2014年11月中旬
平地の杉林でヤマガラ(Parus varius)がスギの小枝に止まり、幹をつついています。
虫を捕食しているのかと思いきや、小枝の根本に嘴でコツコツと何か固い物を押し込んだ後に樹皮を嘴で毟って穴に詰めていることに気づきました。
厳しい冬に備えておそらく何か食料を貯食した後の隠蔽行動だと思われます。
噂通り、嘴の使い方がとても器用ですね。
ヤマガラが飛び去った後に貯食物を調べてみれば良かったですね。
残念ながら梯子がないと手が届かない高さでした。
インターネット検索してみると、霞ヶ浦流域ノ某住人さんが「ヤマガラの貯食行動」と題したブログ記事を書いておられました。
スギの木に貯食していたドングリをヤマガラが取り出す見事な生態写真が掲載されています。
ピッキオ編『鳥のおもしろ私生活』p175によると、ヤマガラは
シイやエゴノキなどの実を好んで食べ、地面の中にたくわえる習性がある。隠した位置は、場所をおぼえているというよりも、近くにある何らかの目印を記憶しているらしいことが、実験からわかってきている。
『ヤマガラの芸―文化史と行動学の視点から』p18-19によると、
くちばしの先が平たくなっているのは木の隙間に木の実などを押し込むのに便利だろう。(中略)貯食をする場所は、樹皮の下などの樹上や、草や木の根本や斜面、倒木のわきなどの地上で、比率としては四対六くらいで地上が多い。貯食をするときの行動としては、木の実をまずそこへ運び、木の実がはいるほどに穴を開けたり、隙間を大きくした後、木の実を置いてくちばしでコンコンとたたき込む。埋める深さは二センチ以内が多いらしい。そして、その上にふたとなるような物を置いて、やはりコンコンとくちばしでそれをたたき込むか、つつき入れるようにする。
【おまけの動画】
「ヤマガラの芸ーその4 おみくじ芸」by kakodayonさん
貯食習性などヤマガラが本来もっている行動レパートリーを利用して一連の高度な芸を調教することが可能です。(オペラント条件付け)
2014年6月中旬
水辺の堤防に咲いたウツギ(空木)の群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
なんとなくワーカー♀ではなく創設女王のような気がしますが、どうですかね?
後脚の花粉籠は空荷でした。
マクロレンズで接写するには大き過ぎますね。
2014年10月上旬
▼前回の記事
カーブミラーに激突したヤマドリ♂(野鳥)の断末魔
私の目の前で絶命したヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii)の亡骸を持ち帰り、とりあえず重量を量ってみると1,020gでした。
精密な秤ではないので、凡その目安です。
新鮮な死骸が天から突然降ってきた(落鳥)時にどうするか、ナチュラリストとしての総合的な実力が試されますね。
- 生物分解の過程を定点観察する?
- 解剖して胃内容物を調べる?
- 剥製を作る? (細々とした道具を買い揃える必要がある。)
- 骨格標本を作る? (首の骨が折れているのでは?)
- 解体して肉を食べる?(ジビエ料理)
しかし構想が先走っても道具やノウハウが無かったり実力が伴わないのが実情です…。
大型の冷凍庫があれば解剖セットなどを買い揃えるまで待てるのですが、死骸が腐り始める前に決断しなければいけません。
死んだ翌日から死骸をひと気のない秘密の場所に隠し、屍肉食の昆虫(スカベンジャー)によって分解される様子を定点観察することに決めました。
開けた場所に置くと上空からカラスやトビなどに見つかりそうなので、クルミの樹の下を選びました。
ゴム手袋着用で検死の真似事をします。
ヤマドリの脚を掴んで持ち上げて全身を見せます。
次に死骸を地面に置き、翼を広げて見せます。
死後硬直していないようです。
尾羽が長いのは♂の特徴ですが、約40cmもありました(根元をどこから測れば良いか迷いました)。
足には蹴爪がありました。
私の鼻では未だ死臭を感じないのに、林床に死骸を置くと早速ミドリキンバエの仲間が群がり始めました。
ハエの性別が分からないのですが、歩き回りながら羽毛の表面を口吻で舐めています。
死骸を頑丈な檻に入れたり埋めたりしないと、タヌキなどの野生動物に食い荒らされたり丸ごと持ち去られたりしそうです。
理想を言えば赤外線監視カメラを仕掛けてみたいものです。
カメラトラップ(トレイルカメラ)が欲しい…。
死骸を持ち去られるリスクを考え、自分で頭骨の標本を作ることにしました。
「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで…ってウソ(Pyrrhula pyrrhula)ちゃうわ!ヤマドリ(Syrmaticus soemmerringii)や!」
と寒いノリツッコミをしながら現場で首を切り落とし、頭部だけ持ち帰りました。
つづく→頭骨標本作り