前回の記事:▶ 雪深い河畔林をラッセルして溜め糞場に通うホンドタヌキのペア【暗視映像:トレイルカメラ】2022年1月下旬
雪国の平地を流れる川辺でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場rvをトレイルカメラで長期間監視しています。
厳冬期に4晩連続で登場したタヌキの映像をまとめました。
なぜかペアのタヌキは来なくなり、単独個体しか登場しなくなりました。
シーン1:1/23・午前2:07・晴れ
雪が降り止んで晴れた深夜にタヌキが登場。
冒頭からカメラを気にしてキョロキョロと辺りを警戒しています。
設置当初は溜め糞場を上から見下ろすようにトレイルカメラを立ち木の幹に固定していました。
ところが根雪の積雪量が増すにつれてカメラの設置位置が相対的に低くなり、タヌキの目線に近くなってしまったのです。
その結果、立木の奥を横切るタヌキの姿が撮れなくなりました。
溜め糞場を横切る足跡が新雪に付いています。
タヌキが左に立ち去った後、雪面に新鮮な糞が少量残されていました。(排便シーンは撮れず)
シーン2:1/24・午前1:58・小雪
次の晩にもほぼ同じ時刻にタヌキが現れました。
動画では小雪がちらついているものの、前日から積雪量はほとんど増えていません。
タヌキが左に立ち去ると、雪面に新たな固形糞が少量残されていました。
前日にした糞はそのまま雪に埋もれず雪面に残っており、その左に並べるように新しく糞を追加しました。
シーン3:1/25・午後23:13・晴れ
翌日も晴れた夜中にタヌキが来ました。
カメラ目線で脱糞して左に立ち去ると、雪面に新鮮な固形糞が残されていました。
毎回、同じ姿勢でほぼ同じ場所に排便するので、同一個体だと思います。
タヌキはわざわざ新雪に穴を掘って糞を埋めるトイレを作ったりせずに、雪面に排泄して立ち去るだけです。
古い糞はうっすらと雪に埋もれた後のようです。
シーン4:1/26・午前3:02・小雪
丸1日、雪は降らなかったようです。
前夜の糞が雪面にそのまま残っていました。
小雪がちらつく真夜中にタヌキが登場。
雪面の足跡を読み取ると、左から来たようです。
カメラ目線でしばらく佇んだものの、珍しく排便せずに右へ素通りしました。
前夜に排泄した糞が雪面にそのまま残っています。
溜め糞チェック(匂いを嗅ぐ行動)は撮れていませんでした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
さて、1/26の午後に私は現場入りしてトレイルカメラを回収しました。
糞はカチカチに凍っておらず、柔らかいままでした。
雪の中に埋もれても気温が氷点下にまで下がらないようです。(冷蔵状態)
晩秋に調べたタヌキの糞には果実の種子が大量に含まれていましたが、厳冬期には種子は(ほとんど)含まれていないようです。
糞の大きさも小さくなり、食糧事情の厳しさが伺えます。
カメラの死角(立木の左奥)にもう1ヶ所、溜め糞がありました。
トレイルカメラの存在を嫌った個体が木立の陰で排便するようになったようです。
トレイルカメラの位置をもっと高く固定し直して定点調査を続けても良かったのですが、別の場所で新たに調べたいことが出てきたので、ここでの調査は一旦打ち切ることにしました。
2台のトレイルカメラでなんとかやりくりするしかありません。
厳冬期のタヌキの活動状況が河畔林ではだいたい掴めたので、私も少し飽きてきました。
という訳で、カメラの設置場所を変えます。
つづく(調査再開)→雪に埋もれた溜め糞場を素通りする晩冬のホンドタヌキ【暗視映像:トレイルカメラ】