2015/05/23

ウシヅノキマダラハナバチ♀の寄主探索飛行



2015年5月中旬

里山(雑木林)の山道で小さくてカラフルな蜂が地面スレスレに飛び回っています。
ときどき停空飛翔(ホバリング)しました。
他のヒメハナバチの巣に労働寄生するキマダラハナバチ属の一種です。
寄主の巣を探しているのでしょうか?
落葉や落枝の下に潜り込んで何やら調べています。
こんな所にホストの巣があるのかな?




実はビロードツリアブBombylius major)もすぐ近くでホバリングしたり一緒に飛び回り、「撮影の邪魔だな〜」と内心思ってました。
後で考えると、ビロウドツリアブ♀も地中に営巣するヒメハナバチの仲間の巣の近くで産卵しその幼虫や蛹に寄生するらしいので、寄主探索で競合していたのかもしれません。

撮影直後に蜂を緊急確保しました。
素早く飛ぶこの仲間を撮れたのは初めてなので、撮影はそこそこで切り上げて、何はともあれとにかく採集を優先しました。

帰ってから『日本産ハナバチ図鑑』で調べてみると、どうやらウシヅノキマダラハナバチ♀(Nomada comparata)のようです。
寄生種なので、♀も花粉籠やスコパをもちません。
寄主はクロツヤヒメハナナバチおよびミカドヒメハナバチらしい。

ところで昔から気になっている素朴な疑問ですけど、労働寄生する蜂はどうして派手な体色を身に纏うのでしょうか?
動物学や昆虫学で「なんとかの法則」と呼ばれていても良さそうなのに、聞いたことがありません。
無ければ勝手に「しぐまの法則」と名付けちゃうぞ!

以下は標本写真。



2015/05/22

トチノキを訪花するオオマルハナバチ?♀



2015年5月中旬

里山の雑木林で重低音の羽音に気づき、トチノキの大木を見上げるとマルハナバチの一種♀が飛び回り、花序で採餌(吸蜜)していました。
見上げるアングルなので、背中の縞模様がよく見えません。(特に襟足の色を見たいのに…)
低山とは言え一応山地なので、クロマルハナバチBombus ignitus)ではなくオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)ではないかと思うのですが、どうでしょう。
時期的に未だワーカーではなく創設女王かな?
後脚の花粉籠は空荷のようでした。

複数個体を撮影したので、もしかすると複数種が混在しているかもしれません。



【追記】
wikipediaで面白い記述がありました。
虫媒花であり花粉は昆虫によって媒介される。トチノキは自家受粉では結実しない性質(自家不和合性)が強いとされ、中でもマルハナバチ類が媒介に最も重要であるという。花には面白い性質が知られており、開花後3日目までは白色で蜜を分泌するが、それ以降は花の色を赤く変え、蜜の分泌も止める。この色の変化を識別できるマルハナバチは、効率よく花を訪れることができるが、花粉の媒介に対して意味のない他のハチやチョウは採餌効率が悪くなる[32]。
確かにこの動画でもマルハナバチがトチノキの白い花を訪れていて、しかも吸蜜に専念しているようでした。
トチノキの赤い花で集粉するかどうか、確かめるのが今後の課題です。




チョウゲンボウ(野鳥)をモビングするハシボソガラスの空中戦



2015年5月中旬

田園地帯の上空高くチョウゲンボウFalco tinnunculus)らしき※猛禽類が旋回飛行していました。
羽ばたきと旋回を交互に繰り返しています。

それに対して一羽のカラス※が果敢に攻め立て、追い払おうとしています。
単独のモビング行動(擬攻撃)ですね。
チョウゲンボウは必死に逃げるだけで、反撃しませんでした。

後半に聞こえたのはカラスが発したモビングコール♪でしょうか。(@0:58)
援軍を呼び寄せようとしているのかな?

※ 遠過ぎて確信はないのですが、トビやノスリよりもほっそりした姿形ですし、ヒラヒラと羽ばたきのリズムが速いのはチョウゲンボウっぽく見えます。
しかも直前に近くでチョウゲンボウの狩りを観察したばかりなので、モビングされているこの猛禽類はおそらくチョウゲンボウだろうと思っています。

カラスもハシボソガラスかハシブトガラスのどちらなのか、豆粒のような映像ではとても見分けられませんが、この地域ではハシボソガラスCorvus corone)が圧倒的に優勢です。



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