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2023/07/09

刈田の上空でホバリングして獲物を狩るチョウゲンボウ♀♂(野鳥)

 

2022年11月下旬・午後12:55頃・晴れ 

稲刈りの終わった刈田の上空でチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)がホバリング(停空飛翔)していました。 
野ネズミやモグラなどの小動物などをドローンのように上空から探しているのです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、頭部が灰色っぽいのでおそらく♂のようです。 
秋晴れの空中の一点でヒラヒラと羽ばたきながら見事に停飛しています。 
旋回したりスゥーッと高度を少し下げたりしてから再びホバリング。 
滑空しながらよそ見をした(顔は横を向いた)のに、そちらには旋回しませんでした。 
チョウゲンボウ♂が滑空して刈田に舞い降りたのですが、手前に生えた枯れ草が邪魔で、狩りの成否は不明です。 

地表からチョウゲンボウが飛び立つ瞬間を撮り損ねてしまいました。 
飛翔シーンをスロー再生しても、獲物を足で掴んで運んでいるかどうか、遠くてはっきり見えません。 (空荷なら両足を後方に揃えて流線型になるはず?) 
そのまま流し撮りすると、刈田の端に建つ民家の屋根の角に止まりました。 
続けてもう1羽(つがいのパートナー♀)が追いかけるように飛んで来て、通り過ぎました。 
狩った獲物を屋根の上で啄むかどうか、見届けるべきでしたね。
少なくとも、パートナーに獲物を分け与える(求愛給餌)ことはしませんでした。


飛び去ったチョウゲンボウを追いかけて住宅地に向かうと、電柱の天辺に♂が止まっていました。 
私がカメラを向けると、急旋回しながら飛び去りました。 
ズームアウトして行方を追うと、少し離れた民家の屋根に止まり直しました。 
パートナー♀と合流して同じ屋根の対角に止まると、眼下に広がる刈田を見張って獲物を探します。 
ときどき頷いているのは、気になる対象物を凝視しているからです。 

この間、チョウゲンボウ♀♂の鳴き声は一度も聞き取れませんでした。 


※ 動画の順番を入れ替えて、分かりやすいストーリーに再構成しました。







2023/06/23

スズメ(野鳥)に狙われたイモムシ(蛾)の正体は?

2022年6月下旬・午後12:30頃 

河川敷の遊歩道で私が近寄っても逃げないスズメPasser montanus)がいました。
どうやら、近くの路上に居たイモムシを捕食しようとしているようです。 (映像は割愛)
捕食シーンを動画で撮れるかもしれないと期待して、一旦少し離れて見守ることにしました。 
しかし、警戒したスズメは結局イモムシを捕食しないで飛び去りました。 

側面
腹面
頭部正面(顔)
採寸

難を逃れたイモムシを調べてみましょう。 
尾角があるのでスズメガの仲間だろうと思うのですが、こんな地味な色の幼虫は見たことがなく、名前が分かりませんでした。 
土で汚れてこんな色になってしまったのですかね? 
炎天下の舗装路で熱せられた上にスズメに狙われ、ぐったりと衰弱していたので、成虫まで飼育するのは無理だと判断しました。 

いつもお世話になっている「不明幼虫の問い合わせのための画像掲示板」にて問い合わせてみたところ、常連のYAMKENから以下の回答を頂きました。
スズメガ科ウチスズメ亜科のいずれかと思われます。 この子は前蛹状態にいるようで本来の色模様は変わってしまっているので確定はできませんが前蛹状態でも頭と尾角の形状的な特長は残っており食餌植物が河川敷に多いことから トビイロスズメ が一番候補と思われますが・・・・。
なるほど、前蛹になると変色(退色)するのですね。 
スズメガ類の飼育経験が浅い私には、思いもよりませんでした。 
第一候補のトビイロスズメClanis bilineata tsingtauica)と言えば、確かにこの川の流域で過去に終齢幼虫を見つけています。(成虫は未見。) 

関連記事(3年前の撮影)▶ トビイロスズメ(蛾)の幼虫を見つけた!
 

2023/06/18

秋の溜め糞場で虫を捕食しながら排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月中旬・午後20:58 

里山のスギ林道にある溜め糞場sで、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右を向いて(南向き)脱糞していました。 
驚いたことに、この個体は排便しながら落ち葉に鼻面を突っ込んでムシャムシャと何かを食べました。 
まさか食糞性ではないと思うので、溜め糞場に来ていた虫を捕食したのではないかと推測します。 


キノコを食べた可能性もありますかね? 
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶  
スギ林道に生えたスギエダタケ(キノコ)を採集してみる 
スギ林道の溜め糞場に生えたキノコはイバリシメジ?エセオリミキ?

