2010/12/19
オオシロカネグモの狩猟生活も楽じゃない
(つづき)
オオシロカネグモ♀(Leucauge magnifica)の水平円網に獲物がかかる瞬間を撮ろうとしばらく粘りました。
網の中央部に占座したクモは時折歩脚で網を引き締め、油断無く待ち構えています。
一度、何か虫が網に触れたようで電光石火の如く駆けつけますが、どうやら逃げられたようです。
戻る際に命綱が重要な役割を果たします。
茂みの奥で何か生き物(カエル?バッタ?)が暴れているせいで、網が大きく揺れることが何度かありました。
しかしクモは隠れ家に避難することもなく平然と静止したまま。
結局、狩りの瞬間を観察することはできませんでした。
時間帯が未だ早過ぎたのかもしれません。
(パート4に続く)
水平円網に占座するオオシロカネグモ
(承前)
水平円網が完成すると、オオシロカネグモ(Leucauge magnifica)♀成体(体長9.5mm)は網中央にある甑の下面に占座しました。
甑は水面からの高さ110cmにあり、水平円網の直径は約40cm。
枠網の足場は岸に生えたススキの葉に二点、モミジの葉に一点固定されています。
アシナガグモ科の網の特徴で、甑は円形に食い破られています。
網の振動を感知できるよう歩脚で糸を引き締めると、クモは触肢、歩脚の先を順に口で舐めて身繕いしています。
なかなかフォトジェニックな被写体なので、一匹のクモを相手に望遠や接写で色々と撮ってみました。
上を向けている腹部を接写すると外雌器を認めました。
第4脚の根元に生え揃った細かい毛が風になびいています。
特殊な感覚毛なのだろうか。
糸疣から引き糸(命綱)が伸びています。
次に網の下に潜り込んでクモの背面を接写してみます。
緑色の歩脚、黄緑色の頭胸部、腹部の銀縞が美しい。
なんとか眼域もアップで撮れました。
(パート3につづく)
≪追記≫
コシロカネグモやチュウガタシロカネグモと迷ったのですが、いつもお世話になっている「闇クモ画像掲示板」にて問い合わせたところ、腹部腹面の緑帯の幅が細い(黒褐色条の約1/3の太さ)ことからオオシロカネグモだとご教示頂きました。
網に横糸を張るオオシロカネグモ♀:4倍速映像
2010年7月下旬
山中の渓流をジャブジャブと遡行していたら、作りかけのクモの網を発見。
縦糸および足場糸は既に張られた状態です。
作り主のオオシロカネグモ♀(Leucauge magnifica)は警戒して網の外の隠れ家に避難していましたが、辛抱強く待つと網に戻り作業を再開してくれました。
一脚を立てて撮り続けた11分強の動画を4倍速再生にてお届けします。
粘着性のある横糸を螺旋状に張っていく回転運動の半径が少しずつ小さくなります。
作業中に何度か回転方向を変えました。
しかし完成間近で無念のメモリーカード容量切れ。
肝心の、甑(こしき)部分の仕上げを撮り損ねました。
アシナガグモ科の網の特徴として、縦糸が放射状に集まる網中央の甑は円形に食い破られるのです。
落ち着いて辺りを見回すと、同種と思われるクモが数匹近くで造網中でした。
作業の進捗状況はまちまちで、この個体がいち早く店開きしていたようです。
(パート2に続く)
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