セスジスズメ幼虫の対捕食者自衛戦略を調べたつもりですが、私のつつき方が優しすぎた可能性もあります。
もっと痛みを覚えるぐらいの強い刺激を与えないと、本格的な防衛行動や逃避行動は発動しないのかもしれません。
A1: 結論から言うと、「眼状紋そのもの」は分類学的・形態学的な用語であって「擬態」という機能的カテゴリーとは別物ですが、多くの昆虫において眼状紋は擬態(広義のミミックリー)や捕食回避シグナルとして機能すると考えられており、その場合には「擬態の一形態として扱われることがある」と整理するのが無難です。wikipedia+1眼状紋とは何か
眼状紋(eyespot)は、脊椎動物の眼を思わせる同心円状の模様で、中心に暗色、その周囲に淡色が配置された「目玉模様」を指す形態学的な呼称です。weblio+1
チョウ・ガ類など鱗翅目昆虫の翅に典型的に見られ、ジャノメチョウ類などの和名もこの模様に由来します。wikipedia+1
機能的な解釈:擬態かどうか
眼状紋の機能については、古典的に少なくとも二つの主な仮説があります。kaken.nii.ac+2
捕食者の眼の擬態仮説
フクロウやヘビなどの捕食者の大きな眼に似ることで、鳥類などの天敵を脅かし、忌避反応を引き起こして捕食を避けるという解釈です。kaken.nii.ac+1
この場合は「捕食者の眼のミミックリー」とみなされるので、擬態(特に威嚇的擬態)の一種と扱うのが妥当です。攻撃そらし(ディフレクション)仮説
頭部と誤認させて、鳥に眼状紋のある後翅をつつかせることで、より重要な頭部や体幹への致命的ダメージを避けるという説です。pteron-world+2
これは「ボディパーツ・ミミックリー」「自己模倣(autotomy mimicry)」的な文脈で語られることが多く、これも広義の擬態に含める立場があります。さらに近年は、「単に非常に目立つ高コントラスト模様として警告信号(aposematic signal)のように働いているだけで、特定の『眼』の模倣ではない」という警告信号仮説も提案されています。[kaken.nii.ac]
この立場からは、狭義の「擬態」よりも「警告色・警告模様」として扱う方が適切という解釈になります。
Q2: セスジスズメという蛾に寄生する虫は知られているか?
A2: セスジスズメ(Theretra oldenlandiae)に寄生する虫として、少なくとも寄生バチ(コマユバチ科)がよく報告されています。kasasagoasuka+3
寄生蜂(コマユバチ科など)
セスジスズメ幼虫の体表に白~淡緑色の小さな繭が多数(あるいは数個)付着している例が複数の観察記録で示されており、体内で発育した寄生蜂幼虫が外に出て繭を作ったものとされています。masaneko.blogspot+3
詳細な同定例では、「スズメヤドリコマユバチ」(コマユバチ科)が、スズメガ類(セスジスズメを含む)の中齢幼虫から出てくる一次寄生蜂として報告されています。[ameblo]
そのほかの可能性
スズメガ類全体では、ヤドリバエ類(タチバエ科)などの寄生バエも多く知られており、セスジスズメにも類似の寄生が起こりうると考えられますが、セスジスズメ専用・確認済みの種名まで踏み込んだ公開情報は限られています。[ameblo]
現場レベルの記録・ブログ・飼育報告では、セスジスズメ幼虫から羽化した「種未同定の寄生蜂」として扱われている例も多く、寄生者相の全体像はまだ十分整理されていない印象です。insect+1
Q3: セスジスズメの幼虫は体表に眼状紋があって、鳥などの捕食者から身を守っていると考えられている。攻撃されたときに他に何か防衛行動しないのか? 例えば口から苦い体液を吐くとか、激しく体を振るとか、体を膨らませて眼状紋を見せつけるとか、威嚇で発音するとか。
A3: セスジスズメ幼虫について詳細な実験報告までは参照できませんが、一般的なスズメガ科幼虫の防衛様式と、公開されている観察記述から考えると、以下のように整理できます。inspired-habits.hateblo+3
セスジスズメ幼虫の基本的な反応
飼育・観察記録では、セスジスズメ幼虫は比較的おとなしく、強い刺激を与えない限り自発的な攻撃行動はほとんど示さないとされています。[inspired-habits.hateblo]
