2018/08/01

しゃっくりが止まらないハシボソガラス(野鳥)



2018年6月下旬

夕方に川原の岸でハシボソガラス(Corvus corone)が単独で餌を探し歩いています。
何やらずっとえづいています。
私の背後を走る車道の騒音や風切り音がうるさいのですが、耳をよく澄ますと、この個体は小声でしゃっくりのような変な鳴き声を繰り返しています。
カラスもしゃっくりが止まらなくて苦しむことがあるのか、と親近感が湧きました。
それとも何か変な物を食べて吐き気がするとか、逆流性食道炎で胸焼けがするのですかね?

残念ながら環境のノイズが多過ぎて、声紋解析には使えそうにありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
ChatGPTに訊いてみました。

Q: 「鳥には哺乳類のような横隔膜がない」というのは本当か? 以前、しゃっくりを繰り返すハシボソガラスを観察したことがあります。

A: 「鳥には哺乳類のような横隔膜がない」という解剖学的説明自体は正しいです。鳥類の呼吸では、肋骨、胸骨、体壁筋、腹筋などによって胸腹部腔全体の容積を変化させ、気嚢を換気します。鳥類の肺そのものは哺乳類の肺のように大きく膨張・収縮しません。これはハシボソガラスにも当てはまります。(PubMed Central (PMC))

しかし、そこから私が前の回答で、

「だから鳥にはしゃっくりは起こらない」

と断定したのは適切ではありません。

「しゃっくり」という名前の問題があります

ヒトのしゃっくりは、典型的には横隔膜の突然の不随意収縮と、それに続く声門閉鎖によって「ヒック」という音が出る反射です。

鳥にはその横隔膜がありませんから、ヒトと同じ機序の「しゃっくり」があるとは考えにくいです。

一方で、鳥にも呼吸筋の突然の不随意収縮、気道の反射、嚥下・食道・そのうの運動などはあります。そして、それらによって「ヒック」のような反復的な動作や音が生じる可能性はあります。実際、飼育鳥で「hiccups」と呼ばれている動作について、獣医療の資料でも、嚥下、吐き戻し、呼吸器系の動作など、複数の可能性が挙げられています。(Petco)

ですから、以前観察されたハシボソガラスの

「短い間隔で、えずくような動作と発声を繰り返す」

という現象を、最初から「鳥だからしゃっくりではない」と排除する必要はありません。

むしろ興味深い観察です。

特に「繰り返した」という点が重要です

単発の「クッ」という声なら、飲み込んだものを調整した、気道をクリアした、発声した、といった可能性がたくさんあります。

しかし、もし映像で、

「クッ」
「クッ」
「クッ」

という具合にほぼ一定間隔で、発声と同時に首や胸部が小刻みに動いていたのであれば、単なる発声よりも、何らかの反復性の反射・筋収縮を考えたくなります。

ただし、それを哺乳類のhiccupと同一の生理現象だと呼べるかは別問題です。

ちなみに、カラス類については、実際に「hiccupsではないか」という観察動画が投稿されることもありますが、専門的なカラス研究として「Corvus coroneのしゃっくり」を記載した資料は、今回の検索では確認できませんでした。(Reddit)

したがって、あなたが見たハシボソガラスについては、

「しゃっくりのように見える反復性の動作・発声」

と記述するのが現時点では一番慎重でしょう。

そして、先ほどの「水を飲んだ直後のカラスのえずき+短い発声」という観察と、今回の「以前見た反復するしゃっくり様動作」は、もしかすると関連している可能性があります。特に、飲水後に食道・そのう・気道周辺で起きる反射的な運動が、鳥ではしゃっくり様に見えるという仮説は検討する価値があります。



2018/07/31

ナミテントウの蛹化【60倍速映像】



ナミテントウの飼育記録#9



▼前回の記事
脱皮前の眠で微動だにするナミテントウ前蛹【100倍速映像】

2018年5月下旬・午前10:40〜午後15:40・室温〜25℃

いよいよナミテントウ(Harmonia axyridis)前蛹bの蛹化が始まります。
60倍速の早回し映像をご覧下さい。
(初めにカメラの画角を決めるときは、蛹化の際に立ち上がることも考慮して、特に縦の画角からはみ出ないように注意が必要です。)

冒頭で、腹背後部の左側面から黄色の液体が一滴滲み出しているのが興味深く思いました。※
天敵に対する忌避物質を含むと思われるこの液体は、すぐ自然に体内に引っ込みました。
前蛹の時期にも分泌するとは知りませんでしたが、無防備な状態なので納得です。

佐藤有恒『科学のアルバム:テントウムシ』によると、

つまんだとき、指には黄色いしるがのこります。そのしるはとてもくさく、強いにがみがあります。
きけんをかんじると、足の関節から黄色いしるをだします。 (p34より引用)


七尾純『カラー自然シリーズ:テントウムシ』によれば、

小鳥にくわえられると、テントウムシは、あしのつけねの関節から、黄色い、にがい液を出します。にがい味を知った小鳥は、二度と食べようとはしないでしょう。



終齢幼虫が前蛹になるときに、ヨモギの葉表に腹端でしっかり固定しています。
ヨモギの葉に伏せていた前蛹はやがて、固定した腹端を支点に背筋運動で何度も繰り返し起き上がるようになりました。
全身の蠕動運動も始まり、胸背の表皮が割れ始めました。
脱皮しながら起立姿勢になります。
完全に脱げた黒い抜け殻は腹端に丸めてあります。
脱皮直後の蛹は鮮やかな黄色でした。
その後も蛹は背筋運動を繰り返します。
蛹のクチクラが硬化するにつれて、赤くなった背面に特徴的な黒紋が浮かび上がってきました。
早回し映像なので、背脈管が激しく拍動しています。(昆虫の心臓は背側の正中線にあります)
終齢幼虫→前蛹→蛹とステージが進むにつれて、体長が縮んでテントウムシらしい丸みを帯びた体型になりました。


【おまけの動画】
同じ素材で早回し速度を落としたバージョンをブログ限定で公開しておきます。



↑30倍速映像



↑10倍速映像

つづく→#10:蛹化したばかりのナミテントウが背筋運動でアブラムシを撃退


ナミテントウ蛹b:側面起立@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後
ナミテントウ蛹b:側面@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後
ナミテントウ蛹b:背面@ヨモギ葉+脱皮(蛹化)直後+scale

庭でイチゴの実を食べるヒヨドリ(野鳥)



2018年6月中旬

きれいに造園された民家の庭で丹精込めて育てた苺の実が赤く熟していました。
ヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)が住宅地の庭に忍び込むと、赤く熟したイチゴの実をその場で3粒食べ(飲み込み)ました。
私のことを警戒しながらも大胆に採食すると、飛び去りました。

私はイチゴについて詳しくないのですが、市街地で大きな庭石の手前に生えているのは不自然なので、野草(野イチゴ)ではなくおそらく栽培品種だと思います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、イチゴ農家にとってもヒヨドリは頭の痛い問題になっているようです。

冬期間にハウス内で栽培されるイチゴは、換気のために開けたハウスの側面からヒヨドリやツグミが侵入し、加害します。このため、側面に防鳥網を張る必要があります。 (p193より引用)



ヒヨドリ(野鳥)@庭+イチゴ実採食
ヒヨドリ(野鳥)@庭+イチゴ実採食
イチゴ実@庭

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