2014/02/24

ハルジオンの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♀



2013年6月中旬

山間部の道端に咲いたハルジオンの群落でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が花蜜を吸っていました。
翅をほぼ全開に広げ、緩やかに開閉しつつ吸蜜しています。
花は萎れかけのように(くたびれて)見えますけど、なかなか離れようとしません。
ヒメシジミ♂が飛来すると交尾拒否のような姿勢をとり(ぴくっと翅を動かし、腹端を軽く持ち上げる)、追い払いました。



2014/02/23

イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の体外消化



2013年9月下旬

前回の記事はこちら→「網にかかったノシメトンボ♀を隠れ家に運んで食すイシサワオニグモ♀

イシサワオニグモAraneus ishisawai)♀成体は隠れ家でノシメトンボ♀(Sympetrum infuscatum)を食べ続けています。
口器の動きを側面から接写してみました。
獲物の組織は強力な消化液で溶かされタール状に黒変しています。
鋭い大顎で肉塊を噛みしめると、ジューシーな肉汁が滲み出ています。
それを吸汁するだけで、クモの食事は固形物を飲み込みません。(体外消化

参考記事:「蛙を食すイオウイロハシリグモ♀

【追記】
クモの解剖学的な基本(上顎と下顎の機能の違い)をあやふやのままでしたが、
クモの餌の食べ方は上顎の牙を獲物の体に突き刺して、毒液を注射して弱らせ、下顎で噛んで、口から消化液を注ぎ込んで、肉を溶かす。消化されてジュースのようになった肉を、胃に吸い込むのだそうだよ。(『観察の本6:クモたちの狩り(上)』p7より)


体外消化が進むと獲物は原形を留めず黒変。
つづく→「イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の円網を霧吹きで可視化してみる


スズメ(野鳥)は有毒ヨウシュヤマゴボウの実を採食するか?



2013年11月上旬

民家の庭でヨウシュヤマゴボウの茂みにスズメPasser montanus)が賑やかに鳴きながら群れていました。
手前の茂みが邪魔でよく見えずもどかしいのですが、羽繕いしたり何か実を採食したりしています。
有毒植物であるヨウシュヤマゴボウの黒く熟した実をスズメが啄んでいるのか、それともたまたまヨウシュヤマゴボウの茂みで休んでいるだけなのか、非常に興味があります。
ヨウシュヤマゴボウの群落に巻き付いた別の蔓植物の実を啄んでいるのかもしれません。
明らかに私のことを警戒していますけど、少なくとも熱狂的にヨウシュヤマゴボウの実を採食するほど大好物という訳ではなさそうです。

鳥類では、成鳥が(ヨウシュヤマゴボウの)果実を摂食しても種子を破砕しないかぎり影響は少ないが、雛が摂食すると、死亡率の増加や運動失調などが見られる。(wikipediaより)


撮影当時の私は、ヨウシュヤマゴボウが有毒植物であるという聞きかじった知識が頭にあったために、鳥が集まるのを不思議に思ったのでした。
ところがその後、色々な本を読んで勉強してみると、ヨウシュヤマゴボウの実を野鳥が食べるのは普通であることを知りました。

【追記】
「ヨウシュヤマゴボウの実を食べるキジバト」と題した生態写真が『カラー版自然と科学37:カワセミのすむ川』という本のp22に掲載されていました。




【追記2】
ヨウシュヤマゴボウという周食散布の外来植物が侵入してきている。この植物の果実は鳥に好んで食べられることが知られている。
(直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまき​に注目して』p136より引用)
ハシブトガラスがベランダに落としたフンやペリットに含まれる種子を調べた研究の結果、ヨウシュヤマゴボウの種子を散布していることが分かった。(同書p113棒グラフより)

果実をよく食べる鳥では、腸が短いこと、(解毒のために)肝臓が大きいことが知られている。
(同書p41より引用)

【追記3】
ピッキオ編『花のおもしろフィールド図鑑:夏』によると、
(ヨウシュヤマゴボウの)実は熟すと真っ黒になりますが、その時、実の柄は真っ赤に変化します。これは、赤と黒の目立つコントラストで鳥を多く呼び寄せるためといわれています。実験で真っ黒な実を緑色のくしに刺してみたら、赤いくしの時と比べて鳥に食べられなかったのだそうです。(p117より引用)


【追記4】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によれば、
10月中旬ごろになると(中略)この時期のヒヨドリの餌は、ヨウシュヤマゴボウの実やカキの実などです。 (p73より引用)



【追記5】
紙谷智彦『果実の二色ディスプレイ戦略:植物はどのように鳥を誘引しているか』という総説によると、
ヨウシュヤマゴボウは、多年生の大型草本で日本にも外来種として定着している。果実は黒の単一色で、果柄から茎までは深紅にそまることから、典型的な形態的二色表示型の植物である。(中略)操作実験の結果からは、形態的二色表示による明瞭な果実持ち去りの効果が示された。 (『種子散布 助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子』p56より引用)

ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)ー秋に赤→黒に熟す。アルカロイド、サポニン等を含み、人が中毒する事故がある。(野間直彦「毒を持つ液果の話」同書p86より引用) 

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