2019年6月下旬
平地の川沿いの原っぱに咲いたイタドリの群落でトラフシジミ(Rapala arata)夏型が訪花していました。
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
閉じた後翅を互いに擦り合わせ、尾状突起を触角のように動かしています。
鳥などの捕食者に急所の頭部を狙われないように偽の頭部を体の後方にも作って惑わせているのです。(自己擬態)
黒い尾状突起の先端は白くて目立ちます。
ところが自己擬態のモデルとなった本物の触角は全体が黒でした。
必ずしも完全に体の前後が対称に見えなくても、尾状突起が触角っぽく見えればそれで良いのでしょう。
翅表を撮るために飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:40〜)
ところがトラフシジミは吸蜜に夢中で、物を投げつけてもなかなか飛んでくれません。
仕方がないのでイタドリの葉を掴んで揺すり、強引に飛び立たせました。
羽ばたいた瞬間に垣間見た翅表はメタリックブルーでした。(天気が曇りなので、映像では藍色に見えます)
トラフシジミの翅表を見たのは初めてかもしれません。
更に1/4倍速のスローモーションでリプレイしても、性標の有無は見分けられませんでした。
ちなみにセマダラコガネ(Anomala orientalis)およびクロヤマアリ(Formica japonica)♀も一緒にイタドリで訪花していました。
【追記】
コメント欄で、「この個体は春型ではなく夏型だ」とのご指摘を頂きましたので、訂正しました。
これは春型ではなく夏型です
返信削除ご指摘ありがとうございます。フィールドガイド『日本のチョウ』の解説を読み返したら、翅裏の地色から確かに夏型でした。早速、訂正しておきます。どうして春型と書いてしまったのか、自分でも覚えていません…(冷汗)。
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