いずれにしても、ホンドタヌキは食物連鎖で自分たちの糞を間接的に食べていることになります。
高速で起動する新機種のトレイルカメラで撮っていたらタヌキの採食メニューを突き止められたかもしれず、残念でした。
溜め糞場にて入出力を済ませたタヌキは、右に走り去りました。 


2023/06/09

日の出前に河畔林の林床で餌を探すホオジロ【トレイルカメラ:野鳥】

 



2022年11月上旬・午前5:54・(日の出時刻は午前6:01) 

河畔林にあるタヌキの溜め糞場rvをトレイルカメラで監視していると、夜明け直前に早起きのホオジロEmberiza cioide)が登場しました。 
林床に転がっている落枝をピョンピョンと伝い歩きしたものの、地面には降りませんでした。 
溜め糞場に獲物となる虫が集まってきているかどうか調べに来たのでしょう。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

2023/06/07

野ネズミはタヌキの溜め糞に来て何を食べているのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年11月上旬 

河畔林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場rvに夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が訪れるシーンをまとめてみました。 
画面の左が北で、林床の東と西にある黒々とした2カ所が溜め糞です。 
画面から外の東に3mほど行くと川が南から北へ流れています。 

実は野ネズミは夜の活動時間のほとんどを、溜め糞以外の場所で探索しています。
関連記事(同時期の撮影)▶ 秋の河畔林で夜な夜な餌を探し歩く野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
シーン1:11/5・午前3:14・(@0:00〜) 
冒頭から、画面下部(西)の溜め糞に野ネズミが珍しく長居していました。 
タヌキの糞塊に含まれる未消化の種子を採食しているのでしょうか? 
その後は、ニセアカシアの根際の隙間などを徘徊したり木に登り降りしたりして餌を探し歩きます。 
木登りが得意なのはヒメネズミApodemus argenteus)なのですが、この程度の軽い木登りならアカネズミApodemus speciosus)にも出来そうな気がします。 
映像から種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 


シーン2:11/6・午後23:22・(@0:37〜) 
左のニセアカシア根際に登場した野ネズミが溜め糞(東)に訪れたものの、匂いを嗅いだだけで離れました。 
野ネズミに不潔とかいう衛生観念は乏しいのかもしれませんが、素人目にはやはりタヌキの糞便臭を忌避しているように見えます。 
新鮮な糞が追加されたかどうか、チェックしただけなのかもしれません。

他の場所で落ち葉をかき分けながら探餌行動を続けます。 


シーン3:11/9・午後17:52・(@1:20〜) 
左上のニセアカシア根際に登場。 
溜め糞(東)にちょっと立ち寄ってから、今度は溜め糞(西)の端で長居しています。 
未消化の種子を採食しているのか、それとも溜め糞場にあつまる虫を捕食しているのかもしれません。 
ちょうど林床に転がっている落枝が地面から少し浮いている空間に野ネズミは隠れていて、上空のフクロウから見つかりにくいよう警戒しているようです。 


シーン4:11/9・午後17:58・(@2:19〜) 
5分後にも野ネズミが画面中央の林床に登場しました。 
溜め糞(西)で長居しています。 
タヌキの糞に含まれる未消化の種子を採食? 


シーン5:11/9・午後18:55・(@3:05〜) 
約1時間後に画面の下端に野ネズミが再登場。 
溜め糞(西)が気になるのか、辺縁部を横切って調べています。 


シーン6:11/9・午後23:55・(@3:54〜) 
5時間後に画面中央の林床に登場。 
溜め糞(西)で長居。


野ネズミはタヌキの溜め糞に来て何を食べているのでしょうか?
野ネズミの種類もろくに見分けられないのに個体識別なんて私には無理ですが、同一個体が通っていると仮定しましょう。 
探餌徘徊の合間に適当な時間間隔を空けてタヌキの溜め糞に戻って来るということは、必ずしも未消化の種子が目当てではないのかもしれません。 
タヌキの糞には未消化の種子が多数含まれていますから、野ネズミの目的が種子ならば、一度見つけたら食べ尽くすまでひたすら居座るなり、持ち去って貯食するなりするはずです。 
個人的には、「溜め糞場に集まる虫を捕食している説」に傾きつつあります。 
野ネズミを警戒して逃げてしまった(隠れた)虫がしばらくすると糞塊に戻って来て、それをまた野ネズミが捕食しに戻ってくるという、「イタチごっこ」になっていると想像すればしっくりきます。 
暗視映像に虫は写っていませんが、ハエ成虫のような敏捷な虫ではなく、もっと動きの鈍い幼虫とかダンゴムシなどを想定しています。 

林床を上から見下ろすアングルだと、どうしても野ネズミが溜め糞で採食している手元や口元がよく見えません。 
カメラの設置位置をもっと下げて溜め糞に近づけたり、ローアングルで設置すれば決定的な証拠映像が撮れるかもしれません。
しかし、そうすると今度はタヌキがカメラを露骨に警戒して溜め糞場に近寄らなくなり、糞の供給が絶たれてしまうため、元も子もありません。 
どうすりゃいいの?!



