2023/01/03

ニホンアナグマが排泄した糞塊から翌晩に離れる糞虫【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年8月下旬 

里山のスギ林道にある溜め糞場sを自動撮影カメラで見張っている記録です。 

シーン1:8/25・午後19:26・気温21℃ 
林道を右から来たニホンアナグマMeles anakuma)が下草の匂いを嗅ぎながら自分たちの溜め糞場に近づくと、左を向いたまま脱糞しました。 
暗視カメラが照射する赤外線が強過ぎるのか、白飛びしてアナグマの顔に縦縞がよく見えません。 
縦縞が薄い個体なのかな? 
カメラの設定で赤外線LEDの光量を調節できると知ったので、少し下げてみることも検討します。 

今回のアナグマは排便しながら前進し、林道上に糞を点々と撒き散らしました。 
ただし、タヌキの溜め糞の上に重ねてアナグマが脱糞することはありません。
この行動はアナグマに特有なのか、タヌキでは見たことがありません。 
アナグマの排便は縄張り宣言のための匂い付けという意味合いが強いのかもしれません。 

林道を左に立ち去る前に、アナグマはスギの木の根元に生えた下草に尻を擦り付けました。 
排便直後の肛門周りを下草で拭いているようにも見えますが、この行動はしゃがむ姿勢で肛門付近の臭腺を擦り付けるアナグマに特有な匂い付けの行動(スクワットマーキング)なのだそうです。 
ここはタヌキと共有している溜め糞場なので、アナグマはタヌキに対抗して匂いを強くアピールする必要があるのかもしれません。
つまり、自分の糞や臭腺の匂いで結界を張っているのでしょう。
実際に、画面の手前半分がタヌキの領域、奥の半分がアナグマの領域という風に2種は棲み分けています。


シーン2:8/26・午後21:37・気温23℃ (@0:15〜) 
 翌日の晩、左から走ってきたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が溜め糞場sで排便せずに素通りしました。 

それよりも注目すべきは、赤丸で囲んだ前日にアナグマが残した糞です。 
1匹の黒い糞虫がアナグマの糞塊から離れ、スギの落葉で覆われた林道を右に歩き去りました。 
動きが遅いので、5倍速の早回し映像に加工しました。 
センチコガネまたはオオセンチコガネだと思うのですが、定かではありません。 
糞塊の横をタヌキが通りかかったから糞虫が慌てて逃げ出した、という訳でもなさそうです。
糞塊の近くに巣穴を構えて、そこに帰るところだったのでしょう。 
糞虫は巣穴と糞塊を往復していると考えられますが、今回撮れたのは糞に向かうシーンではなく、逆に糞から離れるシーンでした。 

糞虫は変温動物ですから、いくら活発に獣糞の分解活動に励んでいてもトレイルカメラのセンサーは感知できません。 
たまたま恒温動物(哺乳類や野鳥)が通りかかったときの監視動画に、糞虫が写っていればラッキーです。 

アップルミントの花蜜を吸うイチモンジチョウ

 

2022年8月下旬・午後14:20頃・くもり 

道端に咲いたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落でイチモンジチョウLimenitis camilla japonica)が訪花していました。 
口吻を伸ばして白い花から吸蜜しています。 
この組み合わせは初見です。 
横の車道を車がひっきり無しに通る度にイチモンジチョウは飛んで逃げ、また舞い戻って来ます。

2023/01/02

ススキ?の葉先を採食するニホンザル♀(道草を食う猿)

 

2022年8月下旬・午後15:40頃・晴れ 

里山の麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
雑草が生い茂った空き地の端を成獣♀が歩いています。 
草むらで立ち止まって座り込むと、イネ科植物の葉先を次々に採食しました。 
この個体の採食行動は右利きでした。 
採食メニューはススキのような気がするのですけど、やや遠くてはっきり見えません。 
撮影後に現場へ急行して確認すべきだったのですが、この後も遊動するニホンザルの群れを追いかけて撮影を続けた結果、すっかり忘れてしまいました…。 

関連記事(6、7年前の撮影)▶ 

道草を食った猿が遊動を再開した際、胸に長い乳首が見えたので経産♀と判明。 
赤いお尻の様子も♀でした。 
途中で自分の、体をボリボリ掻いています。 
空き地の端に植栽された桜?幼木に立ち寄ると、なぜか幹の匂いを嗅いでから通り過ぎました。 
仲間と合流し、更に左へ遊動して行きます。
真夏のニホンザルは毛皮がいかにも暑そうです。
 

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