ♂は緩斜面のスギ林の途中で立ち止まり、こちらを振り返っていました。 
鬱蒼としたスギ林の林床は昼間でもかなり薄暗く、画質が粗くなってしまいます。 
スギ高木の下は日光が遮られるだけでなく、雨も地上に達する前に枝葉に弾かれて蒸散してしまいます。(TV番組『所さんの目がテン!』2023/03/05林業の回より)
つまり、スギ林は雨宿りに最適です。
カモシカは急に駆け出して逃げるかと思いきや、油断なく私を見下ろしながらじっと佇んでいます。 
立ったまま(立位休息)で口をモグモグと咀嚼し、反芻を始めました。 

雨の日の森の中は蚊やブヨなどの吸血昆虫が多いらしく、私よりもカモシカ♂の方が悩まされています。 
眼球から涙を吸汁しようと飛び回るメマトイがいます。 
カモシカ♂は頻りに頭や尻尾を振って、まとわりつく虫を追い払おうとしています。 
胴体の皮膚がときどきピクッと動くのも、蚊やブヨに刺された反応なのでしょう。 
耳を左右別々に動かして、顔にたかる虫を追い払っています。 
舌舐めずりした際に、舌はピンク色でした。 

林床に生えた常緑のエゾユズリハと思しき幼木の葉の匂いを嗅いでから、顔の眼下腺を擦り付けてマーキングしました。(@5:55〜6:06) 

にわか雨が止むと、カモシカ♂は斜面をゆっくりトラバースし始めました。 
長撮りしている間、私に対して鼻息威嚇♪を一度もしなかったのは、斜面で私よりも高い位置に居るので優位性を感じているからでしょう。 

カモシカ♂が「スギ林に入って雨宿りした」という私の解釈は、ただの擬人化した結果論かもしれません。 
つまり、毛皮に覆われたカモシカ♂はにわか雨(しかも小雨)に濡れることなど全く気にしてなくて、たんに追跡者の私を警戒してスギ林の斜面に逃げ込んだだけという可能性もあります。
しかし以前、望遠レンズを使って遠くから撮影した動画でも野生のカモシカは雨宿りしていたのを思い出しました。 
私が人畜無害(あるいは顔馴染み)だと分かるとカモシカは警戒を解き、藪に覆われた斜面をゆっくりトラバースして元の林道に戻りました。 
カモシカ♂が林道を横断してスギ林と反対側の草地へ入るシーンは撮り損ねてしまいました。 


眼下腺マーキングの直前@エゾユズリハ

センチコガネがタヌキの糞を巣穴にせっせと運び、戸締まりして中に籠もるまで【10倍速映像】

 



2022年9月中旬・午後12:05〜12:25・晴れ・気温30℃ 

スギ林道上に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞をセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が横の巣穴にせっせと運び込んでいます。 
その仕事ぶりをタイムラプスで記録したかったのですが、あいにくこの日は三脚を持参していませんでした。 
仕方がないので、カメラを地面に置いてローアングルで微速度撮影することにします。 
適当な小石をカメラの下に敷いて少し斜めに固定し、センチコガネの巣口に狙いを定めます。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

タヌキの糞塊を少しずつ糞玉にして巣穴に搬入するためにセンチコガネは何度も往復しています。
巣内でセンチコガネが移動するとスギの落葉がモコモコと上下動するので、深い巣穴というよりも浅い隠れ家なのかもしれません。 
後半になるとセンチコガネは巣口を中から糞玉で塞ぎました。 
1日分の充分な食料(獣糞)を溜め込んで(貯食)満足したのでしょう。 

撮影後に糞虫を採集して性別を調べるつもりだったのに、後半になるとセンチコガネは巣穴に篭もって外に出て来なくなってしまいました。 
私の殺気を感じて隠れた可能性もありますが、時間帯が午後になると貯食活動を停止して巣内に籠もり、幼虫のために糞玉を加工したり自分の食事に専念したりするのでしょう。 
糞虫の巣穴を発掘調査するにはミニスコップも必要ですね。 

センチコガネが勤勉に働いている間、キンバエの仲間やキバネクロバエ?など多数のハエもタヌキの溜め糞を吸汁しに群がっていました。 
更に、そのハエ類を狩って捕食しようとサビハネカクシOntholestes gracilis)やアカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)が溜め糞上をうろついて虎視眈々と獲物を待ち伏せしています。 

白っぽいザトウムシの一種がタヌキの溜め糞を何度か横切りました。 
溜め糞場そのものには特に用が無いようで、素通りしただけです。 
カマドウマの一種も溜め糞を通過しました。 
他には多数のアリも徘徊しています。 

余談ですが、溜め糞場で私が長撮りしている間、周囲の森から何か硬い物をガリガリ齧る音が延々と響き渡り、気になりました。 
残念ながらカメラの仕様で微速度撮影では音声が録音されません。 (無音)
現場から少し離れた斜面(スギ植林地の端)に自生するオニグルミの木で野生動物が堅果(クルミの実、落果?)を齧る音だろうと想像がつきます。
もし万一イノシシやクマだとニアミスが怖いので、こっそり様子を見に行くのは自重しました。 
後になって思えば、リスの仕業だったのかもしれません。 

2023/03/04

珍しくタヌキの溜め糞のすぐ横に排便するニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月中旬 

里山のスギ林道にトレイルカメラを設置して、タヌキとアナグマが共有する溜め糞場sを長期監視しています。 

シーン1:9/13・午後20:23・気温23℃ 
冒頭から、画面の左端にニホンアナグマMeles anakuma)が登場しました。 
おそらくスクワットマーキングで下草に匂い付けしているのでしょう。 
しばらくすると、また左から戻って来ました。 
自分たちの溜め糞場の匂いを嗅ぎ回ると、カメラの方を向いてしゃがみました。(@0:20〜) 
手前に向かって歩きながら脱糞したように思うのですが、横向きまたは後ろ向きになってくれないと肛門が見えず、排便の有無は分かりません。 
下草やスギ落ち葉にスクワットマーキングしただけかもしれません。 


シーン2:9/16・午後20:33・気温21℃ (@0:37〜) 
3日後もほぼ同じ時刻の晩に登場しました。 
林道上のあちこちで腰を落として尻を擦りつけながら歩き回ります。 (スクワットマーキング)
今回初めて、アナグマがタヌキの溜め糞のすぐ横で対抗するように排便しました。(@0:48〜) 
今までは同じ溜め糞場sの中でもタヌキとアナグマは棲み分けるように別々の場所に排便していたので、今回の所業に驚きました。
遂にタヌキとの長い冷戦(膠着状態)が破られて、アナグマが挑発行為に出たのでしょうか?

アナグマはいつものように糞切りが悪く、後半は軟便をボトボト垂れ流しながら左に立ち去りました。 
タヌキと違ってアナグマは溜め糞場の広範囲に匂い付けするために意図的に大便を撒き散らすのでしょう。

この個体はアルビノではなく、顔に黒い縦縞があるようです。 
(シーン1とは別個体のような気がするのですが、自信はありません。)

※ カメラから照射される赤外線が強過ぎるので、動画編集時に白飛びを少し和らげました。 



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