2026/10/28

オオボクトウ(蛾)の幼虫はヤギ臭がする?

 

2026年10月上旬・午後12:15頃・晴れ 

刈田(稲刈り後の田んぼ)の横の舗装された農道を赤い芋虫が蠕動しながらまっすぐ横断していました。 
かなり昔に撮ったゴマフボクトウの幼虫と似ています。 

関連記事(18年前の撮影)▶ ゴマフボクトウ(蛾)の幼虫 

頭部と胸背だけが黒く、残りの体は赤色でした。 
白っぽい毛がまばらに生えています。 
腹端が黒くないので、ゴマフボクトウとは別種の幼虫なのかな?
GoogleレンズでAIに写真鑑定(画像認識)してもらうと、オオボクトウ(Cossus cossus orientalis)の幼虫だろうと教えてもらいました。
その食性は独特で、樹液を吸って育つのだそうです。
 
オオボクトウ(の幼虫)はニレやヤナギなどに穿孔するが、肉食性ではない。(wikipediaより引用)
確かに、幼虫を発見した農道の左側には柳などがたくさん生えている湿地帯や河畔林が広がっています。 
食樹から脱出したオオボクトウの終齢幼虫が、蛹化に適した場所を探し歩いているのでしょう。 
道端の砂利道に到達すると、幼虫の歩みが遅くなり、まばらに生えた雑草に触れて調べています。 

私がしゃがんで接写しながら頭部を指で触れると、嫌がって後退しました。 
仰向けにして腹面を撮ろうとしても、素早く根返りを売って起き上がってしまいます。 
擬死したり何か特別な防御体勢を取ることはありませんでした。 
黒色の鋭い大顎で噛みつこうとしているのかもしれません。 
試しに細い草の葉を差し出して噛ませてやればよかったですね。 

指で摘んで手のひらに乗せてやり、ようやく腹面が一瞬だけ撮れました。 
腹面は胸脚、腹脚も含めてピンク色でした。 
幼虫を採寸し忘れてしまいましたが、私の手と比べれば大きさの目安になります。 
オオボクトウの幼虫はヤギ♂のような異臭を放つらしいと後で知ったのですが、撮影中の私はまったく気づきませんでした(無臭だった?)。
英名の Goat Moth というのは, 幼虫の分泌物のにおいが雄ヤギのそれに似ているからだという.(dmothより引用)
このまま採集して飼育しようか迷ったのですけど、忙しくて余力がないので、道端の草むらに解放してやりました。 
樹液の代用食として昆虫ゼリーを与えれば成虫まで飼育できるらしいのですが、ワンダリング期の終齢幼虫はもう食欲が無いはずなので、飼育しても食事シーンを観察できませんね。 

※ レンズに付着したゴミが見苦しくて申し訳ありません。 


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【考察】 
ボクトウガ科の幼虫が赤くて目立つのは、有毒性を示す警告色なのか、気になりました。
Gemini AIに訊いてみると、否定的な見解でした。
もし虫を食べる小動物や鳥を飼っていれば、採集したオオボクトウ幼虫を給餌してみて捕食するかどうか実際に検証実験できましたね。

結論から言うと、オオボクトウやゴマフボクトウの幼虫が持つ鮮やかな赤色(ピンク色)は、一般的な植物由来の毒をアピールする「警告色(警戒色)」ではないと考えられています。また、体内に食草由来の毒を蓄積しているという事実もありません。

彼らの体色や生態には、以下のような理由や特徴があります。

1. 毒の蓄積はない(毒を持たない)

一般的に、目立つ色(警告色)を持つ毛虫やイモムシ(マダラガやキョウチクトウを食べるスズメガなど)は、有毒な植物を食べてその毒(アルカロイドなど)を体内に蓄積し、鳥などの捕食者に「食べると危険だ」と警告します。 [1, 2]

しかし、オオボクトウやゴマフボクトウの幼虫はクヌギ、コナラ、ヤナギ、リンゴなどの樹木の内部(材部)や樹皮下を食べて育ちます。これらの食草(樹木)には、捕食者を撃退するような強い特異的毒素は含まれておらず、幼虫が毒を体内に溜め込んでいるということはありません。 [1, 2, 3]

2. なぜ赤くて目立つのか?

これにはいくつかの生物学的な背景や生存戦略が関係しています。

  • 普段は隠れて生活している(隠蔽性)
    彼らは基本的に一生のほとんどを「樹木の内部(トンネルの中)」で過ごします。外から見えない暗闇のなかにいるため、そもそも外敵に見つかるリスクが低く、体色を周囲の環境(木の葉や幹)に似せる(保護色にする)必要性が進化の過程であまりありませんでした。 [1, 2, 3]

  • 蛹(サナギ)になる前の「地表徘徊」の時期だけ目立つ
    幼虫が大きくなり、サナギになるために木から這い出て地面を歩き回る時期があります。この時に人間や鳥の目に留まり、「なぜこんなに派手なのか」と疑問を持たれますが、これは隠れて暮らしていた虫が一時的に露出した状態です。 [1]

  • 物理的な防衛と化学的な防衛(臭い)
    毒はありませんが、彼らは非常に強力な顎(あご)を持っており、天敵に襲われた際は激しく噛みつきます。また、オオボクトウの英名は「Goat moth(ヤギの蛾)」と呼ばれ、幼虫は非常に強い酸っぱい独特の悪臭(不快臭)を分泌します。この強烈な臭いや、噛みつく強暴さ、そして赤黒い不気味な見た目そのものが、結果として鳥などの捕食者を遠ざける「嫌悪・威嚇の効果」を果たしている可能性は指摘されています。 [1, 2, 3, 4, 5]

まとめ

彼らの赤色は、アサギマダラやドクガのような「食草由来の体内毒」を知らせる警告色ではありません。

基本は「木の中に隠れているので何色でも問題なかった」性質であり、外に出てきた際は「強靭な顎による攻撃力と、放つ悪臭」によって身を守っています。 [1]

ボクトウガの幼虫は、樹液を出して他の昆虫を集めて捕食する「肉食性」の一面を持つなど、非常に面白い生態をしています。もし、この幼虫の生態や飼育、あるいは樹木への被害対策などについてさらに気になることがあれば、お気軽にお尋ねください。 [1, 2]


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