2022年8月下旬・午後22:55頃・気温15℃
里山のスギ林道にある溜め糞場sをトレイルカメラで見張っていると、起動したカメラの近くで何やらガサガサ♪物音がしています。
音量を上げてみると、重低音の唸り声も聞こえるのでイノシシが鳴いているのかと思いました。
ところが、その直後にドドドド…と地響きを立てながらニホンカモシカ(Capricornis crispus)2頭が前後して林道を全力で右から左へ駆け抜けました。
約25秒後、更に別のカモシカ2頭が同じ方向へ走り去りました。
計4頭のカモシカが縦一列で間隔を置いて駆け抜けたことになります。
一体何事でしょうか?
実は、直後にもう一度センサーカメラが起動したのですけど、謎の物音がするだけで何も写っていませんでした。
カモシカの謎の行動を解明するには、別アングルの映像が欲しいところですが、残念ながら何も写っていませんでした。
トレイルカメラによる60秒間の動画撮影で一度に4頭ものカモシカが写っていたのは初めてで、驚きました。
ニホンカモシカは草食獣にしては珍しく、基本的に群れを作らず単独で生活します。
母子という最小単位の家族群しか作らないとされています。
真夏は繁殖期でもありませんから、今回の動画に写った4頭は、おそらく2組の母子だと推察されます。
2組のカモシカ母子が暗闇の獣道で鉢合わせしてパニックになったのでしょうか?
イノシシやツキノワグマなど他の動物とニアミスして驚いたのかな?
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:45〜)、謎の獣はイノシシではなくカモシカのようです。
カモシカの黒いたてがみが見えます。
ただし親子かどうか、体格差もよく分かりませんでした。
録画のフレームレート25fpsに対してカモシカの走りが速過ぎて、残像のように変形していました。
カメラの画角内に写っている林道区間の距離がもし分かれば、そこをx秒で駆け抜けるカモシカの走行速度が映像から求めることが可能です。
ちなみに、対面に写っているスギの幹の胸高直径は約60.5cmでした。
カモシカの本気の走り(全力疾走)を見る機会はなかなか無いので、貴重な記録です。
これは無人カメラの映像ですが、もし夜道で実際に走って来るカモシカと出くわしたら、かなりの恐怖体験になりそうです。
関連記事(同所で3.5か月後の撮影)▶ 初冬のスギ林道を夜中に全力疾走するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。