刺す・咬む・毒液を噴射するといった積極的な攻撃手段は持たず、毒もないと説明されることが多いです。insect+1
体勢変化・逃避的行動
驚かせると「体を丸める」「突然動く」といった防御反応を示すことがあり、これは多くの鱗翅目幼虫に共通する一時的なフリーズや逃避行動と考えられます。[inspired-habits.hateblo]
野外観察では、終齢幼虫が「尾角を前後に揺らしながら素早く移動する」と表現されており、接触刺激に対して動きを速めることで捕食者から距離をとる行動がうかがえます。[yamareco]
眼状紋と姿勢の強調
セスジスズメ幼虫は体側に発達した眼状紋と尾角を持ち、「小さなヘビのように見える」と記述されますが、これが能動的に強調されるか(体を膨らませる・特定の姿勢をとるか)についての具体的な実験・記述は限られています。[nara.mushizukan]
一般的なスズメガ幼虫の中には、前体節を持ち上げて頭部を太く見せ、「ヘビ頭状」のシルエットで眼状紋を目立たせる種が知られていますが、セスジスズメで同様の典型的「ヘビ擬態姿勢」が系統的に報告されている例は多くありません(少なくとも広く共有された解説では強調されていません)。[insect]
体液吐出・発音などについて
セスジスズメ幼虫が「苦味のある体液を吐く」「口から泡状分泌物を出す」「激しい発音をする」といった、明確な化学防衛・音響防衛行動は、一般向け・飼育者向けの解説では特に言及されていません。insect+1
これらの行動は、他の鱗翅目(特に毒を持つ種や、顎の強い種)では知られているものの、セスジスズメに固有の特徴として扱われているわけではないようです。
結論的な整理
確実に言えるのは、セスジスズメ幼虫は
視覚的防御(眼状紋・尾角・全体のシルエット)
簡単な防御姿勢(体を丸める、一時的に固まる、動きを速める)
という比較的「受動的・逃避的」な防衛を主とするということです。nara.mushizukan+2口からの体液吐出・顕著な体膨張による眼状紋誇示・音による威嚇といった、積極的かつ派手な防衛行動については、少なくとも広く共有された情報源でははっきりした記載がなく、「あっても稀」「主防御ではない」と考えるのが妥当と思われます。inspired-habits.hateblo+1
より厳密には、鳥類による捕食実験や高速撮影などで、攻撃直前の姿勢変化や筋活動を解析した行動学的研究が必要ですが、現時点の公開情報だけでは、そこまで詳細な防衛レパートリーは確認されていない、というのが正直なところです。
Q4: 実は、野外で見つけたセスジスズメの幼虫を指でつついてみたのですが、緩慢に逃げるだけで何も特別な防衛行動をしませんでした。(複数個体で確認。)これが普通のことなのか、それとも、寄生蜂などに体内寄生された個体は動きが鈍くなるのか、どっちなのか知りたかったのです。
A4: ユーザーの観察(指でつついても緩慢に逃げるだけ)は、セスジスズメ幼虫の正常な反応範囲内であり、特別に異常とは言えません。inspired-habits.hateblo+1
健常個体の標準反応
複数の観察・飼育報告で、セスジスズメ幼虫は基本的に「おとなしい性格」で、刺激に対して「じっと固まる」「ゆっくり逃げる」「体を丸める」といった受動的な反応を示すと一貫して記述されています。[inspired-habits.hateblo]
積極的な反撃(激しい振り、噴射、音など)は稀で、「無理に刺激しない限り攻撃的にならない」「触っても安全」と評価されるほど穏やかです。pljbnature+2
複数個体で確認された緩慢な逃避は、むしろ典型的な行動パターンです。[inspired-habits.hateblo]
寄生個体の行動変化について
寄生蜂(コマユバチなど)の寄生後期では、寄主幼虫の動きが明らかに異常化(激しく上半身を振る、苦しげに痙攣するなど)し、寄生蜂幼虫が体外脱出直前になると特に顕著になります。[bait4crawl.exblog]
寄生初期~中期でも、寄主の食欲低下・成長停止・動きの鈍化が起こりうるものの、外見正常で動きが緩慢なだけなら寄生の直接証拠とは言えません(繭や体表異常の有無を確認するのが確実)。ameblo+1
セスジスズメ特異の報告でも、寄生確定個体は「動きがおかしい」「穴が開く」などの明瞭な兆候が伴うケースが主流で、単なる「緩慢逃避」だけでは寄生判定は難しいです。[bait4crawl.exblog]
