マメドクガの飼育記録#5
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マメドクガ(蛾)幼虫の脱皮【10倍速映像】
2018年10月中旬
脱皮を済ませたばかりのマメドクガ(Cifuna locuples confusa)の幼虫が謎の運動を繰り返しています。
その場で海老反りになり、左右にのたうち回るのです。
この動きで新しい毛束が立ってきました。(起毛運動と勝手に命名)
こんな奇妙な動きをこれまで見たことがなかった私は、もしかすると脱皮に失敗して歩行異常を来したのか?と少し心配になりました。
脱皮中の脆弱・無防備な幼虫を私の不注意で床に落としてしまったという罪悪感がありました。
その衝撃の後遺症でしょうか?
しかし、しばらくすると徘徊を始めたので、一安心。
ピンセットでそっと摘んでクズの葉に戻してやりました。
葉裏に隠れて落ち着いたと思いきや、その場でのたうち回る運動を再開しました。
頭部の毛束を自分の背中に擦り付けています。
脱皮直後は白かった頭楯の黒化が進み、もう真っ黒になっていました。
私は毛虫の飼育経験があまり無いのですけど、以前観察したオビガ幼虫は脱皮直後にこのような起毛運動はやりませんでした。
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オビガ(蛾)終齢幼虫への脱皮
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→#6:マメドクガ(蛾)幼虫の徘徊運動
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マメドクガ(蛾)幼虫@クズ葉裏:脱皮後 |
2018年9月下旬
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川の倒木で羽根を乾かしながら脱糞するカワウ(野鳥)
ニセアカシアの木が岸から倒れて川を横切る丸木橋のようになっています。
よく晴れた午後、その倒木に1羽のカワウ(Phalacrocorax carbo hanedae)が下流を向いて止まっていました。
黒い翼を大きく広げ軽く扇いでいるのは、潜水漁の後で水に濡れた羽根を日光で乾かしているのでしょう。
背中を南に向けています。
下流を向いた顔はあちこちを見回しています。
やがて大きな翼を一度は畳んだのですが(@2:16)、すぐにまた広げました。
カワウが翼を広げると1mを越えるらしい。
(『大都会を生きる野鳥たち』「岐路に立つカワウの集団営巣地」の章p216より)
中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によれば、
「カワウの羽は、ふつうの鳥の羽とちがいます。ふつう、水鳥の羽はよく水を弾きますが、カワウの羽は油分が少なく、水がしみこみやすくなっています。水がなじむことによって潜りやすく、まるで特別なスイミングスーツを着ているようなものなのです。でも、水がしみこむので、いちど潜ったら乾かさないといけません。水辺で大きな翼を広げている独特の姿は、いったん水がしみこんだ羽の水切りをして、体を軽くしたり、体温を上げ、つぎに飛びやすくするための準備をしていたのです。」(p18-19より引用)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2018年10月中旬
農村部の道端に咲いたニラの群落で春型のベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見です。
秋の日差しを浴びて翅を半開きに広げ、その場でクルクルと回りながら吸蜜しています。
蜜源(ニラの小群落)のすぐ横には、幼虫の食草となるギシギシ?(スイバ?)が生えていました。
翅表に鮮やかな紅色の部分が多いのは春型です。
暑い夏が終わり秋になると、翅表が黒っぽい夏型の個体は見られなくなります。
秋に見かけても秋型とは呼ばないらしい。
キタテハには秋型があるのに不思議です。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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ベニシジミ春型@ニラ訪花吸蜜 |
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ベニシジミ春型@ニラ訪花吸蜜 |