2011/10/31

キザハシオニグモ♂亜成体がショウブアブラムシを捕食



2011年10月中旬

平地でミニビオトープのような水盤に生えたショウブ?の葉にキザハシオニグモ♂が網を張らずに静止していて、何やら食事中でした。
この日は風が強く、激しく揺れて観察しにくいので、葉ごと静かに切り取って地面に置いてからじっくり接写しました。

同じ葉には黒いアブラムシのコロニーが点在しています(体長は不揃い)。
クモの獲物はこのアブラムシを何匹かまとめて団子状に丸めたもののようです。
近くに円網は見当たらなかったので、動きの乏しい獲物を一体どのように狩ったのか気になります。
獲物の団子には白い繊維が絡まっています。
アブラムシの分泌した白いワックス成分なのだろうか。
しかし、アブラムシの無事なコロニーでは特にワックスの分泌は見られません。
あるいはキザハシオニグモ♂が円網を張らずに(徘徊性クモのように)捕帯で直接アブラムシのコロニーを一網打尽にラッピングしたのかもしれません※。
狩りの瞬間を観察したかった…。


クモ生理生態事典』によると、キザハシオニグモが「ツバキの葉上を徘徊してⅠⅡ脚で抱え込み,捕帯で包みゾウムシを捕食しようとした」との報告があるようです。

円網で捕らえた獲物を隠れ家で食べていたというシナリオをクモ蟲画像掲示板で示唆してもらいました。網が見当たらなかったのは、強い風で枠糸ごと切れてしまった可能性もあります。しかし有翅のアブラムシならともかく、無翅型が一度に何匹もクモの円網にかかるというのは想像しにくいと思います。(自らクモの糸を伝ってぞろぞろ移動した挙句に粘着糸に絡み取られた?!)クモがもし特殊な甘い糸でアブラムシを誘引して一網打尽にしていたら大発見です。キザハシオニグモ♂が徘徊モードだったとしても、動きに乏しいアブラムシを獲物と認識したこと自体が不思議に思いました。


クモは触肢と牙を小刻みに動かして団子から吸汁しています。
一気食いで牙の先が血のように赤く染まっています。
餌食となったアブラムシの何匹かは未だ生きて動いていました。
側面から接写すると♂クモ特有な触肢の膨らみがよく分かります。

左下:キザハシオニグモ(階鬼蜘蛛)が居た全景に「階」段が写っているのは出来過ぎですね♪

動画撮影後にクモを一時捕獲しました(体長6.5mm)。
繁殖期が近くなると♂は造網を止めて♀を探す旅に出るはずですが、季節と体長6.5mmから推察するに未だ亜成体♂のようです。
(♂成体の体長は約8㎜。)
本種は通常、亜成体で越冬すると「クモ蟲画像掲示板」にて教えて頂きました。
キザハシオニグモは日本産のオニグモ類で唯一、水平円網を張る珍しいクモなのだそうです。




一方、アブラムシの素性を調べるには先ずこのホスト植物を知らなければなりません。
確かショウブだったと思うものの、記憶が曖昧なので来年に花が咲いたら確認します。
ショウブを寄主とするアブラムシを調べると、そのものずばりショウブアブラムシという黒い種類が見つかりました。
素人目にはよく似ています。






2011/10/30

オオヒラタシデムシが階段で右往左往



2011年10月中旬

堤防でコンクリートの階段を徘徊しているオオヒラタシデムシNecrophila japonicaを発見。

動物の死骸をあさる幼虫はすっかりお馴染みですが、成虫は初見かも。
関連記事→「ミミズの死骸を食べるオオヒラタシデムシ幼虫」、「アオダイショウの死肉を食すオオヒラタシデムシ幼虫」。

垂直のコンクリートを登る途中で滑落しました。
翅を広げて飛ぼうとしたような気がします。
【追記】本種の後翅は退化して飛べないらしい。(『雑木林で虫さがし』p25より)

動画を撮った後で一時捕獲。
体をつまみあげると口と腹の先から茶色の臭い液を出すそうですけど、未確認。

図鑑『札幌の昆虫』p105に記載されている通り、胸部背面正中部に点刻された浅い縦溝があります。






2011/10/29

ジョロウグモ♀の網にちょっかいをかけるキイロスズメバチ♀



2011年10月上旬

草むらに張られたジョロウグモ♀(Nephila clavataの網にキイロスズメバチ♀(Vespa simillima xanthoptera)が飛来しました。
ホバリングしながら何度かクモに軽くちょっかいを出したように見えました(攻撃?)。
あるいは網に残った獲物やラッピングされた食べ残しを盗もうとしているのかもしれません(労働寄生、盗み寄生)※1。
網を挟んで反対側に占座したジョロウグモ♀は逃げずに平然としています。
対決に自信があるのか、それともクモを専門に狩るベッコウバチ(クモバチ)の仲間とは違うと羽音で聞き分けて危険性は無いとたかをくくっているのだろうか※2。


スズメバチのこうした行動は私も何度かフィールドで見ているものの、映像に撮れたのは初めてです♪
(慌てて撮ったのでピントが甘いです。)


※1【参考動画】
「キイロスズメバチ、ジョロウグモの巣から餌を盗む」
by daylightrambler1974 さん



このときジョロウグモの様子はどうだったのか質問したところ、「 クモは不動のまま見ているだけで何もしませんでした」との回答でした。




※2 一方、オオシロカネグモ♀が飛来したアブの羽音に驚いて水平円網から緊急落下したのを見ています。
関連記事→「オオシロカネグモ♀の避難訓練


【追記】
『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p122(第16章 クモの餌を横どりする虫たち)によると、
トンボ・ハチドリ・ハチなどの空中停止(ホバリング)能力は、クモの網から略奪を行うための「前適応」といってもよいでしょう。


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