2014/01/14

猿の死骸から離脱するウジ虫の群れ



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#11

ニホンザルの死骸Rの臀部付近や腕の下にウジ虫(ハエの幼虫)が特に密集しています。
2日前の観察と比べ特筆すべき変化は、屍肉を食べて充分に育った者から順に死骸を離脱しつつあることです。
これから地中で蛹化するために、檻の隅の地面に群れて蠢いている集団がいます。



後で思うと老熟した蛆虫を数匹サンプリングして成虫になるまで飼育し、ハエの種類を調べられればよかったですね。
当時は凄まじい光景と腐臭に圧倒されてさすがに少し気分が悪く、法医昆虫学者の真似事をしてそこまでやる根性がありませんでした…。

つづく→シリーズ#12



【追記】
岡田匡(岩波科学ライブラリー)『糖尿病とウジ虫治療――マゴットセラピーとは何か 』を読むと、マゴットセラピーにも使われるヒロズキンバエの生活史について詳しく解説してありました。

3齢幼虫の後期あれほど執着していた食事は憑き物が落ちたようにぴたりと止める。土壌の乾燥した場所を求めて移動する前蛹期に入る。この時期がウジの生育段階でもっとも長い。この間に食べたものをすっかり消化して腸は空になり、蛹になる準備をする。 (p70より引用)
私が撮った動画に登場する蛆虫がクロバエ科のヒロズキンバエの幼虫とは限りませんが、可能性はあるので、参考のために引用しておきます。



飛べ!ベニコメツキ?【ハイスピード動画】



2013年5月下旬

里山の草地でヨモギの葉にベニコメツキ(Denticollis nipponicus)っぽい赤い甲虫が止まっていました。
上翅を半開きにして今にも飛び立ちそうなので、離陸の瞬間を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
黒い触角が櫛歯状に発達しています。
後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ ベニコメツキではなくて、そっくり擬態したカクムネベニボタル(Lyponia quadricollis)ですかね?
同定用の写真は慌てて撮ったスナップ2枚しかなくて、しかもいまいちの出来…。



2014/01/13

ウジ虫を捕食するベッコウヒラタシデムシ



2013年9月下旬

ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#10

ニホンザルの死骸Lの上をベッコウヒラタシデムシ(Necrophila brunnicollis)が歩き回っていました。
今回の個体は赤い胸部中央に黒紋があり、ベッコウヒラタシデムシで大丈夫だと思います。
ちなみに前回見たのは胸部全体が赤い個体変異?でした。

毛皮の中に潜り込んでしばらくすると、白い老熟ウジ虫を大顎に咥えて出てきました。
獲物を食べながら今度は死骸の臀部の奥に潜り込みました。
暗くてよく見えません…。

生物分解というよりも、死骸からの食物連鎖(輪廻転生)の話になってきました。

猿の死骸が放置された檻の底面も金網で覆われているのは、罠にかかった猿がトンネルを掘って逃げないためだと思われます。
今回の状況下では、シデムシ類(埋葬虫)本来の活動が大いに阻害されている可能性があります。
小動物の死骸を見つけたシデムシ類は丸ごと地中に埋めてから屍肉を食べることが知られています。
これでは、たとえシデムシが死体を地中に埋葬したくても無理でしょう。
例えば定点観察の期間中、ヨツボシモンシデムシの姿を一度だけちらっと見たのですけど、その後は来なくなったのか動画には撮れませんでした。


ところでニホンザルの尻だこは今のところ生物分解されずに残っているのですけど、まさか軟骨でできているのでしょうか?
タコというからには単に皮膚が厚くなったもので、爪や毛と同じくケラチンが主成分なのかな? (でも尻だこは生まれつきある組織ですよね?)
ちなみに、尻ダコがあるのはオナガザル科に共通の特徴らしい。(岩合光昭『スノーモンキー』p150より)



つづく→シリーズ#11



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