ヒトリガ(蛾)の飼育記録#2
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ニワトコの葉にヒトリガ(蛾)の幼虫を2匹見つけた
2020年5月中旬
2日後に同じ場所を再訪し、ヒトリガ(Arctia caja phaeosoma)の幼虫を2匹を食樹のニワトコの枝葉ごと採集してきました。
そのうちの1匹aに注目し、飼育下で脱糞シーンを繰り返し接写してみます。
この時点で終齢であることが後に判明しました。
垂直な茎に下向きにしがみついていた幼虫が尾脚を離して腹端を持ち上げると、排便が始まります。
毎回ヒトリガ幼虫は排便中に下半身を左右に激しく振り、糞を振り落としていました。
前回に野外で見かけたときも下半身を激しく振っていたのは、私に対する威嚇行動ではなく、排便に伴う行動だったことがこれで分かりました。
本種は全身に長い毛が密生する毛虫(俗称クマケムシ)なので、ただ脱糞しただけでは糞が肛門付近の体毛に付着してしまうのでしょう。
寄生蜂などは寄主となる幼虫の糞の匂いや食痕を頼りに探索するので、糞を早く落とさないと身の危険があります。
それに対して、無毛のイモムシ型の幼虫は、腹端を少し持ち上げてポトリと脱糞するだけです。
もし毛虫のOラインを脱毛(カット)したら、排便時の尻振り行動は不要になるはずですが、実験してみると面白いかもしれません。(毛虫として生まれた種類の生得的な行動なのかもしれません。)
下に落ちたばかりの糞も最後に幾つか(2個)接写してみました。
深緑色をした糞の断面は独特の花びら状で、これは内部に襞の多い後腸の断面の形態を反映しています。
草食性のイモムシ・毛虫の新鮮な糞にはいわゆる糞便臭(悪臭)は無く、むしろ植物の爽やかな香りすらします。
つづく→#3:ニワトコの葉を蚕食するヒトリガ(蛾)終齢幼虫【10倍速映像】
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