2023/11/05

営巣地の森で後脚で立ち上がるニホンアナグマの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴を自動センサーカメラで監視していると、奇妙な行動が撮れていました。 


シーン1・午前0:11 
深夜にアナグマ♀が右奥の灌木に前脚を掛け立ち上がり、幹の高い部分の匂いを嗅いでいました。 
細い蔓でつながっているため、左から伸びた灌木も激しく揺れています。 

謎の行動をした後、アナグマ♀は手前の巣穴Rに入巣したものの、後退りで再び出て来ました。 
巣穴Rの奥から土砂を掻き出したようですが、後ろ姿ではよく見えません。 


シーン2・午前0:39(@1:01〜) 
27分後、アナグマ♀が前回と同じ地点で後足で立ち上がり、灌木の高い横枝を前脚で掴もうとしていました。 
巣穴Rの上に被さるように伸びた細い蔓がユサユサと揺れています。 

 手前の巣穴Rに戻る途中で、巣口Rを塞ぐように生えた木の細根を甘噛みしました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


アナグマが後足で立ち上がることを知らなかった私は、その点にまず驚きました。 
しかし我々ヒトのような直立姿勢ではなく、木に前足を掛けています。 
アナグマは木登りはできません。
交尾期ですから、発情しかけた♀が夜這いに来る♂を待つ間に暇潰しで独り遊びをしているのでしょうか? 

実はこの後もアナグマは同じ行動を何度か披露することになります。 
カメラの設置アングルを変えてしっかり撮れるようになったら、アナグマが2本脚で立ち上がって何をしているのか謎が解けました。 
解決編をお楽しみに。(映像公開予定)

小川に入って獲物を探し歩く早朝のアオサギ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月中旬〜下旬 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、アオサギArdea cinerea jouyi)が登場しました。 
画面の手前から奥に向かって水が緩やかに流れています。 


シーン1:4/20・午前4:54・(@0:00〜)日の出時刻は午前4:55。 
日の出直前に現れたアオサギが右岸に近い浅瀬を下流に向かってゆっくり歩き、丸木橋の下をくぐりました。 
その後は小川の中央部を歩いて下り、川の本流との合流点へ向かいました。 
餌となる小魚がいるかどうか、小川を調べに来たのでしょう。 
小川の水面に朝日が反射して、逆光になってしまいました。 


シーン2:4/23・午前5:28・(@1:00〜)日の出時刻は午前4:51。 
3日後もアオサギが早朝に登場。 
丸木橋の手前で佇み、左岸を見つめていました。 
水中の小魚を狙っているようです。 
すぐに諦めて小川を遡行し始めました。 
画面の下端で立ち止まり、左岸を向いて静止したものの、トレイルカメラの存在には全く気づいていないようです。 

捕食シーンが撮れず、残念でした。 
そもそも街なかを流れてきた用水路ですから、小魚が豊富に泳いでいる小川ではありません。
小魚が潜んでいるとしたら、逆に本流から遡上してきた個体でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 







2023/11/04

ニホンアナグマの巣穴が気になり連日通うホンドギツネの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬

二次林に営巣するニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の巣穴(セット)には、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)も繰り返しやって来ます。 

シーン1:4/18・午前5:07・(@0:00〜)日の出時刻は午前4:58 
日の出直後に単独でやって来たキツネが、奥の巣穴Lにおっかなびっくり侵入しようとしていました。 
次は手前に回り込んで、もう一つの巣穴Rをこっそり覗き込みます。 
キツネは強引にアナグマの巣穴に押し入ることはなく、諦めて右に立ち去りました。 


シーン2:4/19・午前5:40・(@0:36〜)日の出時刻は午前4:56 
翌日も早朝にキツネが登場。 
営巣地の地面の匂いや風の匂いを嗅いでから、巣穴Rを気にしつつ右へ通り過ぎました。 
…と思いきや、右から手前に戻って来ると、トレイルカメラの存在に気づいたようです。 
カメラを固定した灌木の下に立ち止まって何かしています。 
死角で見えませんが、私の残り香が気になるのかな? 


