2010/12/16

オオフタオビドロバチが青虫を搬入




2010年8月上旬

(つづき)

竹筒内の空室に卵を産むと、オオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)は再び狩りに出かけました。
麻酔した青虫(種名不詳)を一匹ずつ空中運搬し、貯食していきます。
一つの育房に数匹の獲物を搬入します。
後ろ向きに出てくると口に咥えたゴミ(竹の髄)を空中で撒き散らしながら飛び去りました。
午後になると竹筒に西日が直接当たるようになりました。
遠くで鳴っていた雷が近づいてきたので、観察を打ち切りました。気温34℃


後日、営巣の完了した竹筒を回収しました。
竹を割って中の様子を調べ蜂の子を飼育開始(つづきの記事はこちら)。
文献によると本種は二化性とされているので今年中に成虫が羽化するはずですが、どうでしょう。


 ≪参考≫
 『ドロバチのアオムシがり』 岩田久二雄 文研出版 
(オオフタオビドロバチの生活についての児童書ですが格好の入門書です)

ハチのかんさつ―竹づつにあつまるハチたち』p8によると、
泥壁で入り口を塞ぐと、オオフタオビドロバチは、かみくだいた木の繊維で壁の表面を塗ります。この加工で、雨水にも溶けないじょうぶな壁ができあがります。


オオフタオビドロバチ♀の産卵




(承前)
竹筒に巣材の泥玉を運んでいたオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)が珍しく空荷で帰巣しました。
軽く巣を点検すると後ろ向きに出てきて入り口で向きを変え、腹端から中に入り直しました。
この女竹は細く中で蜂は方向転換が出来ないので、これはまさに産卵行動でしょう。
新しい隔壁および育房が完成すると貯食に先立って産卵するようです※。
4分後に頭から外に出て来ました。
今回は口にゴミ(竹の髄)を咥えていません。
パート4に続く)


※ ドロバチ科の営巣行動は通常、造巣→産卵→狩猟の順で行われる。すなわち空室産卵を行う。

『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄 眞野書店 p216より

オオフタオビドロバチ♀が巣材の泥玉を搬入




(承前)
竹筒トラップに営巣するオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)を定点観察するため翌日再訪。
ちょうど蜂が青虫を搬入するところでした。
麻酔した獲物を脚で体軸方向に抱えたまま飛んで来てそのまま頭から竹筒内に貯食するとまたすぐに外出しました。
前日に貯食していた竹筒は使い切ったようで既に泥で閉鎖され、その一つ上にある竹筒で新たに営巣しています。


竹筒を横から望遠で監視したまま待っていると、次からは泥玉を咥えて帰巣するようになりました。
泥の巣材で育房間の隔壁を作っているのでしょう。
狩り・貯食モードよりも帰巣頻度が短くなりました。
中でしばらく作業すると、後ろ向きに出て来た蜂は口にゴミを咥え、辺りに撒き散らしながら飛び去りました。
スポンジ状をした竹の髄を掃除して空間を広げているのでしょう。
竹筒の奥から順に育房を作っていきます。
昼休みなのか長時間巣から出てこないこともありました。 


ここで一回ちょっとした実験をしてみました。
蜂が留守の間に竹筒に枯草の茎を軽く刺し込んでみます。
帰巣を少し妨害することで時間を稼ぎ、蜂が口に咥えたものをよく確認できるという撮影テクニックを教えてもらったのです。
巣材集めから帰った蜂は見慣れない障害物に少し戸惑ったようですが、そのまま強引に頭から竹筒内に入り、中から枯草を蹴落として取り除きました。
私の予想としては、障害物を大顎で取り除きたくても口には泥玉を咥えているので荷物をいったんどこかに下ろしてから除去し、改めて搬入すると思っていたのですが、外れました。

この日は気温35℃で無風。
からっと晴れて蒸し暑さはなく、日傘をさせば長時間の連続観察も快適でした。
パート3に続く)


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