2018/07/31

ナミテントウの蛹化【60倍速映像】



ナミテントウの飼育記録#9



▼前回の記事
脱皮前の眠で微動だにするナミテントウ前蛹【100倍速映像】

2018年5月下旬・午前10:40〜午後15:40・室温〜25℃

いよいよナミテントウHarmonia axyridis)前蛹bの蛹化が始まります。
60倍速の早回し映像をご覧下さい。
(初めにカメラの画角を決めるときは、蛹化の際に立ち上がることも考慮して、特に縦の画角からはみ出ないように注意が必要です。)

冒頭で、腹背後部の左側面から黄色の液体が一滴滲み出しているのが興味深く思いました。※
天敵に対する忌避物質を含むと思われるこの液体は、すぐ自然に体内に引っ込みました。
前蛹の時期にも分泌するとは知りませんでしたが、無防備な状態なので納得です。

佐藤有恒『科学のアルバム:テントウムシ』によると、

つまんだとき、指には黄色いしるがのこります。そのしるはとてもくさく、強いにがみがあります。
きけんをかんじると、足の関節から黄色いしるをだします。 (p34より引用)


七尾純『カラー自然シリーズ:テントウムシ』によれば、

小鳥にくわえられると、テントウムシは、あしのつけねの関節から、黄色い、にがい液を出します。にがい味を知った小鳥は、二度と食べようとはしないでしょう。



終齢幼虫が前蛹になるときに、ヨモギの葉表に腹端でしっかり固定しています。
ヨモギの葉に伏せていた前蛹はやがて、固定した腹端を支点に背筋運動で何度も繰り返し起き上がるようになりました。
全身の蠕動運動も始まり、胸背の表皮が割れ始めました。
脱皮しながら起立姿勢になります。
完全に脱げた黒い抜け殻は腹端に丸めてあります。
脱皮直後の蛹は鮮やかな黄色でした。
その後も蛹は背筋運動を繰り返します。
蛹のクチクラが硬化するにつれて、赤くなった背面に特徴的な黒紋が浮かび上がってきました。
早回し映像なので、背脈管が激しく拍動しています。(昆虫の心臓は背側の正中線にあります)
終齢幼虫→前蛹→蛹とステージが進むにつれて、体長が縮んでテントウムシらしい丸みを帯びた体型になりました。


【おまけの動画】
同じ素材で早回し速度を落としたバージョンをブログ限定で公開しておきます。



↑30倍速映像



↑10倍速映像

つづく→#10:蛹化したばかりのナミテントウが背筋運動でアブラムシを撃退


ナミテントウ蛹b:側面起立@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後
ナミテントウ蛹b:側面@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後
ナミテントウ蛹b:背面@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後+scale

庭でイチゴの実を食べるヒヨドリ(野鳥)



2018年6月中旬

きれいに造園された民家の庭で丹精込めて育てた苺の実が赤く熟していました。
ヒヨドリHypsipetes amaurotis)が住宅地の庭に忍び込むと、赤く熟したイチゴの実をその場で3粒食べ(飲み込み)ました。
私のことを警戒しながらも大胆に採食すると、飛び去りました。

私はイチゴについて詳しくないのですが、市街地で大きな庭石の手前に生えているのは不自然なので、野草(野イチゴ)ではなくおそらく栽培品種だと思います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、イチゴ農家にとってもヒヨドリは頭の痛い問題になっているようです。

冬期間にハウス内で栽培されるイチゴは、換気のために開けたハウスの側面からヒヨドリやツグミが侵入し、加害します。このため、側面に防鳥網を張る必要があります。 (p193より引用)



ヒヨドリ(野鳥)@庭+イチゴ実採食
ヒヨドリ(野鳥)@庭+イチゴ実採食
イチゴ実@庭

2018/07/30

ホウチャクソウの花で吸蜜するトラマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月中旬

里山の山道沿いに咲いたホウチャクソウの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。
創設女王なのか、それともワーカー♀なのか、微妙な時期です。
少なくとも2匹が来ていました。(複数個体を撮影)
ホウチャクソウの白い花から花へ忙しなく飛び回り、毎回、花筒の入口から潜り込んで正当訪花しています。
それなのに、後脚の花粉籠は空荷でした。
(足先に黄色い花粉を少量付けた個体がいました。)
白い花筒の中で黒くて長い舌を伸縮させて吸蜜する様子が薄い花弁を通して透けて見えることがあります。(@1:33〜1:44)

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:09〜)
スーパースローで見ると、トラマルハナバチ♀は花にぶら下がり吸蜜しながらゆっくり回転しています。
複数の蜜腺を探り当てながら順に吸蜜しているのでしょう。
体に付いていた花粉がたまに落ちる様子もスローモーションだと無駄にドラマチックで見応えがあります。
花から飛び去る時も長い舌を伸ばしたままでした。
次の花に着地する瞬間を撮ろうとして、苦労しました。
群落で次はこの花に来るであろうと待ち構えて撮り始めても予想が何度も外れ、ようやく成功!


▼関連記事(10年前に撮った動画はやはり画質が見劣りしますね。)
トラマルハナバチ♀がホウチャクソウを訪花


トラマルハナバチ♀@ホウチャクソウ訪花吸蜜
トラマルハナバチ♀@ホウチャクソウ訪花吸蜜

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