前回の記事:▶ ヤマアカガエルは繁殖池の底でも♀に飢えた♂同士で互いに追い回す2021年3月中旬・午後14:55頃・晴れ
繁殖池の岸辺にヤマアカガエル♀♂(Rana ornativentris)の抱接ペアが再び上陸してきました。
もしかすると約1時間前に見た抱接ペアと同じカップルなのかもしれませんが、個体識別できていないので分かりません。
ヤマアカガエルの体色は太陽光の明るさや見る角度によっても印象が変わり、初心者の私にとって当てになりません。
日当たり良好の浅瀬で♀の背にしがみついた♂は喉をヒクヒクさせています。
小声で♀に囁きかけているのかな?
今回のペアの♂は、♀が産卵地探索のために岸辺を移動してもその度に鳴くことはなく、黙っています。
♂は前腕を♀の脇の下から回して強く抱きしめていますが、後脚は♀が移動する邪魔(水の抵抗)にならないよう自分の体側に引き付けています。
ときどきグッグッグッグッ♪と小声の低音で鳴く声がかすかに聞こえるのですが、撮影している個体の鳴き声かどうか不明です。
少なくとも抱接♂の頬は膨らんでいません。
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
やがて抱接ペアの左側から独身♂が泳いで近寄ってきました。(@1:04)
ペアの背後に回り込んで♀にしがみつこうとしたものの、抱接♂が後脚で蹴りつけて、ライバル♂を文字通り一蹴しました。 (配偶者ガード)
闘争中も小声で鳴く声が聞こえたものの、どの個体が鳴いたのか不明です。
♀の繁殖戦略としては、あえて♂同士を戦わせておいて強い♂を選ぶことも考えられます。
しかし抱接♀は騒ぎを嫌い、パートナー♂を背負ったまま、池の水中に潜って逃げて行きました。
負けたライバル♂があっさり諦めて、必死で♀を追いかけないのが意外でした。
敗者は紳士的に負けを認め、すごすごと引き下がりました。
ヤマアカガエルの「蛙合戦」はヒキガエルに比べて淡白ですね。
♂同士でもっと熾烈な格闘になり、♀を力づくで強奪しようとするのかと思っていました。
抱接ペアは少し泳ぐと、他の個体からかなり離れた静かな岸辺に再上陸しました。
正確には水中を平泳ぎのように進むと言うよりも、♀は浅瀬の底を後脚で歩くように移動しました。
浅瀬で待機する抱接ペアを横から見ると、♀の膨らんだ腹面に赤い斑紋があり、アカハライモリのお腹を連想しました。(この斑紋で個体識別が可能か?)
抱接♂は相変わらず喉をヒクヒクさせています。
ライバル♂が邪魔しに(♀を奪いに)来る度に産卵地探索を中断するのだとしたら、抱接ペアはいつまで経っても産卵を始められない気がします。
産卵は暗くなってから行うのでしょうか?
この繁殖池では深刻な嫁不足らしく(独身♂過多)、ペア形成の過程をなかなか観察できません。
抱接ペアを見つけたら捕獲して♀♂を引き剥がし、♀をマーキング(個体標識)してから池に戻してやれば、新しい♂と改めてペア形成(抱接)する様子を観察できるかもしれません。
今季の私はなるべくヤマアカガエルの邪魔をしないで、とにかく撮影に専念しましたが、来季以降は試す価値がありそうです。
ただしタモ(手網)を持参したところで、警戒心のきわめて強くて素早く逃げる抱接ペアを果たして捕獲できるかどうか、自信がありません。
つづく→
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