ユーザーの場合の判断
ユーザーの複数個体で見た「緩慢に逃げるだけ」は、健常個体の標準行動と一致するため、寄生による鈍化の可能性は低いと考えられます。pljbnature+1
ただし、野外個体は個体差(年齢、栄養状態、気温)で動きの速さが変動しやすいので、参考までに体表・肛門周囲を観察すると寄生兆候(白い繭、小さな穴)が分かるはずです。
A5: 眼状紋が寄生蜂や狩蜂に対しても「眼=怖いもの」として強く威嚇し、追い払うという証拠は、現在の昆虫学の知見ではほとんど示されていません。kindai.repo.nii+2眼状紋の主な効果の相手
多くの研究や解説では、眼状紋の主な効果の相手は鳥などの脊椎動物捕食者とされています。jstage.jst.go+1
鳥類は目の形に非常に敏感で、大きく目立つ眼状紋に驚いて攻撃をやめる・躊躇することが実験的にも支持されています。hoshtani.fc2+1寄生蜂・狩蜂に対する効果
寄生蜂や狩蜂は、寄主を近い距離で触角などの化学・触覚情報によって探す傾向が強く、視覚だけに頼っていません。[www-agr.meijo-u.ac]
そのため、「大きな目玉にびっくりして逃げる」という鳥型の反応が、寄生蜂にも同じように起きるとは考えにくいとされ、眼状紋の「威嚇」が寄生蜂に対して有効だと示す直接的な実験データは見当たりません。[www-agr.meijo-u.ac]幼虫と寄生蜂の実際の関係
アゲハチョウなど眼状紋をもつ幼虫でも、寄生バエや寄生蜂による寄生は一般的に起きており、眼状紋がそれらを十分に追い払っているとは言えません。[kids.rurubu]
むしろ寄生蜂の側は、眼状紋の有無にかかわらず、適したサイズ・種の幼虫を見つけて産卵していると解説されています。mdares.gov+1結論
眼状紋は主に鳥など脊椎動物捕食者への威嚇・注意そらしとして進化したと考えられている。ariescom+2
寄生蜂・狩蜂に対して眼状紋が特別な威嚇効果を持つという明確な証拠はなく、少なくとも寄生を防ぐほど強い効果は確認されていません。kids.rurubu+1
したがって、「幼虫の眼状紋が寄生蜂や狩蜂を追い払うほどの威嚇効果を持つ」とまでは現状の知見からは言えず、主な標的は鳥類などの捕食者だと考えるのが妥当です。pteron-world+2
Q6: スズメガ科の幼虫がもつ尾角にはどんな機能があるのですか? 威嚇や武器になっているとは思えません。
A6: スズメガ科幼虫の尾角は、主に視覚的な防衛機能を持つとされ、威嚇や物理的な武器としては機能しないのが一般的です。wikipedia+1
擬態・攻撃そらし機能
尾角は食草の葉柄・茎・枯れ枝に似せた形状・色調で擬態し、幼虫全体を「枯葉や枝」に見せかける役割を果たします。例えばセスジスズメ類では緑~褐色の尾角が葉脈そっくりに機能。[ameblo]
捕食者(鳥など)が尾角を「食べやすい部分」と誤認し、頭部や体幹ではなく尾端を攻撃させる「攻撃誘導(deflection)」効果も指摘されます。
損傷しても再生可能で、致命傷を避けやすい。[sagami-portal]その他の仮説
一部の種で尾角を振動させる行動が見られ、捕食者を驚かせる可能性がありますが、普遍的ではなく補助的。[ameblo]
感覚器官説や分泌機能説もありますが、証拠が薄く、学術的には「用途不明」とされることが多いです。hama-midorinokyokai+1
尾角は全体として「目立たない方が有利」なスズメガ幼虫の生存戦略を支える視覚的トリックで、武器化は進化的に不利だったと考えられます。sagami-portal+1
スズメガ幼虫の尾角が損傷しても再生可能という話は聞いたことがなかったのでPerplexityを厳しく追求すると、誤情報と認めました。
黒い尾角の先端は白くなっていて、目立ちます。
したがって、確かに捕食者の攻撃を逸らせる効果はあるかもしれませんが、鳥が目立つ尾角を標的にして嘴で摘み上げるのではないか?という気もします。
トカゲの尻尾切りのようにスズメが幼虫の尾角も自切したら面白いのですが、実際に生きたスズメガ幼虫を鳥に給餌して、直接観察してみるしかありません。
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