晩秋のタヌキ溜め糞場で落ち葉をめくって虫を探すトラツグミの群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年11月上旬・午前9:31〜10:43 

山林の斜面をトラバースする小径に残されたタヌキの溜め糞場dを自動撮影カメラで見張っていると、トラツグミZoothera aurea)が繰り返しやって来ました。 
迷彩効果の高い地味な斑紋を身にまとっているため、じっとしていると見つけるのが困難です。 
画面の中央に黒々と見える塊がホンドタヌキの溜め糞です。 

落ち葉に覆われた小径にトラツグミが降り立ち、溜め糞に近づいてチェックするも、素通りします。 
気温の低い晩秋になると、溜め糞の上にはもう虫が居ないようです。 
地面に降り積もった落ち葉を嘴で払い除けて、隠れている虫を捕食し始めました。 


複数のトラツグミが繰り返しやって来るということは、やはり溜め糞場の周囲には隠れている虫の量が多いのでしょう。 
たとえば、糞塊を食べて育ったウジ虫(ハエの幼虫)は溜め糞場を離れて分散してから地中に潜り、蛹になります(蛹化)。 
その間にも雑木林の落葉性広葉樹から落ち葉がハラハラと舞い散ります。

同時に複数個体のトラツグミが登場することもありました。(@3:31〜) 
林道の右と左で2羽のトラツグミがそれぞれ落ち葉めくりに勤しんでいます。 
そこへもう1羽がバサバサと羽音を立てて飛来しました。(@3:58〜) 
ところが、初めから左端に居た個体が他の2羽を次々に追い払ってしまいました。 
てっきり家族群なのかと思いきや、餌場の占有行動があるのかな? 
音量を上げても闘争時に鳴き声を聞き取れませんでした。 
追い払われた個体も、すぐにまたピョンピョン跳んで戻って来ました。 
つつきの順位で上位の強い個体が餌場を独占するというよりも、集団採食時に個体間で適切な距離を取らないといけないのかもしれません。(ソーシャル・ディスタンス!) 

※ 旧機種のトレイルカメラで昼間に撮影すると画面全体がピンク色に点滅して見苦しいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
ほぼモノクロの映像になってしまいますが、仕方がありません。 

2023/05/27

カラマツの木の下で逃げる虫を捕食するシジュウカラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2022年10月下旬・午前10:40頃 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮った現場の様子です。 
泥汚れの付いたカラマツの樹の下に山盛りのドングリ(ミズナラの堅果)を給餌してあります。 

その餌場を自動センサーカメラで監視していると、午前中にシジュウカラ♀(Parus minor minor)が来ていました。 
給餌場に残っていたドングリには興味を示さず、カラマツの幹の根元付近に止まっていました。 
前回は樹皮を剥がして持ち去ったのですが、今回は微小の虫を狩ろうとしている様子です。 
地面に落ちて林床を逃げ回る虫を追いかけて、見事シジュウカラ♀は捕食に成功しました。 
最後は獲物を咥えて飛び去りました。 
捕食シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

シギゾウムシの老熟幼虫がドングリの堅果から脱出していたのかもしれませんが、それならすぐ地中に潜って蛹化するはずです。 
シギゾウムシの幼虫は足が退化しているので、木に登るはずはありません。 
スローモーションで見直すと、幹に止まっていたシジュウカラ♀が給餌場付近の地面に居た虫を見つけて飛び降りたようにも見えます。
それなら獲物の正体がシギゾウムシ幼虫でもおかしくありません。

※ 画面全体がピンク色に点滅して見苦しいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。

2023/05/05

夜の林床で虫に跳びついて捕食するカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月中旬・午後20:50頃 

山林のカラマツの木の下にドングリを給餌して、何が来るか自動撮影カメラで見張っています。 
画面下の赤丸で示した場所に注目して下さい。 
雑木林の斜面に生えた幼木の葉の背後から黒っぽい小さなカエルがゆっくりと這い出て来ました。 
目だけが白く光って見えます。 
斜面をノソノソと登っていたカエルが急にジャンプしました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:40〜)、どうやら林床で活動する黒い小さな虫に向かって一気に跳びついたようです。 
カエルは暗い夜でも目が見えることになります。
てっきり網膜にタペータムがあるのかと思って調べたら、どうもカエルには無いらしいので不思議です。

カエルは、本来「明所での視覚」に関わる光センサー(光受容タンパク質)の性質を、わずか1アミノ酸の置換によって「暗がりでの視覚」に適した性質に変化させている。

動画のカエルの種類は何でしょう?
なんとなくアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の若い個体ではないかな?と思うものの、定かではありません。
カエルは変温動物ですから、トレイルカメラの前で動き回っても本来ならカメラのセンサーに動体検知されません。
今回は恒温動物の野ネズミが横切ったおかげでカメラが起動し、たまたまカエルの捕食行動を記録してくれました。



