2026年6月上旬・午前11:10頃・くもり
翅を開閉しながら、口吻を伸ばして吸蜜しています。
少し飛んで隣の花序へ移動すると、吸蜜を続けます。
クジャクチョウは今季初見です。
越冬明けの個体のはずなのに、翅が無傷で目の覚めるほどきれいな個体でした。
黒っぽい翅裏は地味ですが、翅表には芸者の着物になぞらえるほど豪華絢爛な美しい目玉模様(眼状紋)があり、子供の頃から何度見ても胸が踊ります。
クジャクチョウは北方系の蝶なので、地球温暖化がこのまま進行すると、平地では年々個体数が減って見られなくなり、「幻の高山蝶」になりそうです。
撮影中はクジャクチョウを注視していて全く気づかなかったのですが、ツヤハナバチの一種も一緒に訪花していました。
小さな蜂が飛来しても、吸蜜中のクジャクチョウは気にしませんでした。
クジャクチョウがアサツキの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:33〜)
先を急ぐ用事のあった私は、待ち切れずに左足で蹴る素振りをして強制的に飛び立たせました。
同じ花序に訪花していたツヤハナバチは、その前後に(自発的に)飛び去りました。
クジャクチョウが訪花していた植物名を、私はてっきりニンニクが野生化したのかと初めは思い込んでいました。
この薄いピンク色のネギ坊主のような花(散形花序)をあちこちの道端などで結構よく見かけます。
(ムラサキツメクサの花にもちょっと似ています。)
どうも違和感を覚えて再検討すると、アサツキと判明。
細長い葉は、ニラのように平べったい形ではなく、青ネギのように筒状でした。
植物を見分けるには、匂いによる官能試験も大切です。
後日にアサツキの群落で細い筒状の葉先をちぎり取っても、無臭でした。
しかし、花がついた茎をちぎり取ると、ニンニク臭がしました。
この点についてGemini AIに質問した回答がこちら。
「葉先は無臭なのに、花茎(かけい)をちぎるとニンニク臭がした」というこの結果は、植物の化学防衛とエネルギー分配の観点から、非常に理にかなった面白い現象です。この結果から、この植物が「アサツキ(またはチャイブ)」であることはほぼ間違いないと言えます。なぜそのような奇妙な匂いの偏りが起きるのか、その理由を解説します。理由1:現在の「花期」という時期特有の現象6月中旬という時期は、アサツキにとって花期の終盤、あるいは子孫(種子や球根)を残すための最も重要なフェーズです。植物は、すべての部位に均等に防衛物質(ネギ臭の元となる硫黄化合物)を行き渡らせているわけではありません。花茎(最優先防衛ライン): これから種子を作る花や、それを支える茎は、今植物にとって最も栄養が集中しており、虫や病原菌に絶対に食害されてはならない「最重要部位」です。そのため、植物は防衛成分(アリインなど)を花茎に集中させて厳重にガードしています。ちぎった時に強いニンニク臭がしたのはこのためです。葉(お役御免のライン): 一方、アサツキは開花が終わると地上部を枯らして夏眠(休眠)に入る性質があります。この時期の葉は、すでに光合成のピークを終え、あとは枯れるだけの「古い組織」です。防衛コストを割く必要がないため、葉のネギ臭成分は著しく低下し、人間の鼻では無臭に感じられるほどに抜けていたと考えられます。理由2:成分が気化する「酵素」の働きの差ネギ属の植物は、細胞の中に「匂いの元(アリイン)」と「それを匂い物質に変える酵素(アリイナーゼ)」が別々に保管されています。傷つけられて細胞が壊れ、この2つが混ざり合うことで初めてあの強烈な匂い(アリシン)が発生します。
花期後半の弱った葉は、単に成分が薄いだけでなく、この「酵素の活性」自体が極めて低下していることがあります。そのため、しつこくちぎったり揉んだりしても化学反応が十分に起きず、草の青臭さしか極端に感知できなかった可能性があります。