2025/08/17

池畔のハルニレ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#6】

 



2024年6月下旬〜7月上旬

モリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池で、岸辺に自生する灌木に白い泡巣産み付けられる様子を長期間観察しています。 
タイムラプス専用カメラを使い、午前5:30〜午後18:00のタイマー設定で1分間隔のインターバル撮影を行いました。 
 丸1週間分(7日間)の記録です(6/28〜7/5)。 
梅雨の雨で池の水量がだいぶ増えました。

トレイルカメラと同じく、タイムラプス撮影は、初めに画角をどう決めるかが全てです。 
ハルニレの灌木に産み付けられた新鮮な白い泡巣が画面の右手前に写るように画角を決めました。 
(画角をもっと右に向けるべきだしたね。) 
画面の中央には対岸のマユミ灌木の枝葉に古い泡巣が写っているのですが、少し遠いです。 

撮れたタイムラプス動画を見ると、モリアオガエルの繁殖期はもう終わったのか、この期間に新たに泡巣は追加されませんでした。 
(カメラの画角内に作られなかっただけで、現場検証すると泡巣は別な場所に増えていました。)

曇ったり雨が降ったりする度に、ハルニレの枝葉が池の水面に向かってしなりながら垂れ下がります。 
晴れると枝に張りが戻ります。 
日照が少なくて植物の光合成が低下すると、細胞の膨圧が低下して垂れ下がるのでしょうか。 
それにしては変形運動(萎凋?)の度合いが大き過ぎる気がします。 
細い葉柄が膨圧の低下で垂れ下がるのは理解できるのですが、剛性があるはずの木質の枝まで垂れ下がるのが不思議でした。 
よくよく考えてみると、枝が垂れ下がる理由はもっと単純ですね。
雨が降るとハルニレの葉やスポンジ状のモリアオガエル泡巣が濡れてたっぷり吸水し、重くなった結果、枝が大きくしなるのでしょう。 
晴れると濡れた泡巣が乾燥して軽くなり、枝の弾性で元に戻ります。 

7/3〜4に大雨が降っている間に、ハルニレの枝が大きく垂れ下がり、モリアオガエルの泡巣が見えなくなりました。 
雨が上がってハルニレの枝葉が起き上がると、産み付けられていたモリアオガエルの泡巣は、ほとんど溶け落ちていました。 
このときにモリアオガエルの幼生(オタマジャクシ)は水中に脱出したようです。 
モリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちる一部始終をタイムラプス動画で記録したかったのですが、枝が大きくしなることも予想して画角を決める必要があり、難しいです。

対岸のマユミ灌木に産み付けられた古い泡巣も、この期間に溶けたようです。

干上がりかけた池の対岸を左から右へ歩いて移動した鳥はキジバトかな?(@5:55〜) 


※ 雨がよく降る野外でタイムラプス専用カメラを設置する際には、透明プラスチックの防水ケースに収納しています。 
レンズの部分には眼鏡の曇り止めをスプレーしたら、雨の水滴をよく弾き、すぐに乾くようになりました。 
(レンズの表面に直接スプレーしたのではなく、防水ケースの表面にスプレーしました。) 
さらに、カメラの天井部に雨よけのひさしを取り付けたら、梅雨の大雨でもレンズはあまり濡れませんでした。 
下敷きのような薄いプラスチックをハサミで適当に切って、庇を自作しました。 


余談ですが、画面左奥のスギ林床や対岸の水際で蔓植物の先端の成長点がぐるぐると時計回り(上から見下ろしたときの回転の向き)で回旋運動していました。 
タイムラプス動画を4倍速で再生するとよく分かるのですが、YouTubeでは2倍速までしか早回しできません。 
現場に自生する蔓植物として、クズ、ツルウメモドキ、サルトリイバラ、フジ、ツルマサキなどが候補として考えられます。
しかし、回旋運動が時計回りというだけでは蔓植物の種類を全く絞り込めません。 
成長する蔓植物の運動も面白そうなテーマなので、いずれ改めてじっくり微速度撮影してみるつもりです。 


※ いつものように、Perplexity AIと相談しながら記事を書きました。 


つづく→

2025/08/16

営巣地で暮らすニホンアナグマの母子が空砲を聞くと…【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬・午前11:00頃・晴れ・気温24℃ 


ニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が転入してきた営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
昼前に3匹の幼獣と母親♀が巣外で活動していました。 
幼獣が兄弟姉妹で格闘遊びを繰り広げたり、木漏れ日が眩しい林床で採食したりしている間に、母親♀は近くにいる幼獣に毛繕いしてやっています。 

突然、遠くから乾いた銃声が一発響きました。 
田畑に出没した野生動物(ニホンザルやニホンイノシシ)を追い払うために、誰か近隣住民が空砲を撃ったり爆竹を鳴らしたりしたのでしょう。 
それを聞いた途端に、3匹の幼獣は全員が巣穴Lに慌てて逃げ込みました。 
その一方、ここで生まれ育った母親♀は空砲の破裂音に対してすっかり馴れが生じてしまっていて(ただの虚仮威しこけおどしであることを学習していて)、全く平気で巣外に留まっています。 
空砲を聞いた母親♀が幼獣に対して咄嗟に「巣穴に入れ!」と命じる警戒声を発した訳ではないので、幼獣が巣穴に避難した反応は空砲音に対する生得的な本能行動と言えそうです。 

