2020/06/05

片足立ちで川の水を掻くダイサギの謎(冬の野鳥)



2020年1月上旬・午後14:50頃

川の堰の手前で2羽のダイサギArdea alba)が並んで長時間佇んでいます。

左の大柄の個体が右に居る個体の方へ歩み近寄ってから立ち止まり、左足で片足立ちになりました。
右足を浮かせたまま川の水を軽く掻く謎の動きをしばらく繰り返しています。(足掻きあがき
足の裏(水かき)にめりこんでしまった砂利を川の水で洗い流そうとしているのでしょうか?
足踏みして川底に潜む水性動物を追い出すダイサギの漁の行動と少し似ているかもしれません。
それとも、まさか手招きするのが求愛行動なのかな?と期待して撮ったのですが、見るからにぼんやりしていますし、特に意味のない暇潰しの行動かもしれません。
その最中に、左の個体が白い液状便(尿)をシャッと排泄しました。(@0:25)
ようやく落ち着くと、左の個体も2本足で立って休むようになりました。

その間、右の小柄な個体は片足立ちで休んでいます。

つづく→川に佇み羽繕いする2羽のダイサギ(冬の野鳥)




2020/06/04

冬に咲くビワに訪花するナミハナアブ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年12月下旬・午後12:05頃・晴れ・気温6℃

吉川徹朗『揺れうごく鳥と樹々のつながり (フィールドの生物学 25)』という本を読んでいたら、冬に咲くビワ(枇杷)鳥媒花であることを知りました。

冬場に開くビワの花も、花弁は白色でそれほどめだつものではないが、鳥によって送粉されていることがわかっている。(p136より引用)


ここ雪国ではどうなのだろう?と思っていたら、民家の庭で立派に育ったビワの木を見つけました。
花が咲いてからしつこく何回も通い詰めると、ようやく送粉者と出会うことが出来ました。
意外にも送粉者の正体は野鳥ではなく、ナミハナアブ♂(Eristalis tenax)という昆虫でした。
口吻を伸縮して花蜜と花粉を舐めています。
腹端近くに白および黄色い花粉が付着していますから、ビワの花から花へ移動すると受粉を媒介することが期待できます。
ときどき身繕いしています。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)

今季は暖冬で、枝に積もっていた前日の雪がほとんど溶け落ちていました。
雪が降った後でもビワの花に独特の芳香が残っています。
この日が生きた昆虫(成虫)の2019年見納めでした。
ちなみに、ナミハナアブは成虫で越冬するそうです。

年が明けてからも花が咲いている限り何度もしつこく通ったのに、ビワの花蜜を吸いに来る野鳥を観察することはできませんでした。
ビワに訪花する昆虫も見かけなくなりました。
無人カメラを仕掛けたらメジロやヒヨドリなどが撮れそうな気がするのですけど、難しそうです。
そもそもビワは純粋な鳥媒花なのですかね?
花に送粉者を誘引する芳香があるということは、虫媒花であることを示唆しています。
(鳥類は嗅覚が発達していないので、鳥媒花は無臭です。)

鳥媒花は目立つ赤色の花弁を持つことが多いのですが、ビワはその特徴からも外れます。
ビワは鳥媒花でもあり、虫媒花でもある、という両刀使い(どっちつかずの過渡期?)なのかもしれません。


▼関連記事(春に撮影)
鳥媒花:ボケの花蜜を舐めるコムクドリ♀♂(野鳥)

冬に咲く虫媒花と言えば地味なヤツデの花ぐらいしか知らなかったので、ビワの花の観察も面白いですね。
今年は暖冬でしたが、例年の寒くて雪の多い冬でもハナアブ類が来てくれるのかどうか、興味があります。



ナミハナアブ♂@ビワ訪花吸蜜

枇杷の花
ビワの花
ビワの花と残雪


【追記】
冬の間にしっかり受粉できたようで、翌年の初夏になるとビワの果実がなっていました。(6月上旬では未熟果)

チャバネアオカメムシ?@ビワ未熟果+吸汁

現場では気づかなかったのですが、撮った写真を見直すと、チャバネアオカメムシPlautia stali)?らしきカメムシがビワの未熟果に止まっていました。
また機会があれば吸汁シーンを動画に撮り直したいものです。


6月下旬になると、実が熟して黄色くなりました。



ビワ熟果
ビワ熟果・全景
ビワ熟果:食痕


カマツカの赤い実を食すドバトの群れ(冬の野鳥)



