2025/03/15

死んだアナグマの旧営巣地を早春の夜に独りでうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)に夜な夜な現れる健常タヌキの動向をまとめました。 

シーン1:3/29・午後19:43(@0:00〜) 
早春の林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸が ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)に食べられ持ち去られた後も、監視カメラで見張っています。 
歩行が正常なタヌキが晩に画角を斜めに横切りました。 


シーン2:3/29・午後20:52・気温5℃(@0:11〜) 
死んだアナグマの営巣地(セット)にタヌキの健常個体が現れました。 
巣穴Rへは立ち寄らず、奥の二次林内に入ると餌を探してうろついています。 


シーン3:3/30・午前3:40・小雨・気温4℃(@0:43〜) 
日付が変わった未明に監視カメラが起動すると、夜霧がうっすらと立ち込めていました。 
タヌキの健常個体が慎重に左へ向かっています。 


シーン3:3/30・午前3:49・降雪・気温4℃(@1:09〜) 
軽い吹雪になりました。 
健常タヌキが獣道を左から右へゆっくり立ち去りました。 


シーン4:3/30・午前3:53・降雪・気温5℃(@1:33〜) 
右から来たタヌキが巣口Lの横を通って左へ向かいます。 


シーン5:3/31・午前2:34・降雪・気温5℃(@1:45〜) 
翌日も小雪がちらつく深夜に健常タヌキが登場しました。 
巣口Lの匂いを嗅いだだけで中には入らず、左に立ち去りました。

このとき巣穴Lの中には下半身が麻痺した「いざりタヌキ」が居るのではないか?と私は推測しているのですが(願望)、その跛行個体と挨拶したのかな? 


シーン6:3/31・午後19:59・気温5℃(@2:08〜) 
晩に健常個体が獣道から来て巣口Lの匂いを嗅ぎ回っています。 
巣口Lに顔を突っ込んだものの、中には入らず、手前に立ち去りました。 


シーン7:3/31・午後20:00・降雪・気温5℃(@2:52〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
健常タヌキが今度は巣口Rの匂いを嗅いでから、右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

カラスの群れにモビングされて逃げる昼間のフクロウ(野鳥)

 

2024年4月上旬・午後13:25頃・晴れ 

平地の二次林でカラスの群れが鳴き騒ぎ、猛禽を追い回していました。 
カラスの繁殖期が始まったので、営巣する縄張りから天敵を追い出すモビング行動(擬攻撃)が激しくなっているのです。 
落葉灌木に止まった猛禽の正体は、フクロウStrix uralensis)でした。 
昼間にフクロウの姿を初めて撮れて、感動しました! 
フクロウのすぐ左にはカラスが止まっていて、嫌がらせをしています。 
ようやく春になり、落葉していた二次林でもマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の若葉がいち早く開き始めています。 

樹上のフクロウが飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 
二次林から隣接するスギ防風林の方へとフクロウは逃げて行き、その後を複数のカラスがしつこく追いかけていきます。 




その後、カラスの群れに追いたてられて逃げていくフクロウをもう一度目撃したのですが、証拠動画を撮り損ねました。 
カラスにモビング(擬攻撃)されるフクロウという対決の構図を動画に撮るのなら、もっと引きの絵で両種を同時に撮るべきでした。 
しかし、夜行性のフクロウを生まれて初めて直に観察できた私は興奮してフクロウに思いっきりズームインしてしまい、カラスの姿が撮れていません。 
そのため、カラスの種類が分からないのですが、濁った嗄れ声で鳴いていたことから、ハシボソガラスではないかと思います。(※ 追記参照) 

実は35分前にも、現場近くでフクロウの鳴く声を聞いています。
「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」という♂の囀りさえずりでしたが、残念ながら録音できず。
フクロウの営巣木が近くにあるとすれば嬉しいのですが、まだ樹洞を見つけられていません。 
二次林に侵入した私に対して、フクロウが警告声を発したのでしょうか? 
昼間にフクロウが鳴くとそれを聞きつけたカラスが周囲から集まり、血眼になって探し出してモビングが始まるのかもしれません。 
夜になると力関係は一転して、夜行性フクロウの天下です。 
塒入りしたカラスをフクロウが捕食するのかもしれません。 

この辺りの林床でたまに見つかる鳥の死骸は、フクロウのしわざだった可能性が出てきました。 
関連記事(半年、1年前の撮影)▶  


昼間にフクロウと出会えた状況は、神垣健司『森の賢者 フクロウ』に書いてある通りでした。
フクロウは極めて警戒心が強く臆病な野鳥である。そのため人が近づいたときには、人が気づく前に飛び去って姿を消してしまう。そのため人がフクロウを見ることは非常に難しいのだ。ただ、フクロウを目撃できるケースが2通りある。ひとつは昼間、カラスに追い出されて森から出てきたとき、もうひとつは夜に道路際などで獲物を探しているときである。ただ、こうした機会に出会うことは稀である。(第3章:森に生きる p32より引用)



※【追記】 
猛禽に対してモビングするカラスの鳴き声だけから、カラスの種類を区別できるでしょうか? 
Perplexity AIに質問すると、以下の回答を得ました。
結論から言うと、単純な聞き分けは難しいらしい。
 
モビング中は通常時と異なる緊迫した状況であり、以下の点が考えられます: ハシボソガラスは威嚇時に「グワララ」など濁った声で鳴くことが多い3。 ハシブトガラスも威嚇時には澄んだ声だけでなく濁った声を出すことがあるため、通常の鳴き声からの区別が難しくなる場合がある。

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2025/03/14

早春の休耕地にある営巣地に現れスクワットーマーキングするニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬

シーン0:3/27・午後15:47・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
休耕地にあるホンドタヌキの営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
最近では疥癬に罹ったホンドギツネが巣穴の一部を乗っ取ったようです。 
残雪がほとんど溶けて、枯れ草に覆われた原っぱが露出しました。 


シーン1:4/2・午前2:52・小雪?・気温1℃(@0:04〜) 
小雪がちらつく深夜に、左から久しぶり(1ヶ月ぶり)にニホンアナグマ♂(Meles anakuma)が現れ、巣口Mfの匂いを念入りに嗅いでいました。 
体型や顔つきから♂のアナグマだと分かります。 
その後は地面に尻を擦り付けるスクワットーマーキングを繰り返しながら、右に前進します。
匂い付けして縄張り宣言しているのです。 

春の繁殖期(交尾期)に備えて、アナグマの夜這い♂が早くも♀の巣穴を探しに来たようです。 

寒の戻りで小雪がちらついている(軽い吹雪)と思ったのですが、早春に咲くスギなど樹木の風媒花から花粉が夜も飛散している可能性もありますかね?
(現場の近くにスギ防風林があります。)
雪だとしても、地上にしっかり積もることはありませんでした。 

関連記事(同所同時期の撮影)▶ 春風で飛散するスギの花粉【トレイルカメラ】風媒花


シーン2:4/2・午前2:56(@1:04〜) 
3分半後に監視カメラが再び起動すると、アナグマ♂は巣口Rの匂いを嗅いでいました。 
枯草に覆われた地面のあちこちでスクワットーマーキングしながら手前の二次林へ向かってきます。 


【考察】 
近くの二次林にあるセット(営巣地)で越冬(冬眠)していたアナグマが死んでしまい、気落ちしていたのですが(アナグマ・ロス)、無事に春まで生き残った個体もいることが分かって安心しました。 
まさに自然淘汰の結果だと考えるしかありません。


つづく→

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