2023/02/10

水溜りのある林道を夜に歩くホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月上旬〜中旬 

里山の林道で水溜りのある区間を監視カメラで見張っています。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 
画面の左下と右上を結ぶ対角線の方向に草深い平坦な林道が走っています。 
今のところ、タヌキが水溜りの水を飲むことはありません。


シーン1・9/4・午後18:52 
タヌキは画面の手前から奥へと林道を横断してから林道を外れ、奥の斜面を下って行きました。 
どうやら谷へ下りて行く獣道があるようです。 


シーン2・9/5・午後19:59 (@0:15〜) 
翌晩のタヌキは、水たまりを避けながら林道の左端を歩いてを右へ歩いて行きます。 


シーン3・9/11・午前4:07 (@0:24〜) 
6日後は珍しく未明にタヌキが登場しました。 
シーン1と同様に、画面奥の斜面を降りて行ったと思いきや、再び白い目が2つ光って見えました。 
林道に引き返して左へ向かったようです。



オオバクロモジとタニウツギの葉をハキリバチ♀が大量にくり抜いた跡【フィールドサイン】

 



2022年9月上旬・午後13:40頃・くもり 

里山の斜面を登る細い山道が近年使われなくなって廃道になっています。 
野生動物の獣道になっているので、私だけが調査のためにときどき薮漕ぎしながら通っています。 
辺りは鬱蒼と茂った藪(若い二次林)なので日当たりが悪く、林床に生えたばかりのクロモジの幼木(実生。地上からの高さ約35cm)は早くも黄葉が始まっていました。 
その葉が集中的に丸くくり抜かれていました。 
これほどきれいな曲線でくり抜くのは幼虫(イモムシ類)の食痕ではなく、ハキリバチ科の仲間♀が巣材として葉片を集めた痕跡です。 
ハキリバチの種類によって営巣場所は違いますが、地面に巣穴を掘ったり樹洞や枝の虫食い穴を再利用したりします。 
ハキリバチ♀はその穴に葉片を詰め込んで育房を仕切る巣材とするのです。 
クロモジ幼木の上から下まで多くの葉が卵型に切り抜かれていました。 
切り口が変色してないので、比較的新しい葉切り痕のようです。 
ということは、切り抜かれた後で黄葉したのではなく、ハキリバチ♀は黄葉してから切り抜いたことになります。 
つまり、緑の葉も黄葉した葉もお構いなしにくり抜いたと推理できます。 
訪花する花弁の色をしっかり見分けられるハナバチが色盲のはずがありません。 
ハキリバチの幼虫は花粉と花蜜を混ぜた団子を食べるので、巣材の鮮度はあまり気にしないようです。 
ハキリバチの幼虫がもし植物の葉を食べるのであれば、栄養価が低下した黄葉を母蜂は与えるはずがありません。 
オトシブミの揺籃とハキリバチの巣材は目的が異なります。

廃道を更に進むと、もっと大きく育ったクロモジの灌木にもハキリバチの切り取り跡を大量に発見しました。 
クロモジの中でもオオバクロモジのようです。 
緑の葉の切り口が茶色く変色しているのは、切り抜かれてから日数が経った古い痕跡です。

オオバクロモジの隣に自生するタニウツギの葉にも切り取り跡が少し見つかりましたが、オオバクロモジの葉の方が巣材として圧倒的に好みなようです。 
その理由を自分なりに考えてみました。
クロモジの葉を千切ると爽やかな芳香します。 
良い匂いのする枝は、和菓子を食べる楊枝として加工されます。
枝や葉には芳香精油を含み、防虫・防腐効果もあると言われてます。 
ハキリバチ♀もその薬効を知っていてオオバクロモジの葉を選好したのだとしたら、興味深い発見です。 
クロモジの葉に包まれたハキリバチ育房の花粉団子はカビが生えにくかったりするのでしょうか?
女子力の高いアロマ好きのハキリバチ♀がいるのかな? 
あるいは単に葉の厚みや触感によって好みがあるのかもしれません。 
タニウツギのごわごわした葉よりもクロモジの薄い葉の方が、巣材として丸めたり加工したりしやすいのでしょう。 

その場でしばらく待機しても、巣材集めのハキリバチ♀は通って来ず、残念でした。 
複数個体(あるいは複数種?)のハキリバチ♀が巣材を集めた跡かもしれません。
葉切り痕@オオバクロモジ幼木・黄葉
葉切り痕@オオバクロモジ灌木
葉切り痕@オオバクロモジ+タニウツギ
葉切り痕@オオバクロモジ+タニウツギ・全景

実は現場から少し低い地点で、トリアシショウマらしき葉にもハキリバチ♀のしわざを見つけました。(写真のみで動画なし)
ハキリバチの種類によって巣材の植物種がどのぐらい違うのか、調べたら面白そうです。
例えばバラハキリバチ♀はバラの葉を、クズハキリバチ♀はクズの葉を好んで集めますが、本当に好き嫌い(選り好み)が激しいのでしょうか?

葉切り痕@トリアシショウマ

2023/02/09

夜道で起動したトレイルカメラに気づいて逃げるツキノワグマ【暗視映像】

 



2022年9月上旬・午後19:25・気温22℃ 

監視カメラを設置した里山のスギ林道に、ツキノワグマUrsus thibetanus)がある晩に右からノシノシと歩いて登場しました。 
今回も全身の毛皮に大量のひっつき虫が付着しています。 
山野の藪や獣道を通り抜ける際に動物散布型の草の種子が次々に付着して、遠くに運ぶことで種子散布に貢献しているのです。 
例えばニホンザルは群れの仲間同士で毛繕いに費やす時間が多いので、これほど多数のひっつき虫が付着している個体を見たことがありません。

通りかかったツキノワグマがカメラを見上げたと思ったら、急にスピードを上げて左へ走り去りました。 
意外と臆病な熊もいるようです。(性格の個体差?) 
起動したトレイルカメラが発するかすかなノイズを聞きつけたのか、それとも2個の赤外線LEDがうっすらと赤く光って(クマの可視光域?)怪物の目のように見えたのでしょうか? 
林道上にあるタヌキとアナグマの溜め糞場sには興味を示す暇もなく、駆け抜けました。 

ランダムに記事を読む