2021/10/12

アベリアの花で盗蜜しながら花粉団子を運ぶクロマルハナバチ♀の謎

 

2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ
前回の記事:▶ アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

前回の記事ではとりあえず教科書通りの説明をするために、アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の花で盗蜜行動を繰り返すクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀の中でも後脚の花粉籠が空荷の個体を選んで動画にしました。 
盗蜜中は花の雄しべに体が全く触れませんから、集粉活動とは両立しません。 

ところが、同じアベリアの生垣で採餌するクロマルハナバチ♀の動画を撮りまくると、その中には後脚の花粉籠に少量の白い花粉団子を付けている個体が複数混じっていました。 
今回はそんな異例の個体ばかりを集めて動画にしました。 

前回帰巣した際に集めた花粉をしっかり育房に掻き落とさなかったのかな? 

おそらくクロマルハナバチ♀の中にも体格の個体差があって、小型のワーカー♀はアベリアの狭い花筒に潜り込んで普通に吸蜜できる(正当訪花)はずです。 
しかし今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりです。
あるいはアベリアの花筒のサイズにも幅(変異)があって、少数ながらも極太の花筒でクロマルハナバチ♀は正当訪花できたのかもしれません。
また、クロマルハナバチ♀は巣に戻るまでの1回の採餌飛行の途中で(同じ種類の花の群落内で)採餌法を正当訪花⇔盗蜜と切り替えることがあると分かっています。 
しかし、今回はアベリアの生垣で正当訪花する個体を一度も見かけませんでした。(単に私が見落としただけかもしれません。) 

残る可能性として私が一番有望だと考えているのは、他種の植物に正当訪花して花粉を少し集めてからアベリアの群落に移って来た、という仮説です。 
今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりなので、他の植物由来の花粉と考えるのが自然だと思います。
盗蜜しながら花粉団子を運ぶクロマルハナバチ♀個体を捕獲して、花粉籠から採取した花粉を顕微鏡で調べれば、どの植物由来の花粉か検証できそうです。 
ただしそのためには、近隣に咲くあらゆる植物の花粉の微細な形状を予め調べておく必要があり、大人の自由研究としてはなかなか大変そうです。 
しかも普通の光学顕微鏡ではなく走査型電子顕微鏡が必要となれば、素人には手が出せません。
やってみれば全てアベリアの花粉だったとあっさり判明するかもしれません。 

 

過去に紹介した記事の動画も見返すと、穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀の中に花粉団子を運ぶ個体が一部混じっていました。
関連記事(4年前の撮影)▶ アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀


2021/10/11

冠水した獣道を夜に歩くホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年7月中旬・午後19:40頃・気温19℃(日の入り時刻は午後19:03) 

日没の約35分後に、水辺の獣道にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が通りかかりました。 
氾濫原の周囲の細い舗装路が大雨の後で冠水しています。 
タヌキは足首ぐらいまで水に浸りながら、その道をジャブジャブと右から左へ歩いて行きました。 
増水した夜道でカエルやザリガニなどを探し歩いていたのかもしれません。

私が道端に設置したトレイルカメラの存在にタヌキは明らかに気づいています。 
立ち止まるとカメラ目線でしばらく凝視したものの、近寄ってカメラの匂いを直に嗅いだりはしませんでした。 
センサーカメラはかすかに作動音がするため、タヌキが気付くことも多い。
薄っすらと赤く光るカメラの赤外線LEDが見えているのかもしれません。

左へ立ち去るタヌキの後ろ姿をよく見ると、尻尾がひどく細いのが気になりました。 
雨で毛が濡れたせいで尻尾が細く見えているだけだと良いのですけど、疥癬など皮膚病の感染症だと心配です。 
今後の個体識別に使える特徴かもしれません。
夏毛だとこのぐらい細い尻尾が普通なのかな?

※ 動画編集時に正規化して画面全体を明るく加工しています。 

この後、氾濫した水が引くとアメリカザリガニの死骸2匹が泥だらけの路上に残されていました。 
2日後の昼間に私がトレイルカメラの様子を見に行ったときには、獣道にタヌキの足跡はありませんでした。(気づかずに見落とした?) 



路上で身繕いし落ち葉を舐めるアカウシアブ♂

 

2021年7月下旬・午前8:30頃・晴れ 

里山の峠道でアカウシアブ♂(Tabanus chrysurus)を発見。 
初めは日陰に居たのに、少し飛んで日向の路上に出て来ました。 
路上に散乱している紫色の落花はクズです。 
アカウシアブはスズメバチにそっくりなベーツ型擬態の好例で、出会う度に一瞬ドキッとします。 
交尾相手の♀をいち早く見つけるために♂の複眼は非常に発達していて、左右の複眼が頭頂で接しています。 
頭部のほぼ全体を占めるほど巨大な複眼です。 
♂は♀と違って吸血しませんから、刺される心配はありません。

炎天下で焼け付くように熱い舗装路を歩き回りながら、アカウシアブ♂は前脚の先を小刻みに上下させて路面に触れています。 
路面が耐え難いほど熱いのなら他の脚も同様にバタバタ動かして冷ますはずですが、前脚だけで路面を軽く叩いていました。 
前足の触覚で何か(餌?)を探索する行動なのでしょう。 

立ち止まると身繕いを始めました。 
左右の後脚を持ち上げて腹部を擦っています。 
クロアリのワーカー♀が近づいて来ると、アカウシアブ♂は嫌がって飛び立ちました。 
少し離れた路肩の白線上に着地したものの、すぐにまた飛びました。 

枯葉に覆われた日陰の路肩に移動すると、落ち葉の表面を舐めているようです。 
ミネラルを摂取しているのかな? 
立ち止まると黒くて太い口吻を前足で拭いました。  
関連記事(6年前の撮影)▶ 路上のアカウシアブ♀

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