2015年10月上旬・午前10:14〜10:20
境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#9
前夜は泥巣b上に姿が見当たらなかったので、母蜂♀bの身に何かあったのかと心配でした。
翌日の午前中に様子を見に行くと、無事な姿を見れて一安心。
夜間はどこか別の場所で寝ていたのでしょう。
4日前とは打って変わり、この日ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)♀bは活発に造巣活動に励んでいました。
朝露が残っている午前中に集中して造巣活動するのでしょうか?
境界標に刻印された山形県の「形」の字の第7画目の書き始め部分(右上)の窪みに巣材の泥をせっせと詰めています。
蜂が働いている横で境界標の右側面にザトウムシの一種が居ました。
モエギザトウムシですかね?(当てずっぽうで自信なし)
蜂は気づいていないのか無害だと知って無視しているのか、ザトウムシを追い払わず吸水に出掛けました。
次に帰って来た蜂が泥巣を「形」作る行動レパートリーを1ラウンド全て動画に記録できました。
境界標の根元から採土し、吐き戻した水と混ぜて泥玉を作ると、腹端の背側を鏝のように使って巣材を伸ばして泥巣に追加します。
つづく→#10:山形県に泥を塗るヒメクモバチ♀【10倍速映像】
2015年10月上旬
里山でイシサワオニグモ♀の円網を徹夜で監視している間に、椅子に座ったまま居眠りしてしまったようです。
内心ツキノワグマの出没を恐れていたのですが、現れたのは意外にもニホンカモシカ(Capricornis crispus)でした。
一度目のニアミスは午前4:06。
うたた寝していたら、至近距離からカモシカが鼻息を荒げながら走り去りました。
その前にカモシカが藪の斜面を登り砂利道を踏みしめる蹄の音を夢うつつで聞いたような気がしました。
深夜徘徊していたカモシカが山道で私に気づき、驚いて逃げて行ったのでしょう。
慌てて暗視ビデオカメラで撮り始めるも、赤外線が届かない範囲で姿は見えません。
寝惚けてレンズカバーの開閉をミスったのも私の狼狽っぷりを物語っています。
鳴き声(鼻息威嚇)だけでも録音することにしました。
暗闇でパニックになったカモシカに突進して来られるのは怖いので、追い払うため懐中電灯を点灯したら逃げて行きました。
カモシカが夜行性とは知りませんでした。
用心のために熊撃退スプレーを携帯していたのですが、寝落ちして野生動物が接近する気配に気づかなかったのが一番の不覚です。
この辺りが獣道だとしたら、カメラトラップ(トレイルカメラ)を仕掛けてみたら面白そうです。
二度目の遭遇は午前6:30。
夜が明けた早朝にもカモシカが再登場しましたが、やはり鼻息を聞いただけで姿は見つけられませんでした。
今度はハンディカムを掴んで鼻息を頼りに追跡してみたものの、藪の中に隠れてしまったのか、遭遇できませんでした。
同一個体が縄張りを巡回しているのでしょうか?
ひょっとして鳴き真似上手のカケスに騙されているのではないか?とふと疑問になりました。(本当にカモシカだったのかな?)
2015年10月上旬・午前9:23〜9:28
▼前回の記事
条網を綱渡りする夜のオナガグモ【蜘蛛:暗視映像】
真夜中に見かけたオナガグモ(Ariamnes cylindrogaster)と翌朝に再会しました。
前夜とほぼ同じ位置に居て、枝間に張り渡した水平の条網で綱渡りしていました。
身繕いしているのか糸屑を食べているのか不明です。
やがて条網上で方向転換しました。
それまで持っていた白い糸屑を条網の三叉路合流点に付けたように見えました。
最後は松葉のように体を伸ばして静止しました。
何をしていたのかよく分かりませんが、糸疣に注目すると条網を張る造網行動(または条網の張り替え)なのかもしれない、という気がしてきました。
「クモ生理生態事典 2016」でオナガグモの移動法に関して次のような記述がありました。
糸上を前進する時には第1・2脚で糸をたぐり,第3脚で糸を丸める.この時,右1脚で確保された糸は左2脚へ送られ左3脚で丸められる. 方向転換の時は前方と後方の糸を糸いぼの箇所でつなぎ,転換して,前部で糸を切断してから,新しい糸を糸いぼから出しながら前進する. 上方へ進む時には糸いぼから前へ糸がつながっている点が水平の糸上を進む時と異なる点である〔新海明AT49/50〕.
これを読んで、オナガグモが綱渡り中に糸屑のようなものを持っている理由が判明しました。
不要な糸を丸めるのは良いとして、なぜ食べてタンパク質を再利用しないのでしょう?
欲を言えば、もう少し拡大してスローモーションで接写したかったです。
いつかオナガグモが条網でクモ狩りを行うシーンを観察してみたいものです。
鳴らした音叉で条網に触れるとオナガグモがどんな反応するか、興味があります。(駆け寄ってくるのかな?)
獲物のクモが条網を歩いて来る振動と音叉の振動とは周波数が違う気がします。
今回の個体は手の届かない高所に居たため、指を咥えて眺めているしかありませんでした。