2013年5月下旬
タニウツギに訪花するキムネクマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)を観察しました。
よく見ると、蜂は花の中に頭を決して突っ込まずに、花筒の根元を外から食い破って蜜腺を舐めていました。
このような採餌行動は盗蜜と呼ばれ、花の授粉に寄与しません。
花粉に触れないため、この個体の後脚にある花粉籠は空っぽでした。
ところが後日、同じタニウツギに訪花するクマバチでも穿孔盗蜜しない個体がいました。
2013年6月上旬
麓のタニウツギの花が散った後でも、山中の花は未だ咲いていました。
このキムネクマバチ♀は花に頭を突っ込んで花蜜を吸っています。(正当訪花)
花季の終わりで蜜量が少ないのか、訪花しても一瞬調べるだけで忙しなく次の花に移動しています。
また、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
あまりにも忙しない訪花なので、同一個体を240 fpsのハイスピード動画でも撮ってみました(映像後半のスローモーション)。
クマバチの生まれつきの体の大きさや舌の長さの微妙な違いによって異なる吸蜜戦略をとるのかもしれません。
それとも、営巣状況に応じて臨機応変に今回の採餌は盗蜜に専念しようとか今回は花粉を集めようとか同一個体が切り替えているのでしょうか。
ちなみに、タニウツギに訪花するオオマルハナバチでも盗蜜行動をする個体としない個体が見られました。
関連記事→「オオマルハナバチ♀の盗蜜行動」
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