2023/04/26

カラマツの樹皮を剥がして持ち去るシジュウカラの謎【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年10月下旬・午前10:20頃 

雑木林の林床で午前中にシジュウカラParus minor minor)がカラマツの根元を覗き込んでいました。 
このアングルではシジュウカラの性別を見分けられません。 
私が給餌したドングリは野ネズミが全て持ち去った後で、食べ残ししかありません。 
そんなドングリ餌場にシジュウカラは興味を示しませんでした。 
ドングリ(ミズナラ堅果)を中から食い荒らして育ったシギゾウムシの幼虫が蛹化するためドングリの外に脱出していたかもしれませんが、それも地中に潜り込みますし、おそらく野ネズミが見つけ次第捕食してしまったはずです。 

泥汚れの付いたカラマツの幹をシジュウカラがついばんでいるのは、微小のアブラムシなどを捕食しているのでしょうか? 
根元で強く湾曲したカラマツの幹から樹皮?の欠片を毟り取って左に飛び去りました。 
巣材集めにしては季節外れです。 
寒くなって越冬の準備で巣内に断熱材が必要なのかな? 
しかしスギの樹皮とは異なり、カラマツの樹皮はフワフワの繊維質ではないので、鳥の巣材に向いてるとは思えません。 
クモ♀(蜘蛛)が樹皮に産み付けた卵嚢を捕食した可能性もありそうです。  (追記参照)

※ 古い機種のトレイルカメラで明るい昼間に動画を撮ると、画面全体がピンク色に染まって点滅します。 
見苦しいので動画編集時に自動色調補正を施しました。

冒頭のシーンは明るい日中に撮った現場の状況です。
餌場に置いたドングリが見えます。
設置直後だけは昼間でもフルカラー(総天然色)で正常に写るのが不思議で腹立たしいです。 



【追記】
約2週間後に現場検証してみると、カラマツの根元付近の樹皮に小さなパッチ状のクモの巣(網)らしき構造物が幾つか付着していました。
これはヒラタグモUroctea compactilis)のコロニーですかね?





2023/04/17

林縁で虫を捕食するコガラ(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後13:45頃・くもり 

私が山間部の峠道を歩いていると、カラ類の混群と遭遇しました。 
道端の法面は雑木の灌木に覆われているのですが、その細い横枝に止まったコガラPoecile montanus)が何か小さな虫を捕食しました。 
慌ててカメラを向けると、コガラは嘴を細い横枝で拭っていました。 
何か虫を食べた直後に汚れた嘴を掃除しているのでしょう。 
綿のような白いワックスが嘴に付着しているので、獲物はワタムシ(アブラムシの仲間)ではないかと想像しましたが、白い蛾の鱗粉かもしれません。 

その後は群れの仲間と鳴き交わしながら、斜面の茂みを下へ下へ移動していきます。 
私を警戒して、最後は下草のアカソ?群落に隠れてしまいました。 
車道の反対側はスギの植林地で、カラ混群の一部はここに居ました。

2023/04/09

ニセアカシア樹上で獲物を探すスズバチ♀【探餌飛翔】

 

2022年10月上旬・午後15:50頃・晴れ 

川岸に自生するニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の枝先をスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が忙しなく飛び回っていました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:08〜)、スズバチ♀は食痕(虫食い穴)のあるニセアカシア小葉や熟した豆果を次々と調べていることが分かりました。 
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めてからぶつかるようにアタックしたり、着陸して触角で念入りに調べています。 
どうやら泥巣に貯食する獲物(蛾の幼虫)を探索する探餌飛翔のようです。 
雄蜂♂の探雌飛翔ではありませんでした。

ニセアカシアに巻き付いて育った蔓植物のツルウメモドキの果実が黄色から赤く色づき始めています。 
探餌飛翔するスズバチ♀は、ツルウメモドキには全く興味を示しませんでした。 
背後にジョロウグモ♀(Nephila clavata)が枝間に張り巡らせた円網が見えますが、スズバチ♀は気にせず飛び回っています。 

残念ながら狩りに成功するシーンが撮れる前にスズバチ♀を見失ってしまいました。 
秋が深まると獲物の数が減り、母蜂は苦労しているようです。

関連記事(3年前の撮影)▶ アオムシを狩るエントツドロバチ♀

磐田久二雄『日本蜂類生態図鑑:生活行動で分類した有剣蜂』を紐解いてスズバチが狩る獲物について調べると、
スズバチは体長2.5〜3.5cmのフトスジエダシャク(の幼虫:しぐま註)を3〜8頭貯える。(p37より引用)
とあります。 
しかし、フトスジエダシャクの食樹はセンダン(のみ?)とされています。 
センダンは温暖な西日本にしか分布しませんから、当地(北日本)では見たことがありません。 
フトスジエダシャク成虫も私は未見です。 
したがって、今回観察したニセアカシア樹上にフトスジエダシャク幼虫は居なさそうです。 

