2022年7月中旬・午前11:15頃(晴れ)および午後15:55頃(くもり)
農村部の庭木として植栽されたモクゲンジにクズハキリバチ♂(Megachile pseudomonticola)が訪花していました。 雄性先熟のようで、見かけるのは顔色が白く腹端が丸い雄蜂♂ばかりでした。
黄色い花の中央部が赤くなっているのは、送粉者のハナバチ類に蜜腺の場所を教える蜜標なのでしょう。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:10〜)
午後は風が吹いてモクゲンジの花穂が激しく揺れ、虫撮りには悪条件でした。
しかし、スローモーションにすれば風揺れも気になりません。
複数個体を撮影。
最後にクズハキリバチ♂と入れ替わりで飛来したのはオオハキリバチ♂です。
図鑑には腹部第2節後縁に明色の毛帯があるかどうか、が主な識別点として書かれています。
(実際には中間的な個体がいるので悩ましいのです。)
そこよりもむしろ顔の模様が重要な形質ではないか?と個人的に考えるようになりました。
ハキリバチの頭楯の顔色が性的二型ということは、配偶行動の際に互いに異性の顔色を見て判断していることを示唆しています。
♂同士の闘争でも顔を見て同種であることを確認してるはずです。
クズハキリバチ♂は頭楯および頭楯上区に黄白色の長毛が密生しています。
オオハキリバチ♂はヒトラーの口髭が白髪になったような感じで、眉間(触角の根元の間)に磨呂のような1対の薄い白点があります。
どうやら雄蜂♂の顔の模様は種特異性があるようです。