2016/05/04

高圧線に就塒前集合するカラスの群れ(冬の野鳥)



2015年1月中旬


▼前回の記事
携帯電話アンテナ塔に就塒前集合するカラスの群れ(冬の野鳥)

日没後に塒(ねぐら)へ飛んで帰るカラスを追跡すると、郊外で高圧線の鉄塔のてっぺん周辺にカラスの大群が集結していました。
鉄塔を中心に左右の高圧線にカラスが続々と着陸し、鈴なりになっています。
カラスが鳴き騒ぐ声もかすかに聞こえます。
いよいよ暗くなってきて画質も粗く、最大限にズーム(光学10倍)してもカラスの種類(ハシボソガラス/ハシブトガラス)を見分けるのは無理でした。
隣りの鉄塔付近の高圧線にも同様にカラスが群がっていることに気づきました。

私が左の鉄塔に歩いて接近してから撮ろうとすると、警戒したカラスは頭上の高圧線から一斉に飛び立ってしまいました。
どうやら近くにある鎮守の森へ向かっているようです。
カラスの行動に影響を与えずに塒入りを観察する難しさを痛感しました。
本格的にやろうとしたら、ブラインドを用意して隠し撮りする必要がありそうです。

冬の日没後は釣瓶落としに暗くなり、鉄塔のようなはっきりした対象物を狙わないとAFのピントが合わなくなりました。
赤外線投光機も到底届かない高所なので、暗視映像ではなくノーマルな動画撮影です。

私が樹の下に立ち止まって撮り続けると、カラスの群れがまた高圧線に舞い戻ってくれました。
高圧線は何本も並行して走っているのに、カラスが止まるのは特定の(一番上の)一本だけでした。
カラスの大群が乗っても全体重で高圧線が切れる事故が起こらないように強度が設計されているのでしょう。

私がじっと待っていると、高圧線からカラスが今度は自発的に次々と飛び立ち、鎮守の森(の方角)へ向かいました。
高圧線の鉄塔はカラスが就塒前(しゅうじぜん)集合する過渡的な塒だと分かりました。
巨大な鉄塔は遠くからでもよく目立つので、あちこちから群れが合流する中継地点となっているようです。

カラスの大群が鳴きながら暗い夜空を乱舞する様はいかにも威圧的です。
このような群飛は塒周辺の安全を確かめたり、天敵などを追い払ったりする示威行動なのでしょう。
※ 就塒前飛行を撮ったパート(@5:18〜)のみ動画編集時に自動色調補正を施して明るさをかなり増しています。

撮影時刻は午後17:11〜17:21。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後16:41、月齢は5.1(三日月)。

つづく→杉林の塒で鳴くカラスの群れ♪(冬の野鳥)


2016/05/03

コガタスズメバチの古巣で越冬していたキアシブトコバチ



2015年12月上旬
▼前回の記事
越冬休眠していたフタモンアシナガバチ新女王の覚醒


コガタスズメバチ巣の定点観察@祠・軒下#6


採集してきたコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)の古巣の外被を慎重に解体して中を調べていると、とても小さな蜂が一匹出てきました。
キアシブトコバチ(Brachymeria lasus)のようです。
寄生蜂の一種ですがスズメバチ類を寄主としている訳ではないので、コガタスズメバチの生活史と直接の関係はありません。
隠れ家を壊されたせいで休眠から覚醒し、飛ぶ元気はないものの辺りを歩き回ります。
方眼紙の上に自発的に乗ってくれて、採寸の手間が省けました。

『ハチハンドブック』p25によると、キアシブトコバチは樹皮下などで成虫越冬するらしい。

▼関連記事
群飛・集合するキアシブトコバチの謎
したがって、スズメバチの古巣に潜んで冬越ししても不思議ではありませんね。
私は本種の性別判定法を知らないのですが、越冬するのは♀だけなのですかね?
それとも♂も越冬して、春になったら交尾するのかな?
残念ながら、飼育下での越冬には失敗しました。
以下は標本写真。




ちなみに断熱効果に優れた古巣内で越冬していた居候としては他に、キアシナガバチ(Polistes rothneyi)新女王も1匹だけ見つかりました。(映像なし。以下に標本写真)
スズメバチの空き巣は千客万来ですね。

シリーズ完。



2016/05/02

携帯電話アンテナ塔に就塒前集合するカラスの群れ(冬の野鳥)



2016年1月中旬

この冬の目標の一つは、カラスの集団塒(ねぐら)の場所の位置を突き止めることです。
この日の日の入り時刻は午後16:41、月齢は5.1(三日月)。

日没直後から追跡開始。
郊外にある鎮守の森の上空を夕方になるとカラスの群れが続々と飛んで行きます。
カラスの向かった先へ少し追いかけると、農地(畑や林)の上空を乱舞していました。
携帯電話のアンテナ塔で群れの一部が一休みしました。
群れは鳴きながら更に移動しています。
ちなみに、このときの照度は9ルクスでした。
カラスの群れを更に追いかけると…。


つづく→高圧線の鉄塔に就塒前集合するカラスの群れ(冬の野鳥)


『Birder 2012年8月号 特集:鳥たちの夜の世界』p36-37 中村純夫「カラスはねぐらで何をしているのか?」より

平安時代の昔から、カラスのねぐら入り行動は知られていた。清少納言は『枕草子』の中で「秋は夕暮れ、夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あわれなり」と、烏の帰塒行動を詠んでいる。



暗い条件では望遠レンズが使えず、カラスの種類を見分けられませんでした。
普段(昼間に観察すると)この辺りはハシブトガラスよりもハシボソガラスが圧倒的に多いです(優占種)。

日本海側の穀倉地帯や積雪地帯という風土とハシボソガラスの生態とが、どのように関係しているのか、興味ある問題である。(『ネオン街に眠る鳥たち:夜鳥生態学入門』p85より)
ハシブトガラスとハシボソガラスとでは、日中の採餌の場所や習性は微妙に異なっているのに、夜の塒は同じ場所を利用することが多い。(混合集団塒:同書p170より) 




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