2013年7月下旬
クサフジの花でトモンハナバチ(Anthidium septemspinosum)の交尾行動も繰り返し観察できました。
吸蜜中の♀に突然♂が背後から飛び付いてマウントしました。
蜂の仲間にしては珍しく、体長は♀よりも♂の方が大きいです。
まず考えられる理由としては、カブトムシのように配偶相手の♀を巡って♂同士の闘争があるため大型に進化したのではないかと予想されます(同性間競争による性淘汰)。
しかし、実際に喧嘩しているトモンハナバチ♂は見れていません。
腹部両側に♀は10紋、♂は12紋あることを確認しました。
♀の腹部下面には花粉を集める毛(スコパ)が密生しており♂にはスコパが無い点、♂の顔が白い点も性別判定のポイントになります。
交尾中も♀はそのまま吸蜜を続けます。
短い交尾が済むと♂は別れて飛び去りました。
240-fpsのハイスピード動画でも交尾シーンが撮れています。
クサフジで吸蜜中の♀を見つけた♂は一気に加速して飛びつきました。
すかさずマウントに挑むも乱暴すぎたのか♀が暴れて逃げられました。
♀による交尾拒否があるのかもしれません。
♂が♀に飛び付くシーンはどうしても撮り損ねることが多いです。
花に掴まった♀は交尾中に体勢を保つためか、ときどき羽ばたきながら花蜜を吸っています。
♂は翅を休めて交尾に専念しています。
交尾を終えた♂が先に離れて飛び去った後も♀はしばらく吸蜜を続けます。
【追記】
『但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ:その生態と保護』p92によると、
日本産のトモンハナバチAnthidium septemspinosumでは、♂が花に採餌にきた♀と頻繁に交尾する。大型の♂ほど花資源の豊かな場所になわばりをもつという。
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