2020年5月中旬・午後14:00頃・くもり
道端の生垣として植栽されたドウダンツツジにとても小さなハナバチが訪花していました。
マクロレンズを装着して接写すると顔の斑紋からヤマトツヤハナバチ♀(Ceratina japonica)と判明。
『狩蜂生態図鑑』や『日本産ハナバチ図鑑』p350によると本種は山地性で、平地性の近縁種キオビツヤハナバチと棲み分けているような書き方でした。
しかし今回の撮影地は標高約260mの平地で、郊外の住宅地(昔は農村部)でした。
逆に私は未だキオビツヤハナバチを見つけたことがありません。
こういうことはよくあるので、図鑑の記述を必ずしも鵜呑みにせずに自分のフィールドのことは自分で調べるしかありません。
ここは北の雪国なので、気温による補正が入って虫の垂直分布が変わるのではないかと個人的に予想しています。
小さな釣り鐘型のドウダンツツジの花に正当訪花を繰り返して吸蜜する蜂をよく見ると、後脚の
こんな小さなハチが正当訪花しても口吻が蜜腺まで届くとは思えないのですけど、伸ばせば長いのでしょうか?
(吸蜜せずに集粉だけ行っている可能性は?)
花筒から顔を抜くと軽く身繕いしてから次の花へ飛んで移動します。
最後の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
ホバリング(停空飛行)しながら茂みの奥の花に行ってしまいました。
田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でドウダンツツジを調べると、ハナバチとの共進化の結果として驚くべき内部構造の仕組みを知りました。
10本の雄しべの先には白い角状の突起が2本ずつ生え、花の中に放射状に伸びている。そのため、ハチが花の奥にある蜜を吸おうとすると、口が必ず突起に触れる。そのとき、雄しべが揺すられて白い花粉がこぼれ落ち、ハチの口の周囲につく。(p51より引用)
今回自分でもドウダンツツジの花を接写してみました。(花の分解まではしていません。)
花筒の入り口から内部が少し写っている写真を見ると、確かに雄しべから細長い突起が伸びていました。
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