2013/07/14
モリアオガエルの産卵と泡巣作り【微速度撮影】
2013年5月下旬
山中の池で今年もモリアオガエル(Rhacophorus arboreus)の産卵が始まりました。
マユミの潅木が岸から池の方に枝を張り出しているため、絶好の産卵場所となっています。
今年は心なしか葉の茂りが悪いのは、積雪期に枝折れしたダメージなのかもしれません。
それでもモリアオガエルの泡巣は例年よりも豊作の気がします。
複数の泡巣が融合しており、幾つなのか数えにくいのですが、マユミの枝葉には少なくとも12個の泡巣が作られていました。
鈴なりになった泡巣の重みで枝葉が千切れ落ちてしまいそうで心配になります。
産卵行動の動画は昨年撮ったので、今年は微速度撮影に挑戦します。
午前中から暗くなる夕方まで6時間以上も(10:50 am - 17:04 pm)10秒間隔のインターバル撮影を行い、大量の写真素材から早回し映像を制作しました。
途中で様々なカメラ・トラブルに見舞われましたが、場所を少しずつ変えたりしながらなんとかインターバル撮影を続けました。
泡巣が木漏れ日を浴びてフォトジェニックです。
野外での微速度撮影では光量が安定しないため、チラチラして多少見辛いのは仕方ありません。
早回し映像で見ると、♂が離合集散する様子がよく分かりますね。
集まったモリアオガエルが後脚で泡立てる行動が休み休みの間欠的であることも分かります。
まるでカマキリ♀の卵鞘作りのようですけど、モリアオガエルは複数個体による協同作業である点が大きな違いです。
一つに見える泡巣も何回かに分けて付け足されて作られることが判明しました。
複数の♀由来の卵が混じっている可能性があります。
初めは少し離れた枝の2箇所で産卵しているため、やや引きの絵で撮り始めました。
しかし完成した映像を見ると、もっと寄りの絵にしないと分かり難いですね。
どの抱接集団の泡巣が大きくなりそうか、予測する見極めが肝心です。
ヤブ蚊に食われながら横で長時間眺めていると、色々なことが分かりました。
モリアオガエルの体長は明らかに♀>♂。
♀は体が大きく、腹部が膨満しています。
♂にしがみ付かれても(抱接)そのまま♀は力強く跳んで移動します。
そこへ他の♂も次々に集まって来て、集団で泡巣を作りその中に産卵・受精します。
♀は産卵場所(水面に張り出している枝)をどのように認識し、選択するのか気になります。
水面の反射を手掛かりにするのでしょうか?
暗くなったらどうするのかな?
一方、鳴いているのは♂です。
産卵を終えた♀が離脱するのは分かるのですけど、泡巣作りに参加した♂の中に、なぜか途中で離脱して真下の池に飛び降りたりする個体がいます。
もしかすると泡の巣材である尿を排泄し終わると脱水症状になってしまうのかもしれません。
水入り休憩で水分を補給するとまた枝をよじ登って来て再び泡巣作りに参加するのでしょうか?
もしこれをちゃんと調べようとするならば、何らかの方法でカエルを個体識別しないといけません。
水面に網を張っておいて枝から落下するカエルを受け止め、体重変化を調べたら面白いかもしれませんね。
こちら↓の映像は同じ素材から早回しの速度を半分に落とした動画です。
お好みでどうぞ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