2010年10月下旬
里山でベッコウバエ(Neuroctena formosa)が草の葉に止まって休んでいました。
前足を擦り合わせ身繕いしています。
何度か飛んで移動しました。
招き猫のように左右の前脚で交互にゆっくり宙を掻くような仕草が気になります。
▼関連記事(11年後の撮影)
2010年6月中旬
個体識別をするため、一時捕獲したコガタスズメバチ(Vespa analis insuralis)創設女王に炭酸ガス麻酔下で白の油性ペンで体に目印を塗りました。
ようやく麻酔の影響から回復すると巣内には戻らず、外被上を歩き回り始めました。
飛ぶ元気は未だないものの、そのまま上の足場や板壁を伝って天井へ達しました。
どうやら隙間から外に出たようで、これが女王を見た最後の姿になりました。
今回のマーキング作業は単独営巣期の神経質な女王にとってよほど強烈なトラウマだったようで、巣を見捨てて逃去したまま二度と戻って来ませんでした。
念のため様子を見にその後何度か通ってみたものの、廃巣になってしまいました。
幼虫への給餌が本格化すれば巣への愛着も一層増したはずなので(それまでの投資を易々と無駄にできない)、それから捕獲・標識しても遅くなかったはずです。
完全に私の勇み足による失敗でした※。
個体識別できるかな?と欲を出したせいで、継続観察できる千載一遇の機会を台無しにしてしまいました。
後日採集した廃巣を調べると、巣盤は一層で育房数18室。
萎びた卵と若齢幼虫のみで一匹も繭になっていませんでした。
孤児となった蜂の子に人工給餌してワーカーが羽化するまで責任持って育てたかったのですけど、とても余力がありませんでした。
※ 並行して定点観察しているキアシナガバチの創設女王は単独営巣期に同様の手順で一時捕獲およびマーキングしても巣を見捨てず営巣を続行しました。
これに味を占めてコガタスズメバチも大丈夫だろうと楽観してしまったのです。
残念な結果に終わりましたが、その代わりに別の初期巣を野外で見つけました。
観察対象を変えて本シリーズは続きます。
(つづく)
2010年6月中旬
コガタスズメバチ(Vespa analis insuralis)創設女王に個体識別のマーキングを施すことにしました。
近々羽化してくるワーカーと明確に区別するためです。
単独営巣期の女王蜂は一般に神経質ですが、徳利状の外被が完成したので一時捕獲しても巣を捨てて逃げるおそれは少ないだろうと判断しました。
在巣の女王を安全にかつ巣を壊さないようにどう捕獲するか悩みました。
試行錯誤の末、捕虫網を下から被せて出巣を待つことに。
女王が網に取り付いてくれてあっさり御用。
麻酔容器に移し、暴れる女王様を炭酸ガス※で眠らせました。
背中に二ヶ所(胸部と腹部)白い油性ペンで印を付けました。
ついでに採寸するのを忘れてしまった。
麻酔から覚めかけたところで巣の外被に掴まらせました。
長時間ふらついていたので少し心配です。
女王は念入りに身繕いを繰り返しました。
足先が胸背中央にも届くようですが、幸いマーキングは掻き落とせないようです。
やはりマーキングした背中に違和感があるのかな?
麻酔から完全に回復するまで見守りました。
※ CO2ボンベはペットショップの熱帯魚コーナーで水草育成用のスプレー缶を販売しています。
捕獲した蜂を低温で冷やすことで眠らせることも可能ですが、CO2の方が簡単で即効性があるのでフィールドワークで虫の動きを一時的に止めたい場合、昨年から私はこちらを愛用しています。
エーテルは入手が面倒で取扱いも難しいそうです。
(つづく)