2012年8月下旬
用水路の脇を一列縦隊で歩いて来る野生ニホンザル(Macaca fuscata)の群れを撮りました。
映像を見直すと、
(撮影中は前を行く猿の動きに気を取られてしまいました。)
跛行して痛々しいですけど、障害があってもなんとか群れの遊動について行けるようです。
一体どうして隻腕になったのでしょう?
- サリドマイド奇形(アザラシ肢症)など先天性の異常?‡
- 群れの中で激しい喧嘩で噛みちぎられた?
- 罠にかかった?
- 犬に追われて噛まれた?
- 催奇性の残留農薬の影響?(さすがに今時ダイオキシンや枯葉剤は使われていないと思いますが…)
‡サリドマイドは、人間と同じくニホンザルなどのサルにも、四肢のほか、脳、耳、眼、下顎、尾、心臓、血管、腎臓、子宮などに奇形を引き起こす。(ニホンザル奇形問題研究会『奇形ザル:野猿公苑からの報告』p149より引用)
怪我で右手を失ったとしたら、大量失血と敗血症などの感染症で命を落とさなかったのが奇跡です。
片手で採食や歩行は出来ても、木登りはどうするのでしょう?※
もし撮影中に気づいていれば、この隻腕サルの行動に注目して撮影を続けていたのに残念です。
※【追記】
ニホンザル奇形問題研究会『奇形ザル:野猿公苑からの報告』によると、
半樹上生活者であるニホンザルにおいて、手足が奇形というハンディキャップを負った奇形ザルの、樹上生活の様子を知る機会の多かったのも、この高崎山ならではのことであった。奇形の形態がかなり重度のものでも、拇指があり、対向性をもつ場合では、かなりたくみに樹上を動きまわり、正常なサルにそれほど遅れをとらないことがわかった。ただし、それらは年齢が少なくとも3歳を越えたものばかりで、1、2歳の奇形のコザルはお話にならないほど下手である。この傾向は、地上での採食の際にもみられ、そのためか、奇形のコザルは概して成長の遅れが目立つ。(p129-130より引用)
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