2012年8月下旬
山裾の水路沿いを野生ニホンザル(Macaca fuscata)の群れが遊動してきました。
水路の縁に腰を下ろした母猿が子猿に授乳しています。
カメラを警戒したのか、母猿が立ち上がると森へ逃げ込みました。
兄弟?の子猿2頭が後に残されました。
幼い子猿へおませな兄?が背後からマウントを繰り返しました。
すると幼い子猿を迎えに戻って来た母猿が兄猿から奪い取り、腰に乗せて森へ連れ帰りました。
どうしても母猿の行動を擬人化して見てしまい(「こらっ! うちの子に何するのよ!」)、苦笑を禁じえませんでした。
後続の成獣1頭も私を避けるように茂みへ迂回しました。
さて、子猿同士のマウント行動はどのように考えたらよいのでしょうか?
股間を擦りつけているだけでペルヴィック・スラスト(腰振り)を伴っていない…ですよね?
子猿同士の無邪気な遊びなのか、周りの成獣を模倣し優位行動の萌芽なのでしょうか?
注意すべきは、年長の子猿が必ずしも♂だったとは限りません。(私には外見から子猿の性別が見分けられません)
『ニホンザル行動論ノート』p24「馬のり論序説」によると、子猿のマウンティングには性別による違いがあるそうです。
1〜2歳の頃に、あかんぼうをつかまえて遊びの対象にする場合でも、♂の子供と♀の子供とでは、あかんぼうの扱い方がかなり異なる。♂の子供が、後ろからあかんぼうを捕まえては、押しつぶすような馬乗りをしようとするのに反し、♀の子どもは、自ら上体を立てて抱きすくめるようにあかんぼうを抱える姿勢をとることが多い。この記述に従えば、今回マウントした年長の子猿はやはり♂だったのかもしれません。
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