2011年4月下旬 室温18℃
室内を徘徊する一匹のハチを見つけました。
ときどき羽ばたいて飛び立つものの、未だ弱々しい。
フタスジスズバチ(別名ヤマトフタスジスズバチ;Discoelius japonicus)のようです。
室内干しの洗濯物に止まり、念入りに身繕いしています。
後脚を互いに擦り合わせています。
ときどき舌を伸縮させたり尾端が開閉したりする様子がちょっと面白かったです。
シャツを舐めているのではなさそう。
性別の見分け方が分からないので、ご存知の方はぜひ教えてください※。
尾端が開いた時も毒針や産卵管らしき物は見られなかったので♂なのかな?(でも体長は小さくないし…。)
※【追記】 蜂屋のヒゲおやじさんによると、ドロバチ科の♂は触角の先が鈎型に曲がる特徴があるそうです。この個体はどうなんだろう?(微妙…)
最後は採寸する代わりに人差し指を目の前にそっと差し出したら乗ってくれました。
実は、軒下に設置した竹筒トラップを秋に回収したまま部屋に放置していました。
中で冬を越した蜂の子が成虫に育ちようやく羽化したと思われます。
竹筒を割って中の巣の状況を調べようと思いつつも、地震やら何やらで手が回りませんでした。
この竹筒にフタスジスズバチが営巣していたとは全く気づかず、ツツハナバチの古巣だと思っていました。
暖房が無い部屋でも室内の方が暖かいので、野外での第一化の出現はもう少し遅れるのでしょう(手元の文献では5〜6月)。
動画撮影後にハチの姿を見失ってしまいました。
翌朝、カップ麺の残り汁に浮いて動かなくなっているハチを発見。
水分を摂取しようとして脚を滑らせたのでしょう。
気落ちしつつ、ハチを掬い上げてペーパータオルで水気を吸い取り、記録用に写真を撮りました。
溺死したかと思いきや、充分乾燥させたら数時間後に元気になったので吃驚。
【追記】
岩田久二雄『自然観察者の手記(3)』第五部の「葉巻き虫を狩るフタスジスズバチ」と題した章を読んでみたら、和名の由来を知りました。
和名フタスジスズバチは中胸背板を縦走する二本の深い溝をさしている。 (p42より引用)
2011年4月中旬
里山を登る林道横に立つアカマツの頂でカワラヒワが止まっていました。
辺りを睥睨しつつ、時々嘴を足元の幹に擦り付けています。
やがてもう一羽が近くの枝に移りました。
(映像はここから。)
並んでいる二羽の色合いが全く違いますね。
雌雄ペアが番となり、繁殖開始したのだろうか。
遠くて風もあり、鳴き声は聞こえませんでした。
カワラヒワのような普通種でも鳥のことは全く知らないのでネット検索の結果を少し拾い読みしただけですが、後から来た濃いウグイス色の個体(左側)が♂成鳥なのかな?
右側の個体(♀?)が私にとってスタンダードなカワラヒワです。
(もし間違えていたらどなたか教えてください。)
とあるサイトで次のような興味深い記述を見つけました。
関連ないかな?
「カワラヒワは、結婚するために独特の儀式があります。枯れ木のてっぺんのような目立つ場所に群がり、オス同士が闘いを繰り広げます。その闘いで勝ち残ったオスが、メスに求愛する権利を得るんです。負けて残ったオスたちは、再び求愛権を得るために闘いを繰り広げます。」
エソロジカル・エッセイ『無名のものたちの世界Ⅳ』という古本の中に「カワラヒワの繁殖生活」という章があったはずなので、後で読み返してみよう。
2011年4月下旬
ようやく咲いた白梅の花にメジロ(Zosterops japonicus)がやって来ました。
花の奥に嘴を突っ込んで、忙しなく蜜を吸って回ります。
少なくとも二羽いました。
顔を花粉で黄色く染め、梅の木にとっては花粉を運ぶ送粉者として働いています。
【追記】
メジロの舌は先が毛状に分かれて、花の蜜を集めるのに適している。(『メジロの眼:行動・生態・進化のしくみ』p32より)