2020年1月上旬・午後12:45〜13:00・晴れときどき粉雪

民家の庭木にカワラバト(=ドバト;Columba livia)がバサバサと群がっていました。
何事かと思い近づいてみると、落葉した灌木の枝先に残った赤い熟果を食べに来たようです。

枝の一部には残雪が積もっています。
鳩が食べている赤い実の樹種は、おそらくナナカマドではないかと思います。
落葉後の冬は特徴が乏しいので、花が咲く時期になったら再訪して庭木の種類を突き止めるつもりです。
『野鳥と木の実ハンドブック』でナナカマドを調べると、
鳥が食べるのは11月頃からで、12〜1月になってからの方がよく採食する。(p17より引用)
【追記】
ナナカマドではなく、カマツカと判明しました。
花が咲く時期を見逃してしまったので、未だ暫定的な判断です。

ドバトは細い枝先に足で掴まると、不安定な姿勢でバランスを取るため必死に羽ばたきながら赤く熟した果実を1粒ずつ啄んでいます。
食べにくい枝先にしか果実はもう残っていません。
枝の先端に残った熟果を食べたくても鳩の体重を支え切れず嘴が届きません。
したがって枝先の実だけが残される結果となるのです。
赤い実を食べ終えた1羽が枝から飛び去ると、席が空くのを待ちかねたように別個体が飛来します。
私が見た限りでは、ドバト同士の喧嘩(カマツカ樹上での場所取り)はありませんでした。
樹上での採食を諦めて、路上や雪面に散乱したカマツカの落果を採食しているドバトもいます。

ハト類は植物の実を丸呑みすると種子ごと消化することが可能な種子捕食者です。
つまり鳩はカマツカの種子散布者ではありません。
カマツカにしてみれば、ただの食べられ損です。
木の実をよく食べるヒヨドリと違い、ドバトはホバリング(停飛)しながら枝先の木の実を採食するスキルは無いようです。
おそらくドバトが食べ残した赤い実をヒヨドリや体重の軽い小鳥が食べ、未消化の種子を糞と一緒に排泄することでカマツカの種子散布を助けていると予想されます。
もし腹を空かせた鳩が嘴で枝先を折り取ってから果実を食べるように行動を進化させたら面白いですね。
植物側はどんな対抗措置を取るように進化するでしょうか?(枝先がポキポキと折れないように靭性を高める?)
鳥と植物がこのような進化の軍拡競争を繰り広げていると想像するだけでも、ワクワクしますね。

カマツカの左に植栽された低い灌木はナンテンで、紅葉した葉が真冬でも枝に付いていました。
(庭木に疎い私の理解では)本来ナンテンは常緑樹ですが、紅葉する品種なのでしょう。
ナンテンの枝先にも赤い実が残っていたのですが、ドバトはその実を食べませんでした。
好き嫌いがあるのか、それともナンテンの枝はカマツカよりも更に細くてドバトが止まれないのかもしれません。
あるいは単純に、ナンテンの赤い実はカマツカの実よりも数が少なくて目立たなかっただけかもしれません。
カマツカの実を食べ尽くしたら、ナンテンの実も食べるようになるのかな?

叶内拓哉『野鳥と木の実ハンドブック』でカマツカを調べると、次のように書いてありました。
人間にはおいしそうに見えるが、食べてみるとわずかに苦味がある程度で、味はほとんどない。(p14より引用)

ところが、高槻成紀『都会の自然の話を聴く: 玉川上水のタヌキと動植物のつながり』という本を読むと、カマツカの赤い実はリンゴの味がすると書いてました。(p100より)

カマツカもリンゴも同じバラ科なのだそうです。

どちらが正しいのか、私も実際に味見してみたくなりました。 




ドバト(野鳥)@カマツカ落葉樹上+熟果採食
ドバト(野鳥)@カマツカ熟果採食
ドバト(野鳥)@カマツカ落葉樹上


ドバト(野鳥)群れ@雪道+カマツカ落果採食

カマツカ:赤い実(熟果)
カマツカ:赤い実(熟果)
カマツカ枝先に付着したドバトの羽毛
枝先にだけ赤い実が残っている


ナンテン:紅葉+赤い実・全景
紅葉したナンテンの枝先に赤い実


樹種を同定するために、ときどき定点観察に通いました。 
しかし肝心の花期を見逃してしまいました。 
カマツカは秋になると黄葉するらしいのですが、それも見逃してしまいました。 
引き続き来年も、定点観察を続けます。

葉+未熟果@7月上旬






赤い実(熟果)@9月中旬
しつこく定点観察に通い詰め、2021年6月上旬、遂に白くて小さな花を撮影できました。

6月中旬にもう一度花の写真を撮りました。


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