2019/09/29

キオビツチバチ♂を襲うナミツチスガリの謎



2019年6月下旬

道端の草むらでキオビツチバチ♂(Scolia oculata)がススキの葉に乗って化粧していました。
そこへナミツチスガリ♀(Cerceris hortivaga)が飛来すると、背後から突然襲いかかりました。
キオビツチバチ♂の胸背に飛びついた勢いで、2匹とも葉から転がり落ちました。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

不意をつかれたキオビツチバチ♀は無事で、すぐ下のススキの葉で身繕いを続けていました。
もんどり打って転げ落ちる際に、背中にしがみついたツチスガリ♀を振り落としたようです。
獲物を誤認したことに気付いたナミツチスガリ♀は既に飛び去っていました。

キオビツチバチ♂は左右の後脚で腹部側面を頻りに擦っています。
もしかして、ツチスガリ♀に一瞬で毒針を刺されたのでしょうか?
しかし結局キオビツチバチ♂は何事もなかったかのように飛び去ったので、毒液で麻酔されてはいないようです。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

圧倒的な体格差があるのに飛びついて狩りを試みるとは、ナミツチスガリ♀はなんと無謀なファイターでしょう。
しかも、本来ならばナミツチスガリ♀は小型のハナバチ類を狩るはずです。
ツチスガリが獲物を狩る様子は未見ですけど、こんな感じなのかな?
私にはツチスガリの性別を外見で見分けられないのですが、交尾相手と誤認した雄蜂♂である可能性もありそうです。
どちらにしても、そそっかしい狩蜂ですね。

本気で狩る気はなくて、ふざけて(茶目っ気を出して)後ろからワッ!と脅かしただけだとしたら面白いですね。
(さすがに昆虫でそれは無いでしょう。)



【おまけの動画】
インドの国立公園で撮影された、ナマケグマの背後から忍び寄って脅かす若いトラ。
狩りの練習?

不意をつかれた熊の慌てっぷりが見ものです。

キオビツチバチ♂@ススキ葉vsナミツチスガリ♀狩り未遂
キオビツチバチ♂@ススキ葉+身繕い

水路から飛んで逃げるイソシギ(野鳥)



2019年6月下旬・午後18:25

川の本流に注ぐ浅い水路の方から夕方に鳥の美しい鳴き声がするのでそっと近づくと、イソシギActitis hypoleucos)が餌を探していました。

ちょっと珍しい水鳥なのに、私に気づくとすぐに飛び去ってしまい、残念でした。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
水路の奥に居たもう1羽も連鎖的に飛び立ち、川の下流に向かって飛び去りました。
空き缶などのゴミで汚れた水路は見苦しく、お恥ずかしい限りです。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を上げています。
スズメの鳴き声の他に、イソシギが飛び去る際に発した甲高い美声がかすかに聞こえます。


イソシギ(野鳥)@水路+探餌

イタドリの花で吸蜜するトラフシジミ夏型【HD動画&ハイスピード動画】



2019年6月下旬

平地の川沿いの原っぱに咲いたイタドリの群落でトラフシジミRapala arata)夏型が訪花していました。
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。

閉じた後翅を互いに擦り合わせ、尾状突起を触角のように動かしています。
鳥などの捕食者に急所の頭部を狙われないように偽の頭部を体の後方にも作って惑わせているのです。(自己擬態)
黒い尾状突起の先端は白くて目立ちます。
ところが自己擬態のモデルとなった本物の触角は全体が黒でした。
必ずしも完全に体の前後が対称に見えなくても、尾状突起が触角っぽく見えればそれで良いのでしょう。

翅表を撮るために飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:40〜)
ところがトラフシジミは吸蜜に夢中で、物を投げつけてもなかなか飛んでくれません。
仕方がないのでイタドリの葉を掴んで揺すり、強引に飛び立たせました。
羽ばたいた瞬間に垣間見た翅表はメタリックブルーでした。(天気が曇りなので、映像では藍色に見えます)
トラフシジミの翅表を見たのは初めてかもしれません。
更に1/4倍速のスローモーションでリプレイしても、性標の有無は見分けられませんでした。


ちなみにセマダラコガネAnomala orientalis)およびクロヤマアリFormica japonica)♀も一緒にイタドリで訪花していました。


【追記】
コメント欄で、「この個体は春型ではなく夏型だ」とのご指摘を頂きましたので、訂正しました。
フィールドガイド『日本のチョウ』の解説を読み返したら、翅裏の地色が黄褐色であることから、確かに夏型でした。


トラフシジミ夏型@イタドリ訪花吸蜜

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