シーン3:4/19・午後18:19・(@1:36〜)日の入り時刻は午後18:21
同じ日の日没直前にまたもやキツネがアナグマのセットにやって来ました。 
奥の巣穴Lを覗き込んでから、ちょっと座り込みました。 
今回も早足で右に立ち去りました。 


シーン4:4/19・午後21:06・(@2:02〜) 
2時間45分後、暗くなってからもしつこいキツネが再登場。 
薄明薄暮以外の時刻(暗い晩)にキツネが来たのは初めてです。 
今回はアナグマの巣穴を覗き込んだり物色したりしないで、右に立ち去りました。 


シーン5:4/20・午前4:54・(@2:14〜)日の出時刻は午前4:55
翌日も日没直前にキツネが現れ、奥の巣口Lを覗き込んでいます。 
諦めて右奥の灌木林へ立ち去りました。 

キツネはなぜか奥の巣穴Lに執着し、手前の巣穴Rにはあまりちょっかいをかけません。 
ということは、おそらくアナグマ♀は巣穴Lに籠城しているのでしょう。 


シーン6:4/20・午前5:01・(@3:05〜) 
約5分後に灌木林の獣道からキツネが戻って来ました。 
周囲はだいぶ明るくなりました。 
奥の巣穴Lに再び侵入を試みたものの、諦めて左に立ち去りました。 


シーン7:4/21・午前5:40・(@3:33〜)日の出時刻は午前4:54 
翌日も早朝にキツネが現れました。 
奥の巣穴Lを覗き込んでから回り込んで、手前の巣穴Rにも興味を示しました。 
アナグマの匂いが濃厚らしく、侵入せずに神妙な顔つきで右下に立ち去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


この後もトレイルカメラでアナグマ営巣地の定点観察を続けたのですが、キツネがこれほど集中的に現れたのは、不思議なことにこの時期だけでした。 
登場時刻はほとんど薄明薄暮でした。
しかし、明るい昼間は監視カメラを節電のためにスリープさせているので、もしキツネが来ていても記録されません。 
実際は日中もキツネが通ってきている可能性があります。(基本的に夜行性だと思うのですが…。)

キツネの巣穴も近所にありそうです。
縄張りを巡回するついでに、気になるアナグマの巣穴に立ち寄っているのでしょう。
ストーカーのように何度もしつこく通って来るということは、アナグマの赤ちゃんを狩ろうとしているのか、それともアナグマの巣穴をあわよくば乗っ取ろうとしているのですかね?  (※ 追記参照)
後々紹介する予定ですが、この二次林には野ネズミも出没します。
キツネはアナグマというよりも、野ネズミの巣穴が気になっているのかもしれません。

キツネの個体識別が出来ていませんが、まさか複数個体が通っているのでしょうか?

子育て中のアナグマ♀にとってホンドギツネは天敵のはずです。
しかし、外敵が巣口に近寄っただけではアナグマが中から飛び出してきて撃退することは一度もありませんでした。 
あくまでも専守防衛で籠城する穴熊戦術のようです。 
仮に巣口から捕食者が押し入っても、緊急脱出用の出口が別に掘ってありそうな気がします。





※【追記】
子供向けの古い写真集ですが、北海道の大雪山でキタキツネの生態を長期観察した記録をまとめた久保敬親『きつね(しぜんのせかい1)』によると、
中国東北部で動物の観察をしたルカーシキンはキツネは穴の中にすむが穴ほりがうまくないのでアナグマの穴を横どりすると書いています。アナグマの留守に押しかけて尿や糞をして汚し、もとの持ち主が閉口して放棄するのを待つのです。同居している場合もあり、この場合はその家主のウサギなどだけは食べないのだそうです。 (p33より引用)


ホンドギツネもキタキツネも基本的な習性はおそらく同じでしょう。

私が観察するニホンアナグマの営巣地で、ホンドギツネの排泄シーンはトレイルカメラに写っていませんでした。 

監視カメラの死角でやっているのかもしれないので、カメラの台数を増やしたくなります。

キツネがアナグマの留守中に巣穴の中に侵入して、巣内で排泄するという意味でしょうか?


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