一方、最近の資料(例えば『狩蜂生態図鑑』p89)によると、スズバチの獲物は「シャクガの幼虫(尺取虫:しぐま註)」と一般化されていました。 
狩蜂が貯食する獲物を正確に同定するのは困難です。 
狩りの際に麻酔されてしまうので、救出しても飼育下で成虫が羽化しないからです。 
DNAバーコーディングが普及すれば調査研究が飛躍的に進展するはず、と期待しています。

2023/04/08

草刈り後の河川敷で干し草をついばむカルガモの群れ(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後16:05頃・晴れ 

河川敷で草を刈った後の干し草の束が点々と散らばっています。 
普段は川の中に居る留鳥カルガモAnas zonorhyncha)が河川敷に上陸して、群れでゆっくり歩きながら干し草から採食していました。 
カルガモは超普通種なのに、こんな採食行動は初めて見ました。 

牛や馬のように干し草そのものをムシャムシャと食べているのではなく、干し草の下に嘴を突っ込んでガサゴソと左右に細かく動かし、何かを食べています。 
おそらく枯れ草の種子を食べているのでしょう。(種子食) 
干し草の下に隠れているコオロギなどの昆虫もついでに捕食しているかもしれません。 
青々とした草の葉(クローバー?)の先端を嘴で毟り取り、少し食べることもあるようです。 
よく見ると舌を高速で出し入れしているようですし、ハイスピード動画で撮ればよかったですね。 

私が立ち止まってしつこく撮影しているせいで警戒したのか、カルガモ4羽の群れはさり気なく遠ざかり、後半は奥にある堤防の方へ(干し草地帯から芝生地帯へ)行ってしまいました。 

一緒に採食しているカルガモの群れをよく見ると、横から見た翼の白い縁取りの前に青い羽根が見える個体と見えない個体がいることに気づきました。
これで成鳥と幼鳥の違いや性別などを見分けられたりするのでしょうか?
個々の羽根にも鳥類学的に正式な名称がありそうですが、私は未だ勉強不足です。

※ 時系列順ではなく、素材の順番を入れ替えました。 
冒頭のシーンなどは曇りに見えますが、奥にある堤防で西日が遮られているだけで、秋晴れの夕方でした。 


2023/03/31

溜め糞上でキバネクロバエ?狩りに失敗し、互いに縄張り争いをするサビハネカクシ

 



2022年9月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の急斜面を直登する細い山道が廃れて、藪に覆われた獣道になっています。 
その廃道に新旧の下痢便が点々と2箇所にまとめて残されていました。(溜め糞場w) 
今回はホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞と思われる、もう一つの糞塊に注目します。 
やや古い(乾いた)糞塊上で2匹のサビハネカクシOntholestes gracilis)が尻尾をくねらせながら、互いに追いかけあっていました。 
大小の体格差があるのは、幼虫期の栄養状態を反映した個体差なのか、それとも性差なのか、どちらでしょう? 
出会い頭につっかかるように突進(攻撃・牽制?)しています。 
最後は体格の大きな個体が小さな個体を追い払いました。 
同種ですら獲物と認識しているというよりも、どうやら狩場を巡る占有行動のようです。 
以前の観察では、小さい個体が大きい個体を追い払ったので、単純に体長で勝敗が決まるとは言えません。
関連記事(1年前の撮影)▶ タヌキの溜め糞上でハエを襲うサビハネカクシ同士が出会うと…?

その間、おそらくキバネクロバエMesembrina resplendens)と思われる1匹のハエが溜め糞で吸汁していました。 
サビハネカクシが襲いかかっても、敏捷性に優れるキバネクロバエ?は易々と攻撃を交わし、素早く飛んで逃げました。 
獣糞に来るハエをすべて追い払ってしまうと産卵してくれませんから、獲物として捕食しやすいウジ虫が増えるように、ある程度は見逃してやる必要がありそうです。
肉食性のサビハネカクシが狩りに成功するシーンを私は未だ観察できていません。

ところで、撮影中に周囲で聞き慣れないカエルの鳴き声♪がするのですが、何ガエルですかね?
虫が逃げてしまった後のタヌキ?溜め糞場w

2023/03/21

カクトラノオの花畑で激しく喧嘩するキイロスズメバチ♀【占有行動?】

 

2022年9月下旬・午後15:40頃・くもり 

川沿いの庭先の花壇に咲いたハナトラノオ(別名カクトラノオ)の群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が何匹も忙しなく飛び回っていました。 
獲物を探索しているのでしょう。
探餌飛翔で空腹になった個体はカクトラノオの花序に着陸すると、唇形花に正当訪花を繰り返して花蜜を吸っています。 
吸蜜後に唇形花の狭い花筒から出てくると、胸背が白い花粉まみれになっています。 
次の花に潜り込んだら、その花粉が雌しべに付き、キイロスズメバチはカクトラノオの授粉を手助けしていることになります。 (送粉者)

関連記事(11日前の撮影)▶ カクトラノオの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀ 

しばらく観察していると、キイロスズメバチ♀は互いに攻撃し合っていることが分かりました。 
訪花後の個体が次の花序へ飛び去ろうとすると、近くを飛んでいた別個体が急いで追撃し、軽い空中戦になります。 
花畑で動く虫なら何でも獲物と誤認して(たとえ同種でも)反射的に飛びついてしまうのでしょうか? 

