2012/09/28

脱皮直後のクロアゲハ5齢幼虫が抜け殻を食べる



クロアゲハの飼育記録:その4

2012年7月中旬・室温26℃

4齢幼虫は食欲が落ちて眠の状態に入りました。

『カラー自然シリーズ28アゲハチョウ』p12によると

幼虫の成長は、気温に左右されますが、ふつう4齢になって5~6日たつと、幼虫が動かなくなります。餌も食べず、前足(胸脚)を浮かせてうずくまります。脱皮前の休眠です。休眠は、半日から1日続きます。頭の付け根や白い帯の部分が、緑色に見えてきたら脱皮は間近です。




ところが油断していたら脱皮の瞬間を見逃してしまいました。

それまで若齢幼虫は鳥の糞に擬態していましたが、一皮剥けると緑色の保護色に変身しました。
これで4齢から5齢に脱皮したと分かりました。
また、採集して以来ずっとナミアゲハの幼虫かと予想していたのですが、5齢になって初めてクロアゲハの幼虫と判明しました。

『イモムシ ハンドブック』p18によると、
クロアゲハ終齢幼虫の斜帯は茶褐色で淡色の網目模様があり、背面で切れない。




脱皮の過程を微速度撮影する計画だったので残念無念…。
本で調べるとクロアゲハの幼虫は終齢が5齢らしいので、これが最終脱皮となります。

仕方がないので悔し紛れに、脱皮直後の幼虫の様子を微速度撮影してみました(10倍速の早回し映像)。
新しい体が固まるまで、山椒の枝に掴まって休んでいるようです。
脱皮直後の5齢幼虫は緑色が未だ薄いです。
しばらくすると5齢幼虫はいつの間にか体の向きを変え、萎れかけたサンショウの葉裏に残った脱皮殻を食べていました。
これは本で予習していた通りの行動です。

カラー自然シリーズ28『アゲハチョウ』p15には脱皮殻を食べるアゲハ終齢幼虫の写真が掲載されています。
頭楯の脱皮殻は下に落ちてしまっています。
葉ごと食べるのではなく、抜け殻だけを刮げるように食しています。
たった数分で脱皮殻はきれいさっぱり無くなりました。

わずかに滓が残っている程度です。
食べ終わった幼虫はUターンして茎を登り始めました。
食草を食べる食欲は未だありません。

もし脱皮殻を取り上げて食べさせないようにすると、その後の発育にどう影響するのでしょう?

機会があれば調べてみたいものです。

  • 複数個体で対照実験が必要。
  • 抜け殻を取り上げて別個体の幼虫に与えたらどうなるか?

栄養を無駄にしないという目的の他に、天敵に存在を悟られないよう脱皮の痕跡を残さないようにしているのかもしれません。



【追記】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』によれば、少なくともナミアゲハの場合は
ぬいだ皮は、脱皮するたびにたべてしまいますが、卵の殻のときとおなじように、たべさせないでそだててみてもちゃんと成長します。(p12より引用)





つづく→「クロアゲハ♀5齢幼虫の排便


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