しばらくすると、警戒を解いた幼獣が巣外に出てきました。 
最初に近寄ってきた個体の体を母親♀が舐めてやり(対他毛繕い)、安心させています。 


※ 空砲や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【追記】
今回聞こえた単発の破裂音は、もしかすると空砲ではなくて車やバイクのバックファイアー(アフターファイヤー)だったのかもしれません。
しかし現場は車道から遠く離れた林内なので、エンジン音などは聞き取れませんでした。
音量を上げてじっくり聞き直すと、問題の破裂音は単発ではなく減衰しながら3発ぐらい連続していますね。
反響(エコー)でしょうか。


他のアシナガバチが作った初期巣を襲って幼虫を捕食するフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年5月中旬・午後12:15頃・くもり 

堤防路の道端で、水平に倒伏したヨモギの枯れた茎から下向きにアシナガバチの初期巣が作られていました。 
フタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が巣盤の下側にぶら下がり、何か作業しています。 
この時期はまだワーカー♀が羽化しておらず、単独営巣期の創設女王と思われます。 

やがて女王が体を反らせてくれたので口元が見え、獲物を噛みほぐして肉団子を作っていたことが分かりました。 
帰巣直後の女王が、これから巣内の幼虫に給餌するのでしょうか。 
翅を半開きにしたのは私に対する警戒姿勢かと思いきや、肉団子を咥えたまま、意外にもフタモンアシナガバチの創設女王はどこかに飛び去りました。 
幼虫を育房から引き出して殺したり捕食しただけなら、死んだり病気になったり寄生された幼虫個体を自分の巣から取り除いたのだと説明できます。 (必要悪な子殺し
しかし、肉団子に加工して持ち去ったとなると、他のアシナガバチの巣を襲って、幼虫を捕食したことになります。 
肉団子を自分の巣に持ち帰って、幼虫に給餌するのでしょう。 

ヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)はアシナガバチ類の巣を襲って幼虫や蛹を捕食します。 
しかし、アシナガバチ同士で巣内の幼虫や蛹を捕食するシーンを見たのはこれが初めてです。 
もし同種間なら共食いしたことになりますが、巣の主が不在のときに襲撃したので獲物の種類が分からず、共食いとは言い切れません。 

フタモンアシナガバチ創設女王が襲った巣の種類を検討してみましょう。
巣が大きくなれば、アシナガバチの種類によって巣の形が違ってくるのですが、小さな初期巣の段階では見分けることが困難です。 
幼虫が紡いだ繭の色でアシナガバチの種類を絞り込めることがあるのですけど(黄色い繭ならヤマトアシナガバチまたはキボシアシナガバチ)、この巣では繭はまだ作られていませんでした。 
営巣地の環境から、フタモンアシナガバチの巣であってもおかしくないのですが、別種の可能性も残ります。

フタモンアシナガバチの創設女王が飛び去った直後に、巣盤の育房を苦労して接写してみました。 
動画を一時停止して育房を数えると26室で、5月中旬の女王単独営巣期にしてはかなり多い部類になります。 
育房内に卵や幼虫は全く残っていませんでした。 
繭もまだ作られていません。 
もしヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)に襲われた直後なら、巣の育房壁が汚らしく乱暴に食い千切られているはずです。 
しかし、今回の初期巣の構造は無傷でした。 

気になるのは、アシナガバチの巣盤の天井部や巣柄にアリ除けとしてタール状の物質が塗布されて黒光りしているはずなのに、この巣は白っぽいことです。
もしも今年に作られた初期巣ではなく、前の年に作られた古巣が冬を越して残っていただけとなると、解釈を大幅に検討し直す必要があります。 
例えば前年に羽化できなかった幼虫の死骸が干からびたまま育房内に残っていて、それを女王が捕食したのでしょうか。
そんな餌が残っていれば、堤防をくまなくパトロールしているアリが見過ごすはずがありません。
当地は雪国(多雪地帯)なので、冬を越した古巣だとしたら、深い雪の下に埋もれた圧力で変形しているはずです。
 (異常な暖冬だったから雪に埋もれて潰されなかった?) 
ちなみに、アシナガバチは前年の古巣を再利用することはありません。 

育房数が26室というのは5月中旬の初期巣にしてはかなり多いのですが、暖冬で春の訪れが早く、越冬明けの女王が巣を作り始めたのも早かったと考えれば、なんとか説明できそうです。 
巣の主である創設女王が不在(または死んだ)の間に、この巣を見つけたフタモンアシナガバチ創設女王が襲撃して巣内の幼虫を次々に捕食して全滅させたのでしょう。 
女王の単独営巣期は巣を防衛するワーカー♀が不在なので、女王の留守中に幼虫が捕食されるリスクがどうしても高くなります。 
なるべく目立たない場所に営巣した女王が、食うか食われるかの仁義なき生存競争に勝ち残るのでしょう。 
たとえ初期巣が襲われて幼虫が全滅しても、創設女王が存命なら別の場所で新たに初期巣を作り直し、遅れてまた産卵します。 


いつものように、動画の解釈についてPerplexity AIと相談しながら記事を書きました。

アシナガバチ同士であっても、自分たちの巣や生活圏を守るために他個体や他の女王が作った巣を襲撃し、幼虫を捕食することが報告されています。これは縄張り争いの一環として、相手の資源や将来の個体数を減らす競争戦略の一つと考えられます。

具体的には、餌資源が不足するときや巣の数が密集してしまう場合に、女王や働きバチが他のアシナガバチの巣を襲い、その中の幼虫を捕食する行動が観察されています。 (Perplexityの回答より一部引用)

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