また別のワーカー♀aの吸蜜シーンを撮影していると、背後から飛来した別個体♀bが急に襲いかかりました。 
そのまま先客♀の背中にマウントしたので、♂が♀に交尾を挑んでいるのかと思いきや、雄蜂♂ではありませんでした。 
獲物と誤認して飛びかかったのなら、すぐに誤りに気づいて相手を離すはずです。
しかし♀bは大顎で♀aの体や脚に何度も執拗に噛みつこうとしています。 
しかしキイロスズメバチの体表のクチクラは固くて、歯が立ちません。 
ちなみに、スズメバチは狩りや喧嘩の際に毒針は使いません。 
不意打ちを食らった♀aは花に伏せているだけで、全く反撃しないのが不思議でした。 
アシナガバチの巣内で行われる優劣行動を彷彿とさせます。 
最後は2匹もろとも、花から地面にボトッと落ちました。 
1匹はすぐに立ち直って、また花壇を飛び回ります。 

キイロスズメバチ♀の探餌飛翔と同種間抗争を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:31〜)
 おそらく、別々のコロニーから来たキイロスズメバチ♀同士が蜜源・狩場を独り占めしようとハナトラノオの花畑を巡って戦っているのでしょう。(占有行動) 
秋はスズメバチの個体数が増えるのに餌が少なくなりますから、飢えて殺気立っています。
私はこの日たまたま黒色のポロシャツを着用していたので、キイロスズメバチの気を逆撫でするのではないかと心配だったのですが、撮影中に私を攻撃(八つ当たり)してくることはありませんでした。

2023/03/15

野ネズミはカラマツの根元でアリジゴクを捕食するか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬・夜 

里山で雑木林の斜面に立つ泥汚れのついたカラマツの木を自動センサーカメラで見張っていると、ときどき野ネズミ(ノネズミ)が写ります。 

シーン0:9/19・午後14:18・くもり 
明るい日中の現場の様子です。 


シーン1:9/22・午後21:10・雨 (@0:04〜) 
画面の赤丸で囲ったところ(右上隅)を注目してください。 
野ネズミが雑木林の斜面を駆け上って行きました。 
ネズミのような体の小さな哺乳類が雨に濡れたらすぐ低体温症になるのではないかと素人考えでは心配になるのですが、実際は雨夜でも変わらず採餌活動に励むようです。 

ちなみに、カラマツの幹が根元付近で強く湾曲している(多雪地帯の山林に特有の樹形)ために、雨が降っても根本の地面はオーバーハングした幹に遮られて濡れません。 
標高が高い場所になると、しばしば矮小な木がねじ曲がった樹形となり、風の強い海岸地では風衝形を呈したものが見られる[10]。(wikipedia:カラマツより引用)

シーン2:9/22・午後21:27・(@0:12〜) 
雨が止んで、うっすらと霧がかかっているようです。 
画面の左端から白く光る目が現れました。 
野ネズミが走って左から右へ斜面をトラバース。 


シーン3:9/24・午前00:17・雨 (@0:27〜) 
雨が降る深夜に野ネズミが採餌活動しています。 
シシガシラという羊歯などの下草が生えている画面右上の斜面で食べ物を探し歩いています。


シーン4:9/24・午後21:09 (@0:44〜) 
画面の左下から野ネズミが登場。 
斜面を登って泥カラマツの根本に辿り着くと、乾いた土の地面を少し掘りました。 
ドングリなどの木の実(堅果)を運んでいた訳ではないので、貯食行動ではありません。
すり鉢状の巣穴がいくつも出来ています。
9月上旬の撮影

泥カラマツの根本の地面は前述のように常に乾いているため、その立地を利用してアリジゴク(蟻地獄)が営巣しています。 
アリジゴクの群れがすり鉢状の巣穴を掘って耕すために、集団営巣地の土はサラサラです。 
もしかすると、野ネズミは闇夜にアリジゴクの巣を見つけてウスバカゲロウの幼虫を掘り出して捕食したのかもしれません。
残念ながら、後ろ姿ではよく分かりません。 
その後、野ネズミはカラマツの左の斜面を登って行きました。 
もしアリジゴクを捕食したのなら、野ネズミは味をしめて(学習して)集団営巣地に狩りをしに繰り返し通ってくるはずですけど、どうでしょうか? 


シーン5:9/24・午後21:46 (@1:11〜) 
37分後、赤い丸の中にご注目。 
シシガシラに覆われた斜面を野ネズミが登って行き、すぐに姿を消しました。 


シーン6:9/25・午前00:20 (@1:19〜) 
泥カラマツの幹の背後にときどき隠れながら、右上の斜面をチョロチョロと徘徊しています。 
最後はカラマツの左の斜面に移動しました。 


※ 動画編集時に一部は自動色調補正を施しています。 


【追記】
飼育下の野ネズミに試しにアリジゴクを与えて捕食するかどうか実験することはできそうです。



2023/03/06

タヌキの溜め糞場で早朝に虫を捕食するトラツグミ?【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年9月中旬・午前5:18・気温16℃ (日の出時刻は午前5:14) 

夜明け直後のスギ林にはまだ朝日が射さず、かなり暗くてトレイルカメラは赤外線の暗視モードのまま起動しました。 
里山のスギ林道上にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞の上に冒頭から鳥が乗っていました。 
赤丸の中に注目してください。 
林床に佇み、辺りをキョロキョロ見回しています。 
見事な迷彩模様で、動かないと絶対に見つけられません。 
熱源の動きを感知するトレイルカメラは、その点でヒトの視覚より優れています。(擬態や保護色に騙されない。)
この地味な鳥はトラツグミZoothera aurea)ですかね? 
もし間違っていたら、ご指摘願います。 

しばらくすると、急に左へ歩き始めました。 
ホッピングではなくウォーキングで駆け寄ると、スギの落ち葉を嘴で2回啄んで何か虫を捕食したようです。(@0:30〜) 
気温の低い(1日の最低気温になる)早朝は虫の動きが鈍く、捕食しやすいはずです。
その後のトラツグミは動きに乏しく、飛び去る前に尻切れトンボで録画終了してしまいました。 
トラツグミも朝目覚めたばかりで未だ少し寝ぼけているのでしょうか? 

トラツグミの食性について調べると、
食性は雑食。雑木林などの地面で、積もる落ち葉などをかき分けながら歩き、土中のミミズや昆虫類などを捕食することが多い。(wikipediaより引用)
 比較的暗い林の林床で大好物のミミズや虫を捕っている。この時、屈伸運動をするように上下に尾を振る仕草をする。(『やまがた野鳥図鑑』p44より引用)

今回の動画を見直しても、尾羽根を動かしていませんでした。 



つづく→晩秋の朝、スギ林道に出没したトラツグミ【野鳥:トレイルカメラ】

獲物を巣穴に運び込むモンスズメバチ♀

 



2022年6月中旬・午後17:45頃・晴れ(日の入り時刻は午後19:05) 

モンスズメバチVespa crabro)の巣穴を見つけてから2日後の夕方に、定点観察に来ました。 
採寸代わりに巣口の横に1円玉(直径20mm)を並べて置きました。

カメラの起動が間に合いそうになかったので、焦った私は営巣地に飛来した蜂を足で軽く追い払ってから、再び戻ってくるのを待ちました。 
巣穴を見下ろすように撮ると、帰巣した蜂が何を持ち帰ったのか見えにくいのが問題です。 
横から狙うべきでしたね。 
帰巣シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:42〜)、初回のワーカー♀は黄緑色の肉団子を巣穴に搬入していました。 
モンスズメバチと言えばセミを(専門に?)狩るというのが図鑑でも定説になっています。 
しかし私はモンスズメバチが獲物を狩る様子を未だ見たことがありません。
撮影時は初夏で、セミの鳴き声を周囲で未だ聞いていません。 
したがって、今回餌食になったのはセミ以外のおそらくイモムシ類(鱗翅目の幼虫)と思われます。 
狩蜂の中でもスズメバチとアシナガバチは狩った獲物をその場で解体して肉団子を巣に持ち帰ります。 
帰巣した蜂から肉団子をたとえ取り上げたとしても、獲物の原形を留めていませんから、素人が正確に同定するのは難しいでしょう。 

6分後、2匹目のワーカー♀が帰巣しました。 
飛来した蜂はかなり迷子になってからようやく巣穴に入りました。 
営巣地に私がカメラを持って突っ立っているせいか、または巣口の横にピカピカ光る見慣れない1円玉が置かれているせいでしょう。
ブタナの群落で少し離れた別の茎の周りを飛び回ったり、巣口の左から右から何度もアプローチをやり直してから、ようやく無事に入巣しました。 
(もっとズームアウトしないと、飛来した蜂が迷っている様子は撮れません。)

関連記事(2日前の撮影)▶ 巣穴に帰る途中で少し迷うモンスズメバチ♀

今回は帰巣した蜂が抱えていた空輸便の荷物をしっかり見極められませんでした。 
獲物の肉団子ではなく、巣材のパルプかもしれません。 
DNAバーコーディングの手法が普及すれば、肉団子から獲物の正体を突き止めることができるはずです。 
巣材の樹種も同定できそうです。 


【後日談】 
この河川敷は定期的に草刈りしているので、作業員にモンスズメバチの巣穴が見つかって駆除されてしまうのは時間の問題だと思っていました。 
案の定、このコロニーの活動を観察できたのは、この日が最後になりました。 
撮影したいテーマが未だ色々とあったのに、残念無念。 
(夜行性のシーンおよび雨天時の様子を観察できなかったのが心残りです。) 
少し無理をしてでも、撮影できるときに集中的に観察・撮影しておくべきでした。 
難しいのは、私が長時間立ち止まって地面の一点をじっと見つめていると、通りすがりの人に怪しまれて(興味を持たれて)蜂の巣の存在がばれてしまうことです。 
最近は蜂恐怖症のヒトが増えてますから、ヒステリックに反応して駆除業者に通報されてしまったら最期です。 
この日私は長居せずに、あえて短時間の撮影をしただけで立ち去りました。 
人通りの無い時間帯を選んで定点観察に来ないといけません。
目立たない無人カメラを巣口の横に設置したいところですが、トレイルカメラは変温動物の活動には反応してくれません。 

営巣地の周辺の草がきれいに刈られ、巣穴に出入りするモンスズメバチが完全に居なくなったものの、地面を掘り返して地中の蜂の巣を完全に破壊した形跡はありませんでした。 
したがって、駆除業者は巣口から中に殺虫剤を噴霧しただけのようです。 
しかし、駆除されたと思ったのは私の被害妄想かもしれません。 
モンスズメバチはコロニーが繁栄して営巣地が狭くなると新天地に巣を引っ越すことが知られています。 
もっと安全な(人目につかない)場所へ自発的に引っ越しただけなら良いのですが、モンスズメバチの世界も住宅難が深刻です。 
治水事業のために河畔林が次々に伐採されてしまい、樹洞のある大木(老木)はほとんど残っていないからです。 

危険なスズメバチを保護すべきだという主張はなかなか理解してもらえません。
決して可哀想だからという情緒論ではありません。
スズメバチは日本の生態系で上位に位置する捕食性昆虫と理解することがまず必要です。 
営巣後期にスズメバチの巣を丸一日観察すると、莫大な量の獲物を巣に搬入することに驚かされます。 
したがって、「怖いから」という理由でスズメバチの巣を見つけ次第駆除して根絶やしにしてしまうと、生態系のバランスが乱れて下位の昆虫が不自然に増えてしまうことになります。 
害虫駆除業者や殺虫剤のメーカーにとっては生態系が乱れて害虫が増えれば増えるほど、経済的に利益が増えます(儲かる)から万々歳なのでしょう。 
「害虫が大発生するのは全て地球温暖化のせいだ」ということにしておけば生態系破壊の責任を逃れられます。
近視眼的な市場原理に任せておくと、誰も歯止めをかけようとしません。 
都市化の進行で自然とのつながりが希薄になった結果、世界中で虫嫌いの潔癖症は年々エスカレートするばかりです。
蜂の巣駆除は必要悪というのが私の認識で、なるべく最小限に留めて欲しいのです。 
スズメバチの巣を無闇矢鱈に駆除して絶滅させるのを止めて欲しい、というのが私のささやかな主張です。 
蜂の巣の存在を告知する注意書きをして、立入禁止のロープを張り巡らせたら、後は1シーズン放っておけば良い場合もあるのに、駆除業者の尻馬に乗ってスズメバチの危険性を(良かれと思って)過剰に煽るマスコミも問題です。 
正しい知識があれば、スズメバチを無闇に恐れる必要はありません。
営巣地を迂回して通れば、スズメバチに攻撃されることはありません。 
基本的にスズメバチは忙しくて、ヒトの存在など眼中に無いのです。 
 「朝顔に釣瓶取られてもらい水」のような心の余裕(慈悲の心)をもつ日本人が少しでも増えてくれることを祈ります。 
うっかりスズメバチと出会ってしまったときの正しい対処法を子供に教えるのも大切です。

都会も含めて日本の自然界にスズメバチが何種類も住んでいるのは当然で、これからも居てもらわないと困ります。 
我々ヒトはなんとか折り合いを付けて(正しい知識を身につけて)スズメバチと共存するしかありません。 
言い出しっぺの私がまず蜂の巣の存在を告知する注意書きを設置すべきかもしれません。
しかし、どうせ駆除業者に通報されるだけ(藪蛇)だろうという諦念があり、撮影観察を優先してしまいます…。
もしも不幸な刺傷事故が起きた場合、蜂の巣の危険性を予見していたのに周知しなかったのは無責任だと怒られるのでしょう。
一体どうすれば良いのか、スズメバチ愛好者(絶滅危惧種)の悩